医療現場最前線 新型コロナ治療の希望「エクモ」の技術者不足…インフルエンザとの同時流行に懸念

社会 医療・健康

  • 新型コロナ重症患者治療に期待 人工心肺装置=エクモ
  • 5人のスタッフが24時間監視 医療現場の最前線
  • 「余裕は決してない」インフルとの同時流行に懸念

新型コロナ重症患者治療の希望「エクモ」


病院に搬送されてきた新型コロナ患者。呼吸を確保するため、意識がない患者に複数の管を取り付けるなど、大勢の医療スタッフが対応に追われる。

命を救う医療現場の最前線では、こうした緊迫した日々が続いている。

24時間監視…救命救急センターの新型コロナ治療

福岡市城南区にある「福岡大学病院」。

九州では最も多い5台のエクモ(=人工心肺装置)を保有する救命救急センターでは、10年ほど前から海外の大学に医師などを派遣して、エクモを操作する技術の蓄積に努めてきた。


2020年7月には、新型コロナ患者の専用外来「エクモセンター」を設置。
肺の機能が著しく低下した重症患者の治療にあたっている。

エクモセンターのICUの中の映像。
運ばれてきたばかりの重症患者には、1人あたり医師や看護師など5人ほどのスタッフがつき、体調の管理や装置にトラブルがないか、24時間監視する。



石倉宏恭院長(9月2日):
やはりスタッフが感染するというのが最も良くないシナリオですので、それを回避するためにしっかりゾーンニングって言うんですけど、引いているところです



約50人の医師や看護師が所属するこのセンター。そのうち3人しかいない臨床工学技士だけがエクモを扱うことができる。

そのエクモ。患者の体内から血液を取り出し、装置内で血液中の二酸化炭素を吐き出し、酸素を取り込む。


酸素が多くなった血液を再び体内にもどす装置だ。


鳩本広樹臨床工学技士:
基本的にこの装置には、治療させるとか治すという役割はありませんので。患者の心臓や肺が自分で立ち上がってくるのを待つ、その間をサポートする装置が正しい

医療体制は?インフルと新型コロナの同時流行に懸念

一度重症化すると、症状が悪化するスピードも早いと言われている新型コロナウイルス。

確実な治療法もない中で、エクモ、そしてそれを扱うスタッフの果たしている役割は大きいと言える。

しかし…

石倉宏恭院長(9月2日):
エクモを管理する技能技術っていうのも、1年や2年やっただけでは、なかなか習得できないんですよね


装置を取り扱える人材を育てるのにかかる時間は、一般的に5年から10年。それほど長い時間がかかる。


さらに、今後懸念されるのが、インフルエンザと新型コロナの同時流行…
センター長は、重症患者が増えることで、医療提供体制が再びひっ迫しないか懸念している。

石倉宏恭院長(9月2日):
われわれ今(9月2日)5名の重症患者を管理しているんですけども、これでまだまだマンパワー的に余裕があるかというと、決してありません。少しの気の緩みが、コロナだとかインフルエンザの罹患(りかん)につながってくるということは間違いないと思いますので、少なくとも来年春を迎えるまでは気を緩めずに、インフルにもコロナにもかからない生活をしてほしい

患者治療の最後の砦となるエクモ。
その力に頼らない1人1人の感染予防の徹底が改めて求められている。


(テレビ西日本)

(FNNプライムオンライン9月28日掲載。元記事はこちら

https://www.fnn.jp/

[© Fuji News Network, Inc. All rights reserved.]

FNNニュース