若手社員が経営幹部に“逆指導”? 若手から学ぶ研修制度導入の狙いを住友化学に聞いた

経済・ビジネス 仕事・労働

  • 若手が経営幹部を指導する制度を住友化学が導入
  • 指導する内容は「最新のIT機器の動向など」
  • 若手と幹部、双方へのメリットを聞いた

若手社員が経営幹部を“逆指導”

企業の経営幹部が若手社員の発想を学び、それを経営に活かす――。こういった制度を導入する動きが広がりつつある。

10月から、化学メーカーの住友化学が始めたのが「リバースメンタリング制度」だ。

「メンタリング」とは『“メンター”(=支援や助言をする人)と“メンティー”(=支援や助言を受ける人)が楽しみながら、自由に対話をし、共に成長すること』を指す。

そして、「リバースメンタリング」とは、『若手社員が経営幹部にメンタリングする、“逆方向(=リバース)のメンタリング”』のことだ。住友化学以外では、GE(ゼネラル・エレクトリック)、Dell(デル)、P&Gなどがすでに導入しているという。

(画像はイメージ)
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住友化学はこの制度をひとまず、10月から12月末までの3カ月間で実施。月2回程度のペースで指導の場が設けられる。

若手社員が経営幹部を指導するという「リバースメンタリング制度」は興味深い取り組みだが、どういった内容を指導しているのか?そして現場ではどのように捉えているのだろうか? 
住友化学の担当者に話を聞いた。

若手社員と経営幹部、双方にメリット

――あらためて、「リバースメンタリング制度」とは?

GE(ゼネラル・エレクトリック)、Dell(デル)、P&Gなどが導入している制度です。IT機器・ツールの動向や、それを使いこなす、若者世代の感性・センスといったものを経営陣が把握し、それを経営に活かすことを目的としています。


――導入の狙いを教えて

“メンティー”である経営幹部は、若手社員の感性やモノの考え方、最先端の知識などに触れ、新たな気づき・発想の転換、知識のリニューアルなどに役立てます。

また、“メンター”である若手社員は、経営幹部と身近に触れることにより、ビジネスパーソンとしての視野・視座を高めるとともに、会社に対するロイヤリティやモチベーションアップにつなげる、という経営幹部・若手社員双方への効果を目的に実施しています。

最新のIT機器の動向などを指導

――若手社員が経営幹部にどのようなことを指導する?

指導するテーマは以下のようなものがあります。

(1)最新のIT機器・ツールの動向、アプリの使い方など
(2)その他(若手社員の専門分野、最前線の知識など、最近の若者気質、職業観、生活様式、消費性向など、住友化学に対する若者一般からのイメージ、改善方法など)

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――対象となる若手社員と経営幹部は何人で、どうやって決める?

若手社員401名、経営幹部30名で、抽選で決めます。若手社員がメンターとなる確率は7.5%程度です。

今年度については、コロナ禍による移動困難な状況を考慮し、同じ事業所内でメンター・メンティーのマッチングを実施しました。


――1回の指導の時間はどれくらい?

1~2時間程度をめどとしています。


――指導するテーマはどうやって決める?

事前にメンター・メンティーが話し合って、テーマを設定します。

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制度を継続していくうえでの課題とは?

――制度の開始後、若手社員、経営幹部からはどのような感想が寄せられている?

10月から始めたばかりで、初回はテーマ選びの回だったということもあり、具体的な感想はまだ寄せられていません。

メンター・メンティーともに今回のマッチングを一つの機会と捉え、前向きに取り組んでいただいております。


――制度の実施は10月から12月末までの3カ月。これはなぜ?

同じ組み合わせが長期に渡ると、マンネリ化する可能性があることから、3カ月間で一旦終了し、来年度、改めてマッチングを実施する予定です。

組み合わせが変わることで、新たな気づきや刺激を得ることが可能と考えています。


――この制度を継続していくうえでの課題は?

メンター・メンティー双方に多様な考え方があり得ることに気付くなど、お互いに新鮮な気持ちでメンタリングに臨むことが重要と考えています。

(画像はイメージ)
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日本でも導入が広がりつつある「リバースメンタリング制度」。住友化学ではまだ始まったばかりで成果が現れていないが、IT機器の進化や使い方については若手の方が詳しいことが多いのも事実。この制度が経営にどのように反映され、どのようなイノベーションを生み出すのか、今後に注目していきたい。
 

(FNNプライムオンライン10月24日掲載。元記事はこちら

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