豪雨被害で川が荒れ「ラフティング出来ない」…1人乗りボートと新たなコースで再挑戦【熊本発】

社会 旅と暮らし

  • 災害直後から人命救助に当たったラフティング会社・社長
  • 営業できない中、安全確保した新コース設定
  • 賛同したプロと共に避難所に温かい食事提供も

7月豪雨から4カ月。球磨川で観光ラフティングを営んできた人たちは、その仕事をいまだ再開できずにいる。
熊本・人吉市や球磨村で被災者支援を続け、新たなビジネスにも乗り出そうと踏ん張るラフティング会社・社長に密着した。

災害直後から自前ボートで人命救助に

10月25日 熊本・人吉市。
球磨川に向かって…

JAPANラフティング協同組合のメンバー:
黙とうします


濁流に飲み込まれた、多くの幸せや日常に祈りをささげる人々。
人吉市と球磨村で活動する、JAPANラフティング協同組合のメンバーだ。

7月の豪雨災害から約4カ月。
この日は災害ゴミやがれきを撤去しながら、変わってしまった川の地形を調べた。

ハッピーサプライズ 毎床哲哉さん:
また来年も災害が起きないとは限らない


熊本・球磨村生まれ。
協同組合のメンバーで、人吉市内のラフティング会社『ハッピーサプライズ』を経営する毎床哲哉さん。
豪雨災害直後から、自前のボートで人命救助に当たった。

毎床さんが身に着けていたカメラに、あの日の人吉・球磨が記録されている。

ハッピーサプライズ 毎床哲哉さん:(被災当日 人吉市内)
まだまだゆっくりしとってください
…まだですよ、落ち着いてね
…これ(ライフジャケット)羽織ってください。危ないので


変わり果てた景色を目の当たりにしながら、それでも毎床さんたちラフティングに携わる人は要救助者の元へ。
水が引いた後も、全国から集まった支援物資をふるさとの避難所に届けた。


濁流でダメージを受け…安全確保した新コース設定


今回の豪雨では、多くのラフティング業者が被災。
現在、観光ラフティングの営業をしている会社はない。
毎床さんが地域を支えるためにも、本業のラフティングで収入を得ることが必要だが、再開には課題がある。

ハッピーサプライズ 毎床哲哉さん:
向こうはJRの鉄橋(第二球磨川橋梁)ですよね、112年の歴史がある鉄橋まで崩落してしまってるので。この中で観光ラフティングをするってなると、まず安全確認が必要になってくると思います。
土砂で(川底が)埋まることによって、川が浅くなってます。球磨川全体で、お客さまが楽しみにしている波があるところ、そういう大きいアクションがあるポイントも小さくなったイメージ


元のコースは濁流でダメージを受け、がれきなども残っているため、大きなボートで観光客を迎えるのは難しい状況。


毎床さんは考えた末に、新しい形のビジネスに乗り出した。
比較的被害の少なかった、川辺川の上流で安全を確保したコースを設定。
「パックラフト」と呼ばれる一人乗りのラフティングボートで、清流を楽しんでもらおうというツアーだ。

ツアー客:
(Q.きょうはどこから?)
北九州です。復興、コロナもあってボランティアはやりにくいけど、こういった形で(観光客として)ボランティアの代わりになるんだったらと思って

この日は、7人の女性客が福岡県内からやって来てくれた。


テレビ熊本・西村アナウンサー:
背中に当たる風が気持ちいいですね。川辺川の水面、きらきら光ってキレイですよ。
…このあたり、草木がなぎ倒されてますね。水の通り道が見えるみたい

ところどころ流れが速いポイントがあり、クリアにはちょっとしたテクニックが必要だ。

テレビ熊本・西村アナウンサー:
こんな難しいもの?おおーっ!きょう一番の難所ですよ!みんなスゴイな


テレビ熊本・西村アナウンサー:(ボートが転覆し)
うわっ!


約7キロのコース、3時間ほどかけて進み、ゴールへたどり着いた。

北九州からの女性:
すごい楽しかったです。自然の中で体験することが少ないので。いい所っていうのを周りにも勧めたいし、ストレス発散もできるし(復興に)貢献もできるよって伝えたいと思います

避難所に温かいものを…プロも賛同

ハッピーサプライズ 毎床哲哉さん:
小学生のころから梨を入れて(カレーを)作ってたので


毎床さんはパックラフトツアーの売り上げで、球磨村の人々に温かい食事を届けたいと考えていた。

アメリカンレストラン TigerMan  黒木研史さん:
みんなお弁当が冷たいから、温かいものが食べたいというニーズが強かったみたいで


毎床さんに賛同した熊本市内のレストランオーナーたちも駆け付け、プロの腕を振るう。


11月13日 球磨中学校の避難所。
毎床さん特製のカレーライスに、シェフが作るシチュー、豚汁やコーヒーなど約300食が無料で振る舞われた。


ハッピーサプライズ 毎床哲哉さん:
お代わりは3杯までOKやけんね

部活帰りの中学生たちにも大好評。

中学生たち:
あちっ!
(Q.部活終わりのカレーはどう?)
もう最高です!

ハッピーサプライズ 毎床哲哉さん:
正直本当にきついし、『来年会社大丈夫かな?』って心配なんですけど。
こうやって支援すると笑顔をもらえるんで、その笑顔を自分のエネルギーにして。前を向いて来年に向けて持ちこたえていきたいなと思います


いま毎床さんの元には、全国各地の学校から修学旅行で訪れたいという問い合わせが来ている。
コースの安全確認をしながら、2021年3月1日を目標に、本格的な観光ラフティング再開を目指す計画だ。

(テレビ熊本)

(FNNプライムオンライン11月8日掲載。元記事はこちら

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