「猛暑にエアコン18度で窓ガラスが割れた」…まれに起きる“熱割れ”の注意点をAGCに聞いた

暮らし

  • 気温35度で冷房をつけていたら窓が割れたという投稿が話題
  • 正体は「熱割れ」という現象...ただ、内外の気温差だけで割れたとは考えにくい
  • AGC「窓の横に設置されている、室外機が関係していると想定されます」

窓ガラスが割れた...衝撃の投稿が話題

全国的に猛暑の日々が続いている。特に8月は危険な暑さで、気温40度に到達するところも出ている。17日には、静岡・浜松市で国内の史上最高気温と並ぶ、41.1度を観測した。

こうも暑いと冷房をガンガンにかけて、部屋を涼しくしたいところだが、その前に覚えておいてほしいことがある。周囲の環境によっては、窓ガラスが割れる可能性があるというのだ。

気温35度、室温をエアコンで冷房18度にすると、どうなるか 窓が割れます

このように投稿したのは、Twitterユーザーのうたくれすと(@uta7me7)さん。暑さに耐えかねて冷房をつけたところ、気付いたら窓ガラスが割れていたという。実際の画像を見ると、窓ガラスにはさまざまな方向からヒビが入ってしまっていて、危険な状態に見える。

実際の画像
実際の画像

この投稿は、いいねを11万以上(8月19日現在)も集めたが、割れてしまった窓ガラスは交換することになったという。「家の窓も似たような感じでヒビ割れしています」「西日があたる網入窓は2、3年ごとにヒビ割れしたな」といった反応もあり、注意する必要がありそうだ。

だが、夏の暑さや熱中症から身を守るには、冷房は必要不可欠でもある。新型コロナウイルスの影響もあって自宅で過ごす人は多いだろうが、室温を下げすぎると外との温度差でこうした現象が起こってしまうのだろうか。
なぜ窓ガラスが割れたのか、ガラスメーカーの「AGC」に聞いた。

温度差でまれに「熱割れ」が起きる

――夏の気温差で窓ガラスが割れることはある?

窓ガラスが割れる原因としては、「熱割れ」という現象があります。

――熱割れが起きる仕組みは?

熱割れは、窓ガラスに局所的な温度差が生まれると発生する可能性があります。ガラスは熱が加わると膨張する、冷たくなると収縮するという性質があります。また、窓ガラスだとサッシに接している部分は、日差しが遮られるなどして、高温になりにくい傾向があります。

そのため、太陽光などで窓ガラスが熱せられると、高温の部分とそうでない部分で大きな温度差が生まれることがあります。これが膨張と収縮を押し引きする関係となり、その力にガラスが耐え切れなくなると、熱割れが発生するのです。

熱割れの図解(提供:AGC)
熱割れの図解(提供:AGC)

――熱割れは夏に起きやすいの?

熱割れ自体、起きることはかなりまれで、それも夏よりは冬に発生しやすい現象です。冬の寒さで冷えたガラスに朝日が一部分だけ当たることで、温度差が生まれることはありますが、夏に起きるのは珍しいケースと言えるでしょう。私たちも、夏に起きるんだという印象です。

室外機の温風が影響したか

――今回の投稿で窓ガラスが割れたのはなぜ?

ガラスは熱に弱いわけではなく、通常は600~700度でも割れないほどの耐熱性があるので、単純な熱で割れたわけではないと思います。Twitterの投稿者さまの状況だと、気温36~38度程度で18度の冷房を入れていますが、この気温差だけで割れることも考えにくい状況です。

投稿写真を見ると、窓の横に設置されている、室外機が関係していると想定されます。室外機は室内の空気を排出するので、その温風が窓に当たり、さらに室内のエアコンから冷風が直接窓の一部分のみに当たっていたとすると、熱割れが起きたことも考えられます。

――窓ガラスの種類は影響する?

投稿者さまの窓ガラスは、格子状の「網入りガラス」でした。この種類は他と比べると、熱割れの可能性は比較的高くなります。網部分が金属製なので、経年劣化したりさびたりすると一部分に熱がこもることもあるためです。なぜ、網があるのかという人もいると思いますが、これは防火目的です。ガラスが割れたとき、破片などが全て落ちないようになっていて、火事などが起きた場合、炎が室内外に及ぶ時間を遅らせることができます。

――熱割れが起きやすくなる環境はある?

冷房を直風で当てたり、室外機の排気を当てること以外だと、ガラスの内側にカーテンやブラインドなどの遮蔽物を密着させるのはよくありません。ガラスが熱を放出しにくくなり、密着した部分だけに熱が集まることがあります。特に白色など、反射の強い色は熱を集めやすいので注意してください。ガラス面に紙を貼ったりするのも、熱を集めやすくなります。

一般的なカーテンの使い方なら問題ないという(画像はイメージ)
一般的なカーテンの使い方なら問題ないという(画像はイメージ)

――冷房をつけるときはどうすればいい?

温度差を起こさないことを考えると、ガラス面に直接風が当たらないようにするほか、急激な風量や低温の設定は避けたほうがよいでしょう。帰宅直後などで室内が暑いときは、急に冷房を入れるよりは、空気を入れ替えてからのほうが望ましいと思われます。ただ、冷房を低温に設定してはいけないということではありません。状況に応じて、使っていただければと思います。

熱割れは進行するので見つけたら交換を

――割れたときはどう対処すればいい?

熱割れは進行するので、すぐに交換するのがお勧めです。応急処置をして、管理会社などに連絡するべきでしょう。交換するまでに時間がかかるときは、ベニヤ板や段ボールなどを使い、ガラス面全体を覆うようにしてください。割れた部分に触れるとけがをする可能性があるので、素手では触らないようにしてください。

段ボールなどはあくまで、熱割れが起きてからの応急処置という(画像はイメージ)
段ボールなどはあくまで、熱割れが起きてからの応急処置という(画像はイメージ)

――窓ガラスに異常がないか確認する方法はある?

特にはありません。ただ、熱割れに限ったことではありませんが、ガラスの原理として、傷や小さな割れがあるとそこが起点となり、割れることは起こり得ます。窓が傷ついていたり、サッシが劣化していたら、少し注意してみるべきかもしれません。

――熱割れが心配な人に伝えたいことはある?

熱割れは一般的な冷房の使い方をしていれば起きにくい現象です。今年は猛暑なので、室内で冷房をガンガンに入れて、温風を室外機で排出して、長時間家にいて...となると、条件としてはよくないかもしれませんが、過敏になりすぎる必要はないと思います。窓ガラスに異常はないか、ときどき見ていただけば、問題はないと思います。

 

窓ガラスが割れたのは、ガラスの温度差による熱割れが原因と思われるとのことだった。ただ、外気と室温というより、ガラス自体に局所的に温度差ができることで割れることがあるそうだ。一般的な冷房の使い方なら起きることはまれというので、過敏になる必要はないが、真夏や真冬は少しだけ、意識してみるといいかもしれない。

(FNNプライムオンライン8月20日掲載。元記事はこちら

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