戻らぬ客足…コロナ禍で苦境続く九州一の繁華街・中洲 店を支援する取り組みも

社会

  • “にぎわい”を失った九州一の繁華街・中洲
  • それでも店を続ける理由 「中洲は、ぼくの人生そのものです」
  • 苦境の中続く模索…打開策に新たな取り組みも

コロナ苦境に立たされる九州一の繁華街・中洲

新型コロナウイルスの影響で、多くの飲食店が経済活動と感染拡大防止のはざまに立たされている。中でも九州一の歓楽街・中洲の飲食店は、かつてのにぎわいを失う中で、厳しい現実と向き合い続けている。

中洲の一角に店舗を構えるスナック「Hura-Hura&Mlmii」。


店を切り盛りするのは、ゆうみママ。中洲の世界に飛び込んで18年。
若くして2つの店を持つ“敏腕”ママだが、新型コロナの影響で客足が大幅に落ち込み、1店舗を閉める決断をした。

中川ゆうみママ:
1番最初にオープンしたお店の方を閉めました。ここよりも広かったので、団体のお客さまを入れやすかった。やっぱり思い入れがあるので、断腸の思いでした


従業員の生活を守るために下した苦渋の決断。
そんな中、追い打ちをかけたのがー

福岡県・小川洋知事:
2時間以内で施設を利用していただきたい。そして2次会、3次会を控えていただきたい


8月5日、県が福岡コロナ警報とともに打ち出した「飲み会2時間以内、1次会のみ」のルール。
この協力要請は2週間で解除されたものの、その後、中洲に「にぎわい」は戻っていない。


中川ゆうみママ:
協力要請が解除されたからといって、お客さまが増えるわけではないですし、飲みに出るのは怖いというお客さまが多い

中洲地区では8月、感染防止宣言ステッカーを貼っていたスナックでクラスターが発生。
自己申告のみで簡単に入手できるステッカーの実効性など、ゆうみママは、自治体の取り組みに限界と疑問を感じている。


中川ゆうみママ:
ステッカーの意味は、はっきり言ってないと思う。わたしたちも、これで十分なのかがわからない。福岡県には、店1軒1軒をまわっていただいて教えてほしい

中洲は“ぼくの人生そのもの”

一方、中洲地区で終戦直後のたたずまいを今に残す「人形小路」。
居酒屋やバーが軒を連ねるこの小さな横町にも、コロナの影響は及んでいる。

博多湾の新鮮なアラカブを使ったみそ汁。
長年、常連客に愛され続けている看板メニューだ。


人形小路で40年近く居酒屋を営み、町内会長を務める田口隆洋さんは今、これまでにない危機感を抱いている。

人形小路 町内会長・田口隆洋さん:
ここの地下の店が8月の14日に閉めた。団体のお客さんを入れるような飲み屋。そして向こうにも閉店した店が1~3軒ほどある

新型コロナの影響で、4店舗が相次いで閉店。
来店客の減少にともない、田口さんの店も営業時間を短縮し、仕込みの量を半分以下に減らしている。


人形小路 町内会長・田口隆洋さん:
リーマンショックとかありましたけど、こういうことは初めて

九州一の歓楽街・中洲が直面している「未曽有の事態」。
しかし、田口さんは、のれんを下ろすことは決してないと話す。

人形小路 町内会長・田口隆洋さん:
不安はたくさんありますよ。でも、1人でもお客さんがお店に来たら開けないといけない。そういうことです。(中洲は)ぼくの生活そのもの。ぼくの人生そのもの


打開策となるか…“先払い”で店支援

苦境に立たされている「夜の街」を支援しようと新たな取り組みも…

福一不動産・古川隆社長:
金券を作ることを来週?くらいには発行できるようになると思います

長年、中洲の地で営業を続ける不動産会社が独自で企画しているのは、金券発行による「先払いシステム」。


特定の飲食店を応援したくても、コロナ禍でやむを得ず店に行けないという客に対して、店側が金券を販売。
店側は、その収益で当面の赤字分を補填(ほてん)し、客側は、コロナが収束したあとなどに金券を使って店を利用することができるシステムだ。


福一不動産・古川隆社長:
中洲は、人と人とのつながりをつくるためにもどうしても必要なものだと思っていますから、ぜひこのコロナの大変な時期、特に歓楽街の人たちは大変ですから、そこに頑張っていただきたいという思いは強いですね

九州一の歓楽街「中洲」。
経済の再生と感染拡大防止のはざまで、苦境を乗り越えるための模索が続いている。

(テレビ西日本)

(FNNプライムオンライン9月20日掲載。元記事はこちら

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