会食で隣の席は飛沫5倍 スパコン「富岳」が分析

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スーパーコンピューター「富岳」による飛沫拡散のシミュレーションが公表され、飲食店での座る位置など注意点が明らかになった。

理化学研究所と神戸大学などが、スーパーコンピューター「富岳」を使った飛沫の拡散に関する新たなシミュレーション結果を公表した。

理化学研究所チームリーダー 神戸大学教授・坪倉誠さん「これから秋冬にかけて湿度がどんどん下がっていく。そういったときに飛沫やエアロゾルの飛び方がどう変わるのか」

湿度が90%の室内でせきをした場合、青色の小さな飛沫は前方に飛び、赤色や黄色などの大きな飛沫はその多くが机に落ちて残っている。

一方、湿度が30%の場合、青色の小さな飛沫が先ほどよりも多く前方に飛び、机に落ちた大きな飛沫もどんどん小さな飛沫に変わって空気中に舞っていく。

湿度が低く空気が乾燥することにより、飛沫が急速に蒸発し、エアロゾルと呼ばれる微粒子となり周囲に拡散。

空気が乾燥しやすい冬場は、加湿器などで湿度をコントロールするとともに、エアロゾルに対する換気等の対策を強化することを進めている。

飲食店で食事中は、マスクを外し、人と人との距離が近くなり、会話をする向きによって相手に到達する飛沫の量が大幅に変わる。

正面の人と話す場合、赤色や黄色の大きな飛沫は自分の膝元や机に落ち、青色の小さな飛沫は正面の人に到達しているのがわかる。

対角の人に向かって話す場合を見ると、飛沫は比較的真っすぐ進むため、顔を向けた相手以外にはほとんど到達しないことがわかる。

また、対角だと距離が保たれているため、相手に届く飛沫の量は真正面と比べて4分の1程度となっている。

最も距離の近い横の人に向かって話すと、相手は青色の小さな飛沫だけでなく、赤色の大きな飛沫も浴びる。

その飛沫の量は正面に座る人のおよそ5倍で、感染リスクが最も高い結果となった。

対面での飲食時は対角で座るなど距離を保ち、カウンター席でも正面を向いて話すことで感染リスクに大きな違いが出る。

マウスガードの効果についてもシミュレーションを行っている。

先ほど一番距離の近い真横の人には大きな飛沫もかかっていたが、マウスガードを着けることで、大きな飛沫は自分の肩に落ち、相手にかかることを防げている。

しかし、小さな飛沫は上へと舞う。

理化学研究所チームリーダー 神戸大学教授・坪倉さん「フェイスシールド・マウスガードというのは、マスクに対して、エアロゾルはほぼダダ漏れ状態になる」

フェイスシールドやマウスガードでも大きな飛沫の飛散は防げるが、エアロゾルについては、マスクと比較して多くが漏れ出てしまっている。

理化学研究所チームリーダー 神戸大学教授・坪倉さん「マウスガードで大きな飛沫を抑えたうえで、発生したエアロゾルの濃度を下げるために換気をするということが、飲食店においてマストになる」

今回のシミュレーションを活用し、会食で使うフェイスシールドの開発を行う方針。

(FNNプライムオンライン10月14日掲載。元記事はこちら

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