海上自衛官、そして母として 元艦長が語る不安と誇り

社会


日本の安全保障を取り巻く環境は、中国の海洋進出や北朝鮮のミサイル開発など、気を緩めることのできない状況が続いている。

そんな緊迫した現場で、リーダーとして活躍する女性がいる。

女性自衛官としての不安、そして、ママとしての誇り。
生野陽子キャスターが話を聞いた。

9月28日、海上自衛隊横須賀基地を母港とする護衛艦「てるづき」へ。

案内してくれた女性は、小野小百合1等海佐(43)。

海上自衛隊・小野小百合1等海佐「右手に見えている青と赤の席が艦長席」

小野さんに促されるままに、大きな船を操る操舵輪に手をかけてみると...。

生野陽子キャスター「(重たいですか?)とても軽いです。もっと重たいと思っていました」
小野さん「車のハンドルより軽いですよね」

1999年に自衛隊に入隊した小野さん。

人のために働きたいという思いで自衛官を志したが、当初の不安は...。

小野さん「結婚できるのかなとか、子ども産めるのかなとか。若い時は将来がよく見えなかった」

20代の女性として抱いていた、ごく普通の悩み。

その後、キャリアアップしていく中で、仕事に誇りを持てるようになったという小野さん。

30歳で結婚もした。

そして2018年には、女性として、3人目の護衛艦の艦長に。

生野キャスター「艦長という職に対してのプレッシャーを感じたことはありますか?」

小野さん「『なんでこんな失敗しているんだろう』と思うと、『あ、夢だった!』とか。船を下りて2年になるけれど、まだ夢に見る日があるくらい、それだけあの時はプレッシャーだったんだなと」

家庭では、2人の子宝に恵まれ、夫や親の協力を得ながらの子育てとなった。

小野さん「娘(当時4)は、実は寂しいと言ったことがなく、『いつもお仕事頑張ってね』と言っていたので、全然寂しくないのかなと思っていたんですけど、艦長を終えて聞いたら、やっぱりすごく寂しがっていたというのを聞いて、我慢させていたんだなと。とても切なくなりました」

一方で、小野さんには、ある思いがあった。

小野さん「娘にいつか、『お母さん、あなたのために船を諦めたから』って言いたくなかった」

自分の夢をかなえさせてくれた家族に、感謝の気持ちを忘れないという小野さん。
現在は、隊員の教育を統括している。

小野さん「わたしたち女性自衛官は、男性の数合わせでもないですし、男性と同じように働かなければならないものでもなく、女性個人個人の能力をしっかり開いて、能力を発揮できるような社会になっていくことが理想なんだろうなと思う」

(FNNプライムオンライン10月3日掲載。元記事はこちら

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