言論統制 さらに強く... 香港 民主派市民の現実

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10月1日は、中国の建国を記念する「国慶節」。

香港では、国家安全維持法施行後初めての「国慶節」を迎え、大規模な抗議デモを警戒し、厳戒態勢がとられている。

一国二制度が過去のものになりつつある香港で続く、中国の影響力強化に反発する市民のデモ。

デモは、警察と市民の衝突にも発展。
死者も出た。

ところが今、抗議の動きに異変が起きている。

9月28日、香港中心部のショッピングセンターで呼びかけられた抗議集会。
集まった市民は、ごくわずか。

理由は、中国政府が、香港への統制を強め、反政府活動を取り締まる国家安全維持法にあった。

最高刑が無期懲役のこの法律により、政府に批判的なメディアの創業者らのほか、「民主の女神」として知られる活動家、周庭さんも逮捕された。

そうした当局の姿勢に、これまで激しく抗議してきた20代の若者は、反発を強めている。

勇武派の若者(20代)「恐怖に支配されてはいけないから闘う。死ぬまで闘い続ける」

こうした中で、中国の建国記念日「国慶節」を迎えた10月1日。
中国政府寄りのグループが、「中国万歳」などと書いた旗を持って、街を行進していた。

中国や香港の旗を掲げて練り歩くのは、中国政府を支持する親中派の香港市民。

一方、中国の出先機関の前では、民主派による抗議のデモが行われていた。

民主派の団体が、中国の出先機関に抗議に来たが、警察が制止していた。

親中派のデモとは対照的に、5人以上が集まるのは違法だとデモ隊に詰め寄る警察。

香港では今、デモ隊のみならず、民主化を支持する人たちへの締めつけも強まっている。

2019年7月、香港の地下鉄の駅で、白シャツの集団がデモの参加者や一般市民を無差別に襲った事件。

香港の国会にあたる立法会の民主派議員の林卓廷さんは、暴徒に襲われ、口元から血を流し、腕の骨を折るけがをした。

ところが、暴行をやめるよう集団を説得した林さんは、逆に暴動を扇動したとして、2020年8月に突然、逮捕・起訴された。

立法会 民主派・林卓廷議員「わたしが暴動の罪に問われる? ばかげている。警察は反体制派を制圧する政治的な道具に成り果てた」

締め付けは、言論の場にも及んでいる。

ある出版社のスタッフの1人である楊子俊さんは、高校教師だったが、暴動罪で逮捕され、教師の職を失った。

楊子俊さん「あらゆる議論が許されません。香港人の自己認識や香港の独立は、学校では、すでにタブーです。教師は、これらについて何も言えません。そう考える香港人がいても、議論ができないのです」

2020年8月には、その香港から台湾に密航しようとした民主活動家ら12人が、中国当局に身柄を拘束された。

その12人について、中国の検察当局は今回、正式に逮捕したことを明らかにした。

(FNNプライムオンライン10月1日掲載。元記事はこちら

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