「あおり運転殴打」宮崎被告に懲役2年6カ月執行猶予4年の判決…「軽い判決」の理由を分析

社会

  • 茨城県の常磐自動車道で起きた“あおり運転殴打事件”に判決
  • あおり運転厳罰化きっかけの事件 被告は「責任を痛感」と話す
  • 今後の抑止につながるか…「軽い判決」の理由は?

宮崎被告に執行猶予付きの有罪判決

現場をとらえたドライブレコーダーの映像が社会に大きな衝撃を与えた、あおり運転の厳罰化のきっかけとなった注目の事件。

10月2日、茨城県の水戸地裁で開かれた判決公判で、裁判所はあおり運転による強要と傷害の罪に問われている宮崎文夫被告(44)に保護観察のついた4年の執行猶予付きの懲役2年6カ月の有罪判決を言い渡し、宮崎被告の身柄拘束が解かれた。


黒いスーツと白いマスク姿で入廷した、宮崎被告。
検察の求刑懲役3年8カ月に対し、裁判長が言い渡したのは、保護観察のついた4年の執行猶予付きの懲役2年6カ月の有罪判決だった。


2019年8月、茨城県の常磐自動車道であおり運転をした上で、相手の車を無理やり停車させ、運転していた男性を殴るなどした罪などに問われている宮崎被告。


大阪市内で身柄を確保された際には「逃げませんし、隠れません」と大声を上げて抵抗していた宮崎被告だが、裁判では小さな声で「違っているところはありません」と起訴内容を認め、表情を変えることなく静かに判決を聞いていたという。


さらに最終陳述では涙ながらにこう述べていた。

宮崎被告:
日本中を恐怖の渦に巻き込んでしまった責任を痛感しています。本当に申し訳ありませんでした。


裁判長は「被告人の行為は追突などによる重大な事故を引き起こしかねず、危険極まりないものであった」と指摘する一方で「被害者が負った傷害の程度をみると軽い部類に属する。被告人を実刑に処することは公平な量刑を逸脱しかねない」との判断を示した。

また、最後には宮崎被告をこのように諭していた。


裁判長:
(執行猶予の)4年が経ったらもう犯罪しないだろうと裁判所が信じたということで、それを裏切らないようにしてください。


宮崎被告はこの言葉を静かに聞き、深々と頭を下げた。


判決後、宮崎被告の弁護士は…


松沼和弘弁護士:
極めて妥当だと思っています。むしろちょっと軽かったかなと。求刑が重かったので、(懲役)3年くらいかなと思ってたんですけど。


「軽い判決」 今後のあおり運転抑止力となるか

この判決に対し、フジテレビ社会部の平松デスクは「社会を騒然とさせた事件で厳罰化のきっかけにもなった。その意味で実刑もあり得ると思っていたが、軽い判決だった」と話している。

この「軽い判決」には、「本人も反省している」として3つの事件を裁判長が冷静に判断した背景があり、また、保護観察となった理由については「被告の偏った性格傾向はしっかり見守っていく必要があるとの判断によるものだろう」と分析している。


明治大学教授・齋藤孝氏:
他の事件との量刑のバランスはあるかもしれませんが、ちょっと軽いなという印象がありますよね。ただの障害ではなくて、例えば高速道路で止められるという恐怖心ですね。それで(相手に)どんどん来られるというのは心理的なトラウマにもなりますし…

加藤綾子キャスター:
命の危険も感じたでしょうし…

明治大学教授・齋藤孝氏:
これだけのことをして執行猶予なのか、という印象もありますけども、この事件がきっかけで改正道交法ができて、あおり運転をしたら一発で免許停止と厳しくなった、厳罰化のきっかけとなってはいます。

加藤綾子キャスター:
今回の判決が今後のあおり運転の抑止にどう影響を与えるのか注目していきたいと思います。

(FNNプライムオンライン10月2日掲載。元記事はこちら

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