首里城火災からきょうで1年 「無力だった」消防隊員の胸の内

社会


沖縄の首里城の火災から、31日で1年。

国は、2026年までに正殿の再建をするとの方針を示している。

復興への道を歩み始めた現在の首里城について、現地から沖縄テレビ・小林美沙希キャスターがお伝えする。

首里城正殿が建っていた場所。

12時間にわたる消火活動は、困難を極め、正殿など6つの建物が全焼した。

あの日、首里城の焼失を食い止められなかった消防隊員が、今の胸の内を語った。

31日朝、夜明け前の首里城で行われた消防訓練。
集まった隊員らが、建物に向かって放水した。

那覇市消防局・新城敏行警防課長「二度と火災を起こしてはならない」

沖縄のシンボル・首里城の正殿など6つの建造物が全焼したのは、1年前の10月31日のことだった。

当時、通報を受けて、最も早く現場に到着した消防隊員・宮平良智さん。

中央消防署 首里出張所・宮平良智さん「あの方向から進入してきて、トンブロックが積まれたあたりから確認したのは覚えている。かなりの勢いで炎が噴き出していて」

激しく炎上する正殿から北殿・南殿への延焼をいかに防ぐかに重点を置き、消火活動が続けられた。

ところが...。

中央消防署 首里出張所・宮平さん「炎の勢いが早くて、周り全体が熱すぎて、最終的には立っていられないくらいの熱で」

放水を続けても炎の勢いは衰えるどころか、勢いを増し、消防隊員たちは、一時退避を余儀なくされた。

中央消防署 首里出張所・宮平さん「まさに無力だったというか、力が及ばなかったというか。もっともっと消防力を上げていかないといけない」

あれから1年。
31日の消防訓練では、10本ほどのホースを一度に現場に運べる専用のリヤカーが使われた。

これは、2019年の火災の際、現場に消防車両が近づけなかったことから、消防隊員が手持ちでホースを運ばざるを得ず、放水までに時間がかかったという反省に至ったものだった。

生野陽子キャスター「小林さんも、当時現場に駆けつけ、取材されましたよね?」

小林美沙希キャスター「はい、わたしは消防に通報があった2時間後の午前4時半頃には現場に着いたんですが、正殿はすでに大きな炎に包まれていて、骨組みしか残っていませんでした。焼け崩れるのを目の当たりにした県民のがくぜんとした表情や、落胆の声は忘れることができません」

31日から恒例のイベント・首里城祭が始まったこともあり、午前中から多くの人が訪れ、在りし日の姿に思いをはせていた。

沖縄県民「すごく大好きだったので、やっぱり見たらつらいです。早く復元を、みんなで応援したいと思います」

京都からの観光客「やっぱり実際見るとショックですね、何もないから。光り輝く首里城みたいな、そういうイメージでよみがえってほしいと思います」

再建に向けては、国の内外から51億円の寄付金が集まり、首里城がよみがえる日を多くの人が待ち望んでいる。

正殿の再建は、2026年までに完了する予定だが、琉球王朝の歴史を物語る貴重な文化財も数多く失われた。

沖縄の象徴が、名実ともにその姿を取り戻すまで、長い道のりが続く。

(FNNプライムオンライン10月31日掲載。元記事はこちら

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