熊本の伝統食「山うにとうふ」を使い佐世保の飲食店がアレンジメニューを開発 豪雨被害復興プロジェクトが始動

社会 旅と暮らし

  • 豪雨被害を受けた熊本を支援する「えん卓プロジェクト」が始動
  • 被災地食材を使い佐世保の飲食店がアレンジメニューを開発
  • 佐世保から全国へ… プロジェクトの輪を広げ災害からの復興に全力を

熊本県の伝統食材「山うにとうふ」を長崎・佐世保の飲食店がアレンジ

長崎県第二の都市、佐世保。
アメリカ海軍と海上自衛隊の基地があり軍港の街として知られるが、最近は「佐世保バーガー」や護衛艦ごとに工夫を凝らした「海軍カレー」などのご当地グルメが市民や観光客の人気を集めている。

その佐世保市で2020年10月から、複数の飲食店が一斉にある食材をアレンジした料理の提供を始めている。

市内にある和風フレンチの店にも、この食材を使った新しいメニューが登場した。
長崎和牛にフォアグラ、トリュフと、豪華な食材の上に見慣れないものが...。


テレビ長崎・松永悠作記者:
フォアグラ上に「あるもの」を乗せていただいたが、フォアグラの甘みを際立たせる深いコクを感じ、おいしい。

この食材、実は熊本県の伝統食「山うにとうふ」だ。
「山うにとうふ」は、熊本の伝統食材「豆腐のみそ漬け」を現代風にアレンジしたものだ。
まるでウニのような風味と食感が特徴で、この店では山うにとうふを使った2つのメニューを味わえる。


ふれんち×和 リバリバ・古川裕臣店長:
豆腐のみそ漬けなので、コクが出て旨味が増す。不思議な味だとお客さんが喜んでいる。

豪雨災害の被害から復興へ 「えん卓プロジェクト」が始動

なぜ佐世保の複数の飲食店が熊本の伝統食を使うのか。
きっかけは2020年7月、全国各地を襲った豪雨災害だ。


特に熊本県では65人が死亡したほか、河川の氾濫、建物の倒壊などが相次ぎ、熊本・球磨郡にある「山うにとうふ」の製造工場も浸水被害にあった。


新型コロナウイルスの影響で売り上げが減る中、豪雨被害が追い打ちをかけた。
これを知って立ち上がったのが、佐世保の飲食店だ。シェフの内山太さんを中心に支援活動に乗り出した。

洋懐石 紀の川・内山太店主:
まず胸が痛かったですね。コロナで被害に遭ったあとの(豪雨被災の)状況がまず想像できない。元々、佐世保市内の飲食業も緊急事態宣言中は、市民やいろんな方々に助けてもらったので、今度は自分たちが誰かを助けたいという気持ちで支援を始めた


アレンジメニューを通じて地域活性化へ

「えん卓プロジェクト」と名づけた活動では、参加店舗が「山うにとうふ」を購入して、まずオリジナルのアレンジメニューを提供する。
そして、お客が1品注文するごとに100円を熊本の飲食店団体に寄付するシステムだ。
内山さんの店では、コース料理の前菜に「山うにとうふ」を取り入れている。


洋懐石 紀の川・内山太店主:
被災地の食材と地元の食材をコラボさせる、それをみんなでやることで、佐世保市の飲食店の活性化にもなればいいなと。同じコロナ禍で自分たちも確かに厳しい状況だが、厳しいもの同士、困っているもの同士が助け合うことでこの状況を打破できるんじゃないか。

この日は、それぞれの店が独自に考えた「コラボメニュー」を持ち寄り、試食会が開かれた。


魚料理やタコス、スイーツ…。普段はライバル同士で、手の内を見せ合うことは絶対にありえない。



洋食屋 ル・フルーヴァン・河野洋子さん:
少しでもお役に立てればという思いで参加した。同じ飲食店として何か少しでも協力できればという思いがある


この支援活動は、それぞれ通常の営業を通して参加できるため、無理なく息の長い取り組みが行えることがメリットだ。

洋懐石 紀の川・内山太店主:
食を通していろんな人に幸せだったり、活性化させることができると信じている。(熊本の)人吉の食材を使うことでみんなが同じ方向を向いた。佐世保発信で、県外や九州内の料理人が支えあうような環境になれば、素晴らしいことができるんじゃないか、復興につながるのではないかと思う


山うにとうふを使った料理は10月現在、佐世保市などの15店舗で提供されていて、県外の飲食店からも参加の要望が来ているという。

コロナ禍や災害からの再生を信じて仲間たちと笑顔を届けたい。
プロジェクトのメンバーは、この活動の輪が全国に広がっていけばと期待を寄せている。

(テレビ長崎)

(FNNプライムオンライン11月1日掲載。元記事はこちら

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