菅首相会見するも支持率ダウン 要因は「中途半端」なGoToのジレンマか

政治・外交

 

菅首相は4日、臨時国会の閉会にともない記者会見を開き、新型コロナウイルス対策などについて、改めて国民に説明した。しかし報道各社の世論調査では前月より支持率がダウンした。その背景には、政府内でも「中途半端」と評されるGoToトラベルをめぐるジレンマがあるようだ。

菅首相は、会見の冒頭、新型コロナウイルスの感染拡大について「感染者数や重症者数が過去最多となり極めて警戒すべき状況が続いている」「病床も逼迫し始め、強い危機感を持って対応している」と強調した。


その上で政府の対策として、GoToイートの新規発行の停止や人数制限の呼びかけ、GoToトラベルの大阪、札幌など感染拡大地域での一時利用停止、東京都での高齢者や基礎疾患を持つ旅行者の利用自粛呼びかけなどを改めて説明。さらに年末年始にむけて「マスク着用、手洗い、3密回避などの基本的な感染予防策の徹底」を改めて呼びかけた。


内閣支持率は10ポイント以上ダウン コロナ対応半数超が評価せず

この総理会見と臨時国会の閉会を受け、報道各社は世論調査を行ったが、共同通信が5~6日に実施した調査では、菅内閣の支持率は前月に比べて12.7ポイント下がって50.3%となった。また政府の新型コロナ対策について「評価する」が37.1%だったのに対して、「評価しない」は55.5%と半数を超えた。

この支持率の下落について政府高官は「結局はコロナの影響。コロナ対応の評価が下がっている」と受け止め、別の政府関係者は「政府のコロナ対策が中途半端なものだと世論に受け止められてしまっている」と分析した。


この政府関係者が国民に「中途半端」と受け止められている対策の1つだと見ているのが、GoToトラベルだ。菅首相は今回の会見で、「国民の命と暮らしを守るために雇用を維持し、事業を継続し、経済を回復させる」として、例外を除きGoToトラベルは継続させる意向を示したが、その“一部地域の除外や制限”という弾力的な運用の有効性が、うまく国民に伝わっていないのだという。感染拡大防止のためには人の移動は好ましくないが、観光業に携わる人などを守るためには、人の移動を促進しなければいけないというジレンマの中での政府の苦慮がうかがえる。


会見ではGoToと二階幹事長の関係について質問が

そして菅首相の記者会見では、30分間行われた質疑の冒頭と最後がGoToトラベルに関する質問だった。その最後の質疑はGoToトラベルの継続と自民党の二階幹事長との関係についての以下のようなやりとりだった。


記者:

「GoToトラベルキャンペーンを強く推進する自民党の二階幹事長は全国旅行業協会の会長を務めているが、結果的に他の業界に比べて自民党はこのトラベル業界を優遇しているのではないかと思う国民はいると思われる。その点について、総理の御意見を」

菅首相:

「GoToトラベルでありますけれども、そもそも日本には観光関連の方が約900万人おります。(中略)そうした人たちはもう、このまま行ったらまさにこの事業を継続することができないというような状況の中で、私どもはこのGoToトラベルをさせていただいて今に至っています。二階幹事長が特別ということではなくて、何がこの地域の経済を支えるのに一番役立つのかなという中で判断をさせていただいているということであります」

政府がGoToトラベルを推進する背景には、全国旅行業界会長を務める二階幹事長の影響があり、旅行業界を優遇しているのではないかとの問いに対して、菅首相は「二階幹事長が特別ということではなく、地域の経済を支えるために一番役立つ判断をしている」と強調した。


一方、その二階幹事長は7日の会見で、内閣支持率の低下について「嬉しいことではないが、一喜一憂しないで現下の情勢に真剣に取り組んでいく」と述べ、GoToトラベルの見直しの可能性については「一応ご意見はご意見で参考にしたい」と答えた。

菅首相の次の国民への呼びかけの機会は…

政府は8日、新型コロナ対策などを盛り込んだ事業規模73兆円あまりの追加経済対策を決定した。この中には雇用調整助成金の特例措置の延長のほか、GoToトラベルの来年6月末までの延長のための予算も含まれている。

政府は引き続き、コロナ対策と経済活動の両立を図る構えだが、年末年始でふるさとに帰省しようか悩んでいる人たちが多くいると思われる状況で、今後、菅首相がどのようなコロナ対策を進め、国民に呼びかけを行っていくのかを注視したい。

(フジテレビ政治部 総理番記者 亀岡晃伸)

 

 

 

(FNNプライムオンライン12月9日掲載。元記事はこちら

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