アルミの蓄熱素材をアウターに… “機能性ウェア”でV字回復! アルペンが苦境のアパレル事業に本格参入したワケ

経済・ビジネス

  • アルペンがオリジナルブランドの初直営店を発表
  • 日常からスポーツに活用できる機能性ウェアを展開
  • 業績好調の理由は「スピードある意思決定」

スポーツブランドの技術を生かして

スポーツ用品販売のアルペンは9月16日、オリジナルブランドの初の直営店を発表。苦戦が続く業種にあえて挑んだ理由を取材した。

「TIGORA by SPORTS DEPO」
「TIGORA by SPORTS DEPO」

東京・立川に18日オープンする「TIGORA by SPORTS DEPO」は、VR店舗とも連動。

ネット上でもリアルな買い物気分を味わえるだけでなく、タブレット上にモデルを登場させることも可能だ。


これは、裏側にメッシュ素材を使い、通気性が良く軽いジャケット。ズボンはストレッチが効き動きやすいという。

メッシュ素材の裏地
メッシュ素材の裏地

そして、こちらはアルミの蓄熱素材を使ったアウター。


冷風機を浴びた後に着用してサーモグラフィーで見ると、背中の表面温度が上がっていることがわかる。


こうしたスポーツブランドならではの技術を生かし、日常からスポーツにも活用できる、機能性にこだわったウェアを中心に展開する。

既存のブランドが相次いで撤退するなど、アパレル業界が苦戦を強いられている中、あえてアパレルに本格参入する狙いとは?

周囲が萎縮しているからこそチャンス

アルペン・水野敦之社長:
家の中で快適に仕事をする、生活をするという時に、機能性の高さなどが求められるようになっていて、スポーツブランド、スポーツの機能性が非常に注目されているのではないかと思っています。


アルペン・水野敦之社長:
厳しい環境で周囲が萎縮している状況だからこそ、わたしたちにはチャンスだと考えている。


新型コロナウイルスの影響で、4月の売上高は前の年に比べ50%台まで落ち込んだものの、家で仕事をして、そのまま外に出られる服が人気を呼んだことから、6月には100%を超え、順調に回復している。


近場で買い物する客のニーズにマッチ

一方で、こんな理由も…

アルペン・水野敦之社長:
都心の大型のショッピングセンターではなくて、近場で買い物をするという消費スタイルに変わってきていると思うが、そういった受け皿に我々はなっていると思う。


郊外型店舗を構えるため、オンラインを利用しない層や車で移動する客のニーズとうまくマッチしていたのだという。

今後はコロナで増えた空き店舗を活用し、11月にも新店舗を展開する予定。


自社の強みを生かしたアルペンの取り組みは、アパレル不況を打ち破る起爆剤となるのだろうか。

好調な理由に「スピードある意思決定」

三田友梨佳キャスター:
ネットユーザーを取り込み、それ以外のニーズも逃さないこの取り組みを崔さんはどうご覧になりますか?

エコノミスト・崔真淑コメンテーター:
こうした新しい取り組みを積極的に進める姿勢には、とても勇気付けられますよね。コロナ禍において小売企業は、コロナの前からeコマースや商品の多角化を行っていた企業とそうでない企業とで明暗が分かれているんです。

今回のアルペンの取り組みは、コロナ特需というよりもこれまでのeコマース、さらにはスキー人口の縮小を見越してキャンプ用品やアパレルなどの新しいところに取り組んできたことが花開いて、業績にも表れているのかなと思います。


三田友梨佳キャスター:
こうした戦略の背景には、企業としてどのような取り組みがあるとお考えですか?

エコノミスト・崔真淑コメンテーター:
新しいことにどんどん取り組み、そのための意思決定を速くさせるためのメカニズムが影響していると思います。

アルペンは創業家が株式の約20%を保有していますが、良い意味でトップダウンが効いているからこそ、意思決定のスピードが速く、新しい取り組みができていると思います。意思決定のスピードが相対的に速いとされる創業家企業は、平均的に業績が高いという研究もあります。

ここから私たちが学べることは、コロナ禍で耐えるためのスピード感を持った意思決定。これをどう進めていくのか、注目したいと思います。

三田友梨佳キャスター:
生活が一変した状況では、企業にとってスピード感のある判断がより一層求められるということですね。

(「Live News α」9月16日放送分)

(FNNプライムオンライン9月17日掲載。元記事はこちら

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