紙で作られた“生き物”が質感までリアル…“紙作品の新境地”と表現するこだわりを作者に聞いた
Newsfrom Japan
文化 美術・アート- 紙で作られた“生き物”の作品が話題
- 作品は「切り折り紙」の手法で作成
- 作者「やればやるほど完成度が上がっていくのが魅力」
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紙で作られたリアルな作品が話題
Twitterに投稿された、紙で作られたとは思えない作品が注目を集めている。
まずはこちらを見てほしい。
#秋の芸術アカウントフォロー祭
— 我流切紙人 10月 #ミニ自在展 11月デザフェス・いえもにあ (@garyukirigami) September 25, 2020
紙作品の新境地お見せします♫ pic.twitter.com/QE3FFyu341
「紙作品の新境地をお見せします」と投稿をしたのは、我流切紙人(@garyukirigami)こと川﨑利昭さん。ペーパーアーティストとして「切り折り紙」の作品を作っているという。
「切り折り紙」とは、紙を切ってある程度の形にしてから折って造形する遊び。例えば、ダイオウグソクムシやペガサスの初心者向けのシンプルな下絵はこのような形だ。
ダイオウグソクムシの下絵(提供:我流切紙人(川﨑利昭)さん)
今回投稿された作品は、カマキリやザリガニ、トンボなどの生物が題材。そしてどれも紙で作っているとは思えないほど立体的で、触覚や脚など細部へのこだわりを感じる。
ハネなどの透明な部分まで本物そっくりに表現している作品もあり、どうやって制作しているのかが気になってくる。また切り折り紙の魅力とは? 川﨑さんに話を聞いた。
作品は下書きなしで仕上げる
ーー紙とは思えない作品ばかり。どうやって作っているの?
下書きなしで紙を切った後、ひたすらに折って1枚紙で仕上げることが多いです。複数枚の紙を使用してカラフルにしたり、強度維持のために樹脂コーティングしたりワイヤーを通すこともあります。
ーー制作時間はどのくらいかかる?
数分~数十時間と千差万別です。
ーーなぜ生物を”切り折り紙”で作っているの?
小さい頃から図鑑をみてつくっていましたが、水族館など専門家からの依頼でつくるようになり、より本格的に仕上げるようになりました。
ーー例えば、透明なトンボのハネはどうやって作る?
ビニール紐を伸ばして点描後、ワイヤー仕込みレジン(樹脂)コーティング仕上げです。
「やればやるほど完成度があがる」
ーー制作で大変なことは?
手間と時間をかければ大半のことはどうにでもなりますが、プロとしてたくさんの作品を仕上げる場合、効率化したデザインを考える必要があります。
ーー切り折り紙の魅力を教えて
やればやるほど完成度があがっていきますので、その達成感の繰り返しの賜物です。
ーー制作でこだわっていることは?
生物そのもののリアルさを大切にしつつ自分の好み(癖)を反映させることで独自性を持たせ、また飽きないようにひたすらアレンジの繰り返しです。
ーーネットで注目されているけど、どう思う?
純粋にうれしいです。ちょうど現在、10月末まで私が主催の展示を開催中ですので是非お越しいただいて、ご覧いただけると嬉しいです。
ーー今後はどのような作品に挑戦したい?
そんなバカな!って呆れる作品がよいかなと(笑)
平面である紙から、このような立体的な作品が出来上がるのは驚きだ。他にも自然界のあらゆる生命を題材にした作品があり、今後はどのような作品が誕生するのか楽しみである。
なお現在、川﨑さんの主催の展示「ミニ自在展」を開催している。興味がある方は、実際の作品を見てみるのもよさそうだ。
(FNNプライムオンライン10月15日掲載。元記事はこちら)
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