日本一高い390mの超高層ビル東京駅前に建設へ…コロナで“空室率”上昇する中なぜ?勝算は

経済・ビジネス

  • 東京駅前に63階建て390m日本一の高層ビル建設へ
  • オフィスの空室率が6カ月連続で上昇する中なぜ?
  • 「3密にならない」売りに地方が会社誘致を活発化

東京駅前に390メートル 日本一高いビル

東京都心で高層ビルの建設ラッシュが続く一方で、コロナの影響で空室率は上昇。そこから見えてきた新たな課題と対策を取材した。

三菱地所は9月17日、東京駅前で進める再開発プロジェクトの街の名前を「TOKYO TORCH」に決定したと発表した。


2027年度に完成予定で、世界に誇る日本の新たなシンボルを目指す。


2023年度に着工予定のメインタワーは63階建て。その高さは東京タワーの333メートルを超える390メートル。


完成すれば、現在日本一の大阪あべのハルカスの300メートルや東京港区に建設中の高層ビルの330メートルを抜いて、日本一高いビルとなる。

東京駅周辺は、銀行や商社などが集中するエリアとあって、2021年完成予定の常盤橋タワーについては、すでにほぼ全室借り手が決まっている。


三菱地所・吉田淳一社長:
選ばれる街としての丸の内大手町に新しい魅力をさらに付加するという意味で、新しい流れをさらにソフト面でもハード面でも組み込んで、常磐橋計画を進化させていきたい


オフィスの空室率は上昇、賃料は下落

しかし東京都心のオフィスビルの空室率は6カ月連続で上昇し、2月の1.49%から8月は3.07%となった。また、賃料は実に6年8カ月ぶりに下落した。


新型コロナの影響で、事業を縮小したり、在宅勤務が増えたことでオフィスの解約が相次いでいるためだ。

リモートワーク推進でオフィスを縮小する企業

東京・渋谷区にあるITフリーランスの人材仲介やゲーム開発を手掛けるギークス。


広々としたオフィスは平日にもかかわらず人がまばら。実は、オフィスの縮小を決定しているという。

ギークス社員:
私は週2、3日出社しています。今週末にオフィスの引っ越しがあるので、荷物の梱包もあわせてするために出社しました

ギークスでは、新型コロナの感染拡大を受け、3月から全社的にリモートワークを導入。必要な場合だけ出社すればいいため、10月から本社の席数を3分の2に縮小することにした。


4フロアあるうちの1フロアを解約するのにともない、19日からフロアの解体作業に入る。

ギークス 広報・安西奈緒子さん:
年間で数千万円ほどコストの削減にはなります。一方で社員が在宅で勤務するうえで、光熱費インターネット利用料などをサポートするための手当を10月から支給を開始します


富士通・東芝もオフィス面積を削減へ

大手でも、富士通が2023年3月までに国内にあるオフィスを半減させることを決定。


東芝も工場を除いて国内にある東京・港区の本社や支社のオフィス面積約3割減らすことを検討しているという。10月から具体的な場所や時期について詳細を詰める予定だ。東芝では3月から在宅勤務を進め、一定の定着が見られたことを受けて判断したとしていて、一方でサテライトオフィスの拡充など働きやすい環境づくりにも取り組むという。


それでも三菱地所が東京駅前に大規模オフィスを展開するのはなぜなのだろうか?


三菱地所・吉田社長:
このエリアには、戦略的なことを意思決定していく戦略部門、それをサポートしていく法律事務所監査法人コンサルの主要なところが集まっています。国際金融拠点として、日本橋、兜町の流れの中で位置づけてもらっています。魅力を高めていけば、需要は増えてくると思います


地方自治体がオフィス誘致を活発化

三田友梨佳キャスター:
社員全員がリモートワークで働く会社、キャスター取締役COOの石倉秀明さんに聞きます。コロナの影響でオフィスの様子も変わってきているようですが、どうご覧になりますか?

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
ここ数年、渋谷や丸の内周辺のオフィス街の家賃は高騰し続けてきましたし、空きもほとんど無い状態が続いていたので、私の周りのスタートアップの経営者もオフィス探しに苦労する方がたくさんいました。今回コロナの感染が広がってリモートワークを取り入れた会社にとっては、オフィス解約までは行かなくても、これ以上オフィスを広げない選択を決定したり、一部縮小する動きは出てきています


(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
また、オフィスのオーナーさんから「家賃を下げても良いので契約は更新して残して欲しい」というお願いがあったという話もちらほら出てきています。ただ、それ以上に地方の自治体が別の動きを活発に見せている印象もあります

三田友梨佳キャスター:
別の動きとはどういったことでしょうか?

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏:
地方だと、広くて開放感のある“密にならないオフィス”が作れるということを武器に、都心にある会社を誘致する動きが加速していると思います。実は弊社にもここ数カ月だけで10件以上の自治体から申請や依頼がある状況なんですね。彼らの狙いは、オフィスという箱を置くことで、地元住民の雇用の受け皿になるということはもちろんですが、いずれリモートワークが進んで移住者を増やすとなった時に、地元にもたくさんの企業があった方がいいということで誘致をしているんです。なので、地方は不動産業界にとって、withコロナ時代の新しい戦略の要になるのかなと思います

三田友梨佳キャスター:
これまではオフィスの立地が1つのステータスにもなっていましたが、これからは場所に限らず、オフィスとして何を提供できるのか、空間の活用がより問われているのかもしれません

(「Live News α」9月17日放送分)

(FNNプライムオンライン9月18日掲載。元記事はこちら

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