NTTがドコモ完全子会社化の狙い 通信新時代も見据え

経済・ビジネス


NTTがドコモを完全子会社化へ。
狙ったのは、意思決定の迅速化だった。

29日午後3時すぎ、NTTの澤田純社長と、NTTドコモの吉澤和弘社長がそろって臨んだオンライン会見。

NTT・澤田社長「このたび、当社はドコモを完全子会社とすることを決定した。目的は、ドコモの競争力強化と成長」

NTTはドコモに対し、TOB(株式公開買い付け)を実施し、2020年度内にドコモを完全子会社化すると発表した。

NTTは現在、ドコモ株およそ66%を保有しているが、残り全ての株をTOBによって取得するとしている。

成立すると、ドコモは上場廃止になる。

買い付け総額は4.3兆円にのぼり、国内のTOBとして過去最高額。

今回の完全子会社化、狙いは意思決定の迅速化。

NTT・澤田社長「上場会社同士の議論としては、当然ステークホルダーが違うし、少数株主の権利・ベネフィットを考慮した場合、議論の幅が増える、時間がかかる。100%子会社と親子上場との一番の違いは、ガバナンスのスピードが変わってくる」

なぜ今なのか、タイミングについては...。

NTTドコモ・吉澤社長「5Gがスタートして、通信以外の競争のまっただ中にある。今の時代はもっと視点を広くして、領域を広げていかないと、なかなか競争に打ち勝てない状況」

国内シェアが首位でありながら、ドコモの収入収益が大手の中で3番手まで落ち込み、GAFAなどの海外企業の出現による市場に対する危機感を示した。

NTT・澤田社長「新たなサービス・ソリューションおよび、6Gを見据えた通信基盤を移動固定融合型で推進し、上位レイヤビジネスまでを含めた総合ICT企業へと進化をしていくことを目指してほしい」

また、会見の中でNTTコミュニケーションズとNTTコムウェアをドコモに移管することを検討していることも明らかにした。

政府が、かねてから推し進める携帯料金の値下げについては...。

NTT・澤田社長「安価なサービスを出すのは、政府に言われたから出資比率があるからではなく、客にいいサービスを提供する、競争で勝つため、財務基盤も整うので、値下げの余力は当然出てくる」

また、NTTドコモの吉澤社長も、「ネットワークやサービスの競争力向上の結果として、低廉で使いやすいサービスを実現していきたい」と述べ、値下げを前向きに検討する考えを示した。

エコノミストで企業ファイナンスを研究している崔真淑さんに聞いた。

三田友梨佳アナウンサー「NTTによるドコモの完全子会社化、崔さんはどこに注目されますか?」

崔真淑さん「やはり、NTTの大株主は財務相だということ。そうなると、やはり菅首相肝いりの携帯電話料金の値下げ、これがより現実味を帯びるのではないか、そんな思惑が流れてもおかしくないと思うんです。実際、株式市場では、『これによってドコモがより値下げをするんじゃないか』、『そうなると価格競争がより激化する、ソフトバンク、KDDIの収益を圧迫するんじゃないか』、そんな思惑から、ソフトバンク、KDDI株価が大きく下落しているんです」

三田アナウンサー「携帯料金の値下げを考える際にポイントとなるのが、その原資をどうやってひねり出すかということだと思うんですが、こちらについてはどうですか?」

崔さん「やはり、親会社のNTTが子会社のドコモを完全に取り込むことで、意思決定のスピードを上げる。そうなると、通信料に依存していたビジネスモデルから脱却し、新ビジネスを構築、そこからの原資を当てていくのかなとも思っています。そして、さらには親会社のNTT、そして子会社のドコモが同時に上場している親子上場を解消することは、海外の投資家の期待にも応えていけるのかも、なんて思っています」

三田アナウンサー「この親子上場は、何が問題なんでしょうか」

崔さん「何が問題かというと、親会社がNTT、子会社ドコモとあるわけですが、そうなると、ドコモの株を、例えば個人投資家であるとか、機関投資家の方が株を購入するとします。でも、ドコモの親会社はあくまでNTT。ドコモはNTTの方ばかりを見て、ほかの少数株主の意見は聞いてくれないんじゃないか、そんな思惑が流れてもおかしくないと思うんですね。なので、実は親子上場というのは、日本以外の国では基本的には禁止している国もたくさんあります。なので、かなり批判的、批判の的になりやすい親子上場を解消したというのは、非常に合理的に見ている投資家やいろいろな人が多いのではないかと思います」

三田アナウンサー「利用者としては、5G時代の核となるサービスが構築されるなど、より良い環境が整うことを期待したいと思います」

(FNNプライムオンライン9月30日掲載。元記事はこちら

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