ろう学校の生徒が作るカスタネット ぬくもり感じる丁寧な仕上げ…地元工場と“二人三脚”【長崎発】

社会

  • 県産材の販路拡大へ木工所が注力するカスタネット作り
  • 仕上げはろう学校の学生たち…きめ細やかな作業
  • 「カスタネットに込めた温かみが伝われ…」

「長く使い続けて」 県産ヒノキで作るカスタネット

長崎県の中心部に位置する大村市。
古くはキリシタン大名・大村純忠ゆかりの地で、現在は空港や高速道路へのアクセスに加え、2022年秋には新幹線西九州ルートの新駅が開業予定の県内の交通の要衝。
この大村市に本社がある野中木工所が今、地元産のヒノキを使った商品づくりに力を入れている。


野中木工所・野中哲也社長:
これがハートの形になっている。今から作る最初の工程です


この工場で作っているのは、カスタネット。
一般的にはクリの木から作られるが、野中社長は、強度が高く、色合いが良い長崎県産のヒノキを選んでいる。
内側の焼き印は、長崎の木を使って作られた証しであり、愛着を持って長く使い続けてほしいとの野中さんの願いが込められている。


カスタネットは、青と赤の2色を想像しがちだが、野中木工所では、色はつけず、木の優しい肌触りをそのまま感じる仕上げだ。
型どりしたばかりの木材は、木くずが多くついていて、このままでは仕上げをすることができない。


社長がほれ込んだ、学生たちのきめ細やかな作業

大村市には、県立のろう学校がある。
木工所からは約2kmとすぐ近くにあり、野中社長は、木くずのついた材料を定期的に運んでいる。
ここで学んでいる総合デザイン科の高校生や専攻科の学生たちが、最後の仕上げに欠かせない存在だ。


野中木工所・野中哲也社長:
これが完成したもの、これが今から削るもの。この中をきれいにとり、ここを丸くとってもらいます


野中社長は、職場体験で木工所を訪れた生徒のきめ細やかな作業にほれ込んだのだ。



川添竜也さん:
もっときれいにしたいと思う


酒井あずささん:
使う人は誰が使うかはわからないけど、気持ちよく楽しく使ってもらって、笑顔が出たらいいかなと思う


野中社長は、地域も巻き込んで県産材をPRしていくことで、若者など地元の人に、ふるさとに対する愛着や誇りが生まれていくのではと考えている。

野中木工所・野中哲也社長:
一企業が作るよりは、ろう学校の生徒たちなどで県産材を広めていく。一緒に作って広めていくのが意義がある


ぬくもりあふれる音に託し… “二人三脚”の製作続く

野中さんがカスタネットにヒノキを利用したのには、理由がある。
長崎県内で生産されるヒノキやスギの量は、2013年から4年間、右肩上がりに増えていて、長崎県庁や長崎駅など公共施設でも県内産の材木がふんだんに使われている。


また2013年からは、小学校などで県内産の木の魅力を知ってもらう「木育(もくいく)」の取り組みも進められ、生産が加速している。
しかし、逆に過去5年間は、長崎県外への県産材の出荷が伸び悩んでいる。
そこで考えたのが、多くの人が親しむ機会のあるカスタネット作りだった。


野中木工所・野中哲也社長:
機械でできないところを、人間が最後に仕上げたりすると、そこに温かみが伝わる。このカスタネットの中に込めて、伝わっていけばいいんじゃないかと思う


長崎県産のヒノキで作ったカスタネットを通して、県外での販路拡大につなげたい!
ぬくもりあふれる音に託して、まちの木工所とろう学校の生徒たちの二人三脚の製作が続いている。

(テレビ長崎)

(FNNプライムオンライン10月17日掲載。元記事はこちら

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