野口聡一さん55歳が宇宙へ!なぜ日本人宇宙飛行士は“おじさん”ばかりなのか?

社会 科学

  • 日本人宇宙飛行士は、他国と比べても高く“中年”と呼ばれる年代
  • 中年化の理由は、手段・目的・費用の3つの理由
  • 13年ぶり宇宙飛行士の新規募集、未来を見据えた2つの理由

野口聡一宇宙飛行士が11月16日、日本人で初めて、民間の宇宙船でISS(国際宇宙ステーション)に向けて出発した。
その野口聡一さんは年齢が55歳。ちょうど中年と呼ばれる年代だが、実は他の日本人の現役宇宙飛行士もみんな40代~50代、平均年齢は51歳だという。
日本では“中年宇宙飛行士”が主役の理由とは?


他国と比べて分かる日本の“中年宇宙飛行士”

フジテレビ社会部・平松秀敏デスク:
11月16日朝9時27分、野口聡一さんたちを乗せた民間の宇宙船が打ち上げに成功しました。軌道にも乗ったというので、これは有人で民間ですから、宇宙の商業開発の幕開け第一歩、第二歩、三歩じゃないかという位置づけをされています。


その野口さんを含めた、日本人の宇宙飛行士の年齢の話をしたいと思います。
日本が誇る現役の宇宙飛行士7人の年齢ですが、50代が5人、40代が2人、平均年齢が51歳となっています。こう言ってはなんですが、“中年”とか“おじさん”とかと言われている世代だと思うんですよね。


では、他の国と比べてどうか?アメリカは平均年齢49歳ですが、カナダは平均42歳。ヨーロッパ各国は平均45歳。ロシアは平均45歳。若いですよね。日本だけ50歳を上回っているので、ちょっと突出している気がするのですが…上田さん、いかがですか?


東工大リベラルアーツ研究教育院長 上田紀行氏:
我々「おっさん」にとっては励みになりますが、逆に言えば、若者にとっては「何で俺たちの世代は1人もいないんだ?」という話になってしまいますよね。

日本人宇宙飛行士、中年化の3つの理由

フジテレビ社会部・平松秀敏デスク:
そんな中、13年ぶりに2021年JAXAが新しい宇宙飛行士を新規募集することになりました。これはひっくり返すと13年間、新規募集してこなかったということです。


加藤綾子キャスター:
何でなんだろうと思いますよね?

フジテレビ社会部・平松秀敏デスク:
それ故に、年齢が上がって「中年化」したんじゃないか、という指摘もあるのですが、その理由を説明します。それには、3つの理由があると言われています。


まず「宇宙行きが停滞した」という話。
かつてはISS(国際宇宙ステーション)に向かう手段は、アメリカの「スペースシャトル」とロシアの「ソユーズ」の2つがあった。ところが2011年に「スペースシャトル」が退役。

ということは、その後ISSに行く手段がソユーズだけになって、要は日本人を宇宙に送る計画というのが、少しずつ停滞して行けないケースも出てきた。ゆえに新規募集が滞っているという指摘もあります。


加藤綾子キャスター:
行ける数がもう絞られてしまいますもんね。

フジテレビ社会部・平松秀敏デスク:
2つ目の理由が「ポストISS(国際宇宙ステーション)の不在」
これは日本人宇宙飛行士の活躍の場はISSですが、ではISSの次に日本は何がしたいんだ?そのプランというのが具体的になかったので、それにふさわしい人材を選ぶという機会がなくなっていたということなんですよ。


そして3つ目の理由は「手間とお金」なんですね。
宇宙飛行士1人育てるのに約5年かかる。当然海外での研修訓練も詰まなければいけない。お金もかかってくる。そうそう簡単に新規募集もできないということなんですね。


13年ぶりの宇宙飛行士新規募集の理由は?

フジテレビ社会部・平松秀敏デスク:
そんな中、13年ぶりにJAXAが宇宙飛行士を新規募集するんですが、加藤さんはなぜだと思いますか?


加藤綾子キャスター:
さっき言ったように、皆さんの年齢が上がってきて定年間近という・・・

フジテレビ社会部・平松秀敏デスク:
鋭い。まず1つ目を説明しますと「ポストISSが月になった」。

加藤綾子キャスター:

先ほどプランがなかったと言ってたところですか?

フジテレビ社会部・平松秀敏デスク:
そう。それが月面探査になって、日本人宇宙飛行士が2020年代の後半に月に降り立つ可能性が出てきた。となると、それに相応しい人材も必要になってくるということなんです。


もう1つの理由が「JAXAの職員60歳定年」なんです。
ということは、今の現役日本人宇宙飛行士が10年後になると、現役は、10年後54歳になる大西拓哉さん、10年後53歳の金井宣茂さんの2人だけになる。若い世代が必要なんです。


先ほどから私は「中年、中年」と言っていましたが、では現役の中年の宇宙飛行士はどう思っているのか?

油井亀美也さん(50歳):
体力維持のため運動を継続している。若い方より様々な経験があるので“中年宇宙飛行士”の方が優れていると思う。


加藤綾子キャスター:
経験は何事にも代えがたいというのは分かりますけれども、ただ宇宙飛行士になる条件も大変なんですよね。


フジテレビ社会部・平松秀敏デスク:
ただ月面を目指すと、これまでの条件とは違う条件が課される可能性があるので、また新しい人材が出てくるという可能性はある。

加藤綾子キャスター:
また若い宇宙飛行士がこれからどんな方が出てくるのか楽しみですし、まずは野口さんの活躍も期待したいと思います。

(「イット!」11月16日放送分より)

(FNNプライムオンライン11月16日掲載。元記事はこちら

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