科学の力で10回が限界とされていた収穫を14回に…元建築士の社長が挑む「サイエンス農業」

経済・ビジネス 技術

作物が最も育つにはどんな栽培方法が適しているのか。異業種から参入した社長が突き詰めた「サイエンス農業」の実力を取材した。

まず”土を科学”する

農業ベンチャー「果実堂」
農業ベンチャー「果実堂」

ここは、熊本・益城町にある農業ベンチャー「果実堂」。
一面を緑に染めて生い茂っているのは、発芽してまもない「ベビーリーフ」。


東京ドームおよそ15個分の敷地にある、およそ700の農業用ハウスで、ミズナやビート、ルッコラなどの若葉、いわゆるベビーリーフを栽培している。


この会社で行っているのは、かつて大手不動産会社で建築士をしていた社長が生み出した、その名も「サイエンス農業」。


果実堂・高瀬貴文社長:
親友が「これからの農業は技術系、理系がいる」ということで、”土を科学”して、いろんな作物ができるところが非常に楽しい。

果実堂・高瀬貴文社長
果実堂・高瀬貴文社長

まず、農業の基本となる土壌に注目した社長は、全国の土を見て回り、どの土がどの植物の栽培に適しているかを徹底的に分析


やがて土を握っただけで、水分量がわかる触診ができるまでになった。

最適な散水システムに高機能ハウス

さらに、効率化を図るため、土壌の水分状態をセンサーで計測し、足りなくなれば自動で最適な量を散水できるシステムを開発した。


果実堂 栽培管理部・髙木翔真グループ長:
水分がずれると生育のばらつきや、葉っぱが軟弱になる。いかに効率良く栽培をするか、水分管理が非常に重要になってくる。

果実堂 栽培管理部・髙木翔真グループ長
果実堂 栽培管理部・髙木翔真グループ長

そして使われているのが、社長自らが設計した災害にも強い高機能の農業用ハウス
益城町は、地震や台風など、近年多くの災害に見舞われているが、このハウスはほぼ無傷。


耐久性に加え、適切な温度管理ができるよう、自動で換気できるようになっている。


年間10回が限界だった収穫を14回に

収穫したベビーリーフは、敷地内にある工場へと集められ、異物が入っていないかなど細かくチェックし、すぐにパッキング。
最後は人の手で丁寧に箱詰めし、翌日には首都圏のスーパーの店頭へと並ぶ。


こうした徹底した効率化で、これまでは1年で10回が限界とされていた収穫を14回、14毛作ができるようになり、収穫量も2倍になった。


果実堂・高瀬貴文社長:
自分が建築出身で、農業をきっちりやれているところを考えると、やっぱり異業種からどんどん人が来て、農業を活性化したいと考えていて、いろんな人が集えるような会社にしたいなと思っています。


今では、大手商社をはじめ、食品会社や自動車メーカーなど、さまざまな業種との提携も進めている果実堂。


元建築士の社長が生み出した「サイエンス農業」は、無限の可能性を秘めていそうだ。

(「Live News α」12月8日放送分)

(FNNプライムオンライン12月9日掲載。元記事はこちら

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