ワイヤレスイヤホンの落下増加で「回収専用の掃除機ノズル」を開発…仕組みをJR東日本に聞いた

社会

  • ワイヤレスイヤホンの線路への落下が増加している
  • JR東日本が「ワイヤレスイヤホン回収専用の掃除機ノズル」を開発
  • 担当者「先端部分に吸い付くような形状にした」

ワイヤレスイヤホンの普及とともに線路に落としてしまうケースが増えている。

JR東日本東京支社によると、今年の7~9月、ワイヤレスイヤホンを落とした件数は947件に上り、線路への落とし物全体(3936件)の約4分の1を占めた。

ワイヤレスイヤホンは非常に小さいため、線路に落とすと、ホームから拾うのが難しく、終電後に捜索することもあるという。

こうした中、JR池袋駅がパナソニックに依頼し、“イヤホンの形状に近いものだけを吸い取る掃除機のノズル”を開発した。

ワイアレスイヤホン回収専用の掃除機ノズル(提供:JR東日本東京支社)
ワイアレスイヤホン回収専用の掃除機ノズル(提供:JR東日本東京支社)

ノズルの先に短いホースが7本付いていて、これでイヤホンを吸い取るとみられる。

現在は、JR池袋駅だけで使用されているというが、このノズル、一体どのような仕組みなのか?今後、使用する駅は増えていくのか?

JR東日本東京支社の担当者に聞いた。
 

JR池袋駅がパナソニックに依頼

――ワイヤレスイヤホンを線路上に落とすケース。今年は何件、判明している?

件数を確認した3カ月間(2020年7~9月)の内訳は以下になります。

7月は298件、8月は306件、9月は343件。3カ月の合計は947件です。
線路への落とし物全体は3936件なので、全体の約4分の1にあたります。
 

――パナソニックに依頼し、イヤホンの形状に近いものだけを吸い取る掃除機を開発。これはなぜ?

池袋駅では、駅で使用している安全拾得器(通称マジックハンド)はワイヤレスイヤホンを拾得するのが難しいとの意見がありました。

このため、いくつかの対応案を検討する中の一つとして、パナソニックに協力を依頼しました。

マジックハンドで回収する様子(提供:JR東日本東京支社)
マジックハンドで回収する様子(提供:JR東日本東京支社)

「先端部分に吸い付くような形状にした」

――このノズル、どんな仕組み?

掃除機本体は、市販されている充電式コードレス掃除機になります。

ノズル(アタッチメント)を着用する部分に、ワイヤレスイヤホンなどを拾得する専用のノズルを作っていただきました。

市販の掃除機と専用ノズル(提供:JR東日本東京支社)
市販の掃除機と専用ノズル(提供:JR東日本東京支社)

――ノズルをなぜ、このような形状にした?

通常のノズルを使用すると、そのまま掃除機の中へ吸い込んでしまいます。
このため、吸い込まないようにノズルの先端部分に吸い付くような形状にしました。


――ワイヤレスイヤホンと“同じような大きさのもの”を吸い込んでしまう可能性は?

吸い込まないように、駅の係員がワイヤレスイヤホンの落ちている箇所を確認し、拾得しています。

「雨の日は使用が難しい」という声も

――実際に使ってみた方からはどのような感想が寄せられている?

実際に使用した池袋駅の社員からは「拾得しやすい」という意見が出ています。一方で、「電化製品のため、雨の日は使用が難しい」という声もあります。
 

――最初に使用しているのが池袋駅。これはなぜ?

池袋駅の社員の独自の取り組みでパナソニックに依頼したためです。

池袋駅以外の駅でも、“マジックハンドの先端に両面テープを張り、イヤホンをくっつけて拾得したり”、“マジックハンドの先端に磁石を付けたり”など、工夫をしているところはあります。

――今後、他の駅でも使われる可能性は?

現時点では試行中ですので、池袋駅以外の駅で使用するかは未定です。
 

駅員の負担となっている、ワイヤレスイヤホンの線路への落下。
回収専用のノズルによってJR池袋駅では負担が軽減されているようだが、まずは、落とさないように心がけたい。
 

 

(FNNプライムオンライン11月13日掲載。元記事はこちら

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