古い衣類もよみがえる“技” 「染め直し」で心弾む一着に

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食料品や衣類の大量廃棄が問題になる中、着られなくなった衣類をよみがえらせるサービスが注目されている。

「染め直し」という衣類再生の職人技を取材した。

埼玉・寄居町で3代続く、染色工房「きぬのいえ」。

「オーロラ染め」という、独特なぼかし模様に染める職人技で、衣類やスカーフ、かばんなどの小物を製作している。

この会社が新たに始めたのが、色あせや黄ばんでしまった衣類を染め直して再生する、「SOMA Re:(ソマリ)」というサービス。

きぬのいえ 3代目・吉田昌弘さん「ちょっとシミがついちゃっただけとか、そういったものを再度よみがえらせて着ることによって、地球の環境に、ものすごく優しいのではないかなと」

衣類の大量廃棄が問題になる中、「服を大切にする文化に貢献したい」と、染め直しのサービスが生まれた。

作業を行うのは、職人の井澤剛史さん。

依頼者から預かった衣類を、まず80度のお湯に漬け、強力な石けんで洗う。

汗などの汚れをしっかり落とさないと、染めた時に色ムラが出るため、この作業は欠かせない。

それが終わると、いよいよ「染め直し」。

釜に染料を入れ、そこに衣類を浸す。

井澤さん「ムラになったりとかしてはいけないので、重ならないようにお洋服を動かしながら、染めていくのが重要になります」

機械による大量染色が業界の主流にある中、ここでの染色はすべて手作業。

シャツやパンツも真っ黒になった。

東京の大学で服飾や染色を学んだのち、生まれ育った寄居町にUターンした井澤さん。
新進気鋭の染色職人として活躍している。

井澤さん「その1着をいかにきれいに染めて、お客さまにお返しできるかというのを常に考えて作業をしています」

こうして染め上げた衣類は、秩父の地下水でゆすいだあと、乾かす。

すると...。

高級ブランドのストライプのシャツや、色ムラがあったブルーのシャツも、もう一度、心をはずませる1着に変わった。

ポリエステルの糸は染まらないので、独特の味わいがある。

染色は黒一色で、シャツが1,000円(税別)からと、通常の3分の1から4分の1の料金設定。

ある程度の量をまとめて染めることで、コストを下げることができた。

新型コロナウイルスの影響で、本業が伸び悩む中、このサービスを始めた6月以降、手がけた衣類はこれまでに200着以上。

「染め直し」は、古くなった衣類でも、よみがえらせることができると気づかせてくれる「職人の技」だった。

(FNNプライムオンライン10月31日掲載。元記事はこちら

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