日本の官民協力でタイの都市鉄道「レッドライン」が試運転 日本が関わる意義は

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渋滞や大気汚染の緩和へ

複数の日本企業が関わるタイの新しい都市鉄道の試験運転が15日、バンコクで初めて公開された。2021年に開業予定の高架鉄道「レッドライン」。


この鉄道は、車両を「日立製作所」が設計・製造し、料金収受などの運行システムは「日本信号」が納入した。


そして、建設費は、JICA(国際協力機構)の円借款が使われていて、日本の官民が大きく関わっている。

開通すれば、タイ国内の二大空港であるドンムアンとスワンナプームが鉄道の乗り継ぎで結ばれるなど、利便性が大きく向上する。


また、あわせて公開された「レッドライン」が発着する新しいターミナル駅も、2021年開業予定で、完成すればASEAN(東南アジア諸国連合)最大の駅となる。


渋滞や大気汚染が深刻なタイでは、交通インフラの整備が、そうした問題の緩和につながると期待されている。

日本がインフラ整備に関わる意義とは

三田友梨佳キャスター:
海外での官民を挙げたインフラ整備の動き、どうご覧になりますか?

津田塾大学・萱野稔人教授:
今の時代、インフラ輸出は好むと好まざるとに関わらず、政治的な意味を持たざるを得ないところがあります。

中国は今、「一帯一路」のスローガンを掲げていますが、その元で各国のインフラを中国が整備することで、中国独自の経済圏をアジアからヨーロッパにかけての一帯に作ろうとしています。

とりわけ現在はコロナ禍で世界的に経済が落ち込んでいます。
多くの国では、チャイナマネーにより依存しようとする動きが今後出てくる可能性があります。

その点で、今回のタイの鉄道整備に日本が関わったことは、中国中心の国際秩序の建設に対して、自由で開かれた国際秩序を維持するという大きな意味があると思います。


三田キャスター:
日本としては今後さらにどんな取り組みが求められますか?

萱野氏:
日本のインフラ輸出の利点は、納期が守られるということ、そして、トラブルや事故が非常に少ないということです。

一見、最初の事業費は、中国企業によるインフラ整備に比べて割高に見えるかもしれないけど、長期的に見れば決して割高ではないんです。

その点をいかに各国の当局者に理解してもらえるか、官民を挙げた取り組みが必要になってくると思います。

三田キャスター:
タイは交通渋滞などの問題も深刻化していますが、日本の安全で信頼性の高い技術力によって持続的な成長に貢献することも期待されます。

(「Live News α」12月15日放送分)

(FNNプライムオンライン12月16日掲載。元記事はこちら

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