お風呂で思わずウトウト…3秒でアラーム! 溺れる事故を防ぐ「浴室あんしん安全システム」

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  • 天井に取り付けたセンサーで「溺水の可能性」を感知
  • 約18秒で同居者や警備会社に連絡。早期の発見目指す
  • じっとしていないとアラームが鳴ってしまう?担当者に聞いた

お風呂でついウトウト…を見逃さない警告システム

疲れて帰宅、思わず浴槽でウトウト…という経験は誰もが一度は経験したことがあるのではないだろうか。

うっかり溺れてしまう危険性がある行為だが、そんな危険をいち早くお知らせしてくれるシステムが登場した。

それが、株式会社JVCケンウッドが開発した「浴室あんしん安全システム」


天井に取り付けた超音波センサーによって、入浴者の頭の位置を検出し、頭の位置が変わると約3秒で感知。
危険と判断した場合は音声アラームなどで警告し、意識があるかどうかを確認する。意識がない場合は外部に通報し、早期の発見につなげるというシステムだ。

1人暮らしの高齢者や子どもなど、浴室での事故を防ぐために一役買いそうな「浴室あんしん安全システム」。ただ、「センサーで頭の動きを感知する」という仕組みで少々気になるのが、「じっとしていないとすぐにアラームが鳴ってしまうの?」ということだろう。

詳しい仕組みについて、JVCケンウッドにお話を聞いてみた。

想定以上の事故件数に「助かる命を救いたい」

――「浴室あんしん安全システム」開発のきっかけは?

浴室での溺死事故件数に関して、想定以上に多い(※国内年間約19,000人で交通死亡事故の約5倍)ということを多くの資料で知り、この状況に何か貢献できることはないかということで製品開発を開始しました。
また周囲にも身内での浴室事故の事例が多いことを知り、助かる命を救いたいとの思いを技術で解決したいと思いました。

※「入浴関連事故の実態把握及び予防対策に関する研究 平成24~25年度総括研究報告書」における入浴中急死者数の推計値、また「2016年国内年間交通事故死者」との比較による


――溺れる危険を頭の動きで感知…どうやっている?

浴槽の縁から頭頂部までの高さが一定の距離より近くなった場合に溺水に至る危険があるとの判断をし、警報を発します。


――では、子どもがお風呂に潜って遊んだりしてもアラームは鳴る?

今回のシステムは高齢者をターゲットとした大人向けの警報システムですが、故意に顔を水面につける等の動作を行った場合でも直ちに作動します。検出後15秒間は意識確認のためのアナウンスを行い、その間に解除操作をすれば外部通報は行われません。

思わずウトウト…は危険!(イメージ)
思わずウトウト…は危険!(イメージ)

――親と子どもなど、複数人で入っていても正しく感知される?

今回のシステムは単独で入浴される方の見守りや危険回避を目的として開発しており、複数の方が入浴されることは想定しておりません。また入浴者以外の物(桶や子ども用のおもちゃなど)が浴槽内にある場合も動作に支障が出る恐れがありますので、基本的には取り除いていただく必要があります。



JVCケンウッドによると、「浴室あんしん安全システム」は浴槽のふちと頭頂部の位置関係から溺水の可能性を感知するため、普通にお風呂に浸かっている時のわずかな動きではセンサーは反応しない。
しかし、頭が浴槽のふちよりも沈み込むような動きは「溺水の可能性あり」と感知するため、たとえば子どもがしてしまいそうな“潜水ごっこ”のような動きはNGだ。



――危険を感知するとどのようなアラームが鳴る?解除方法は?

音声の内容については仕様により変更可能ですが、現在は「警告、警告、溺れています。直ちに意識を回復してください」とサイレンの警報音が発せられます。
安全を知らせるには、浴室の壁に取り付けたリモコンのスイッチを押す形式を想定しています。(浴室の壁へはマグネットで取り付け)

使用シチュエーションごとに変えられるシステム形式

危険が検出され、アラームで入浴者の意識がないことが確認されると、次に行われるのが外部への発報。
発報は危険の検出から約18秒ほどで、JVCケンウッドは「警備会社などと連携することで、通報を受けて救助者が駆け付け、早期に救命作業を行うことが可能」と語っている。


――「外部へ発報」とは、すぐに警備会社に連絡がされるシステム?

本製品は完成品を納品する形ではなく、協業先と連携しながらシステムを創り上げるビジネスモデルとなります。そのため、納品先によってシステムの形式が異なります。
例えば、同居者がいる住宅に対してはリビングにアラームを鳴らす形となりますし、警備会社と連携した場合には警備会社に直接通報する仕組みも可能です。どのような仕組みを作り上げるかは、協業先によります。


――どのような家庭での使用を想定している?

高齢者がお住まいの家庭(独居・同居に限らず)、サービス付き高齢者用特定住宅などを想定しています。参考まで、浴室死亡事故の約9割は同居者がいる方だったというデータもあります(独居の方は浴室は危険と言う認識があり注意して入浴するため)。


高齢化社会の中、浴室での事故件数の多さから「浴室あんしん安全システム」を開発したというJVCケンウッドだが、またその一方で「COVID-19の感染拡大により、介護施設や銭湯などの利用を控えてやむを得ず自宅入浴となるケースも増えており、今後事故数はさらに増加することが想定される」とも語っている。

JVCケンウッドは今後、このシステムについて「ハウスメーカーや浴室・浴槽メーカー、リフォーム会社、サービス付き高齢者用特定住宅、および警備会社等の各分野に提案することで、他社との協業による早期の事業化を目指します」と話している。

安全のため自宅で過ごす時間が増える中、さらなる安心・安全のためのシステムが活躍することを期待したい。

(FNNプライムオンライン10月3日掲載。元記事はこちら

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