小池都知事「1日1000人を念頭に」準備を進めている…感染連日最多の中「重症者数」に注目を

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  • 検査数も過去最多を更新している
  • 都の医療体制に余力あり、ハイリスクの方は早めの受診を
  • 食事の人数制限より「距離が大事」

11月18日と19日、東京都で過去最多となる新規感染者数が相次いで更新されるなど、新型コロナウイルスの感染拡大が進む。東京都はこれを受け、感染状況を4段階のうち最も高い警戒レベルに引き上げている。今回の放送では小池百合子東京都知事を迎え、東京都の専門家会議メンバーである国立国際医療研究センターの大曲貴夫氏を交えて、今後の見通しと東京都の感染対策について伺った。

検査数も最多を更新、重症者数に注目を


竹内友佳キャスター:
きょう(11月18日)、東京都の新規感染者数が過去最多の493人となりました。まずはどのように受け止めていらっしゃいますか。

小池百合子 東京都知事:
陽性者数が過去最多となったことは事実。もうひとつ最多を記録したのが検査数です。検査日と陽性者数がまとまる日にはズレがありますが、過去最多の8,600件という検査数をベースに陽性者数の数字が出る。東京都の1日あたりの検査能力は現在少なくとも2.5万件、もうすぐ4万件、12月には6.5万件まで増やす目処がついています。
つまり陽性者の数は増える可能性があります。ただいつも申し上げているのは、重症者数をいかにして抑えるか。陽性者数の方が重症者数よりクローズアップされて伝えられる傾向が見られます。重症者数は17日の42名から18日は39名、回復されたことで3人減ったことは本当に嬉しく思います。

反町理キャスター:
たとえば1日最大検査数が2.5万から6.5万になると2.6倍。単純計算すれば、1日あたりの新規感染者数の493という数字が1,000名超となる可能性もある。そうした規模で検査が始まるという理解でよろしいですか。

小池百合子 東京都知事:
これまでは1日あたり600人の新規感染者数を想定しながら必要な体制を準備してきた。今度は1,000人を念頭に入れて隔離に必要な陰圧車を整え、軽症・無症状者のための療養ホテルを一棟借りするといった方策を練り、行動に移す指示は出している。陽性者は増える可能性はある。ただしそれを抑えるためには、皆様が基本を守っていただくことに尽きます。

ハイリスクの方は早めの受診を

小池百合子 東京都知事
小池百合子 東京都知事

反町理キャスター:
我々はこれらの数字を見て、どのぐらい恐がればいいのか。中等症や重症になる前の軽症・無症状の段階で把握して隔離する。これが新規感染者数の数字に出ていると思うが、これはよいことと捉えていいのでしょうか。

小池百合子 東京都知事:
そうですね。医療現場でも、この症状のときにはこの治療薬を飲んでいただくといった知見はかなり蓄積されている。それが、感染者数は増えているが重症者は何とか抑えられているとことに繋がっているのでは。

大曲貴夫 国立国際医療研究センター 国際感染症センター長
大曲貴夫 国立国際医療研究センター 国際感染症センター長

大曲貴夫 国立国際医療研究センター 国際感染症センター長:
僕自身が強く呼びかけているのは、やはり高齢者や持病をお持ちのリスクの高い方には、我慢せずに早く病院に来ていただきたいということ。早く来れば、来たときには軽症なんです。そこで対処すればおそらくそれほど悪くなることはないだろうという現場の感覚があり、多くの医者が賛同してくれると思う。特にハイリスクの方に、強くお声がけをしたいと思います。

都の医療体制は「しっかり回っている」

反町理キャスター:
医療提供体制について、数字だけを見ると東京都にはまだ対応の余力があるように見えますが、どうでしょう。


小池百合子 東京都知事:
軽症・無症状の方のためのホテル宿泊療養が、制度的には準医療施設のような位置づけになっており、その部分も十分確保できている。さらに増やす準備にも入っています。また、ペットも一緒に入れるようになっています。感染症の専用病院も来月には動き出します。
ただ、重症の方の病棟を確保することによって、例えばがんで手術をする予定だった人など他の病気の方々にしわ寄せがあることも事実。また、病院の経営問題なども含め課題はあります。


大曲貴夫 国立国際医療研究センター 国際感染症センター長:
余裕があるとは言いませんが、第1波・第2波を経験して医療の流れはかなりスムーズになった。余裕がなくて慌てているといったことは一切ない。疲弊などの問題は当然ありますが、しっかり回っていると思います。 

都のメッセージは「共感」に重き

反町理キャスター(左)、小池百合子 東京都知事
反町理キャスター(左)、小池百合子 東京都知事

竹内友佳キャスター:
私たちの生活について、何かまた行動指標の行動変容の指標が出されるということもあるのでしょうか。

小池百合子 東京都知事:
これまでに政府の休業要請、都としても夜10時までの営業時間短縮要請などがありました。都民の皆さんも、8〜9割の方は感染防止の対策をもう徹底していると思う。マスクをし、3密を避け、大声の会話や長時間の食事を避けるなど。すると、あとの1割のところにどう届けるのか。どういうメッセージを出すかという点で大事なのは「共感」。コロナ対策という「大義」とともに共感という部分がなければなかなか通じない。

反町理キャスター:
自粛要請ではなく共感という言葉が非常に美しい分、何か強制力の弱い言い方になるのではという心配があります。

小池百合子 東京都知事:
リスクコミュニケーションとしては、やはり皆さんの気持ちにストンと入って、そして行動に移しやすいことを改めて申し上げる必要がある。「せーの」で東京を止めましょうといったことが実際の効果につながるのか。いろいろなマイナス面なども考えて、ここは慎重な見極めが必要だと思っております。
都民の皆さんも、年末年始の集まりを中止せざるを得なくなったときには寂しい思いをするわけですよね。これも共感。そのためにも、基本は守っていただくということ。

食事の人数制限より「距離が大事」


竹内友佳キャスター:
新型コロナウイルス対策で大きな期待が寄せられているのがワクチンです。現時点で2つのワクチン開発が進んでいると発表されました。大曲さん、ワクチンへの期待は。

大曲貴夫 国立国際医療研究センター 国際感染症センター長:
重症の患者さんを減らす観点で本当に期待しています。ワクチンを打つ側の人間としてもうひとつ期待をしたいのは、副作用の面などで本当に安全なものが開発されることです。


竹内友佳キャスター
国も新たな対応策を打ち出しています。Go Toイートについては、5人以上で飲食する際食事券やポイントの対象外とする方針。

大曲貴夫 国立国際医療研究センター 国際感染症センター長:
人数も大事なのですが、我々の観点からすると、4人までなら安全で5人からは危険だということではないということは申し上げておきたい。距離をとることが大事。また、回し飲みや食器の共有も大きなリスクで、まずそれを避けることが優先されると思います。


反町理キャスター:
自殺者の増加について。失業率が1.2ポイント上がると過去の相関からいうと2,000人の自殺者が出るのではないかという大和総研の見立てがある。一方、コロナ発生以来今に至るまでの死者数の合計は約1,900人です。コロナ対策としての抑え込みとのバランスで皆さん苦労をされていると思うが、この点については。

小池百合子 東京都知事:
私がすごく気にしているのは、女性の自殺が増えていること。特に女性の孤独な環境について考えないといけない。たとえば一人親家庭。なかなか声を上げられない人ほど苦労されているのだ、という意識を常に持ちながら進めていく。誰も取り残さないということを、コロナのときだからこそ考えるべきかなと思います。

BSフジLIVE「プライムニュース」11月18日放送

(FNNプライムオンライン11月20日掲載。元記事はこちら

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