緊急事態宣言で「成人式」の変更・中止が相次ぐ中、新宿区が“会場開催”にこだわる理由

社会

政府は7日に、東京など1都3県を対象とした緊急事態宣言の発令を決定する。
去年4月の緊急事態宣言では多くのイベントが中止や延期されたが、11日に迫った成人の日の式典についても各自治体から中止などの動きが発表されている。

千葉県の浦安市ではディズニーシーでの開催を予定していた成人式を3月7日に延期すると発表。東京23区では、15の区が会場開催を中止しオンラインなどに変更するとしている。(1月5日時点)

こうした中、東京の新宿区はあくまで成人式の会場開催に前向きな姿勢だ。
菅首相が緊急事態宣言を検討する意向を示したのは4日だが、新宿区はその翌日に公式サイトを更新し、改めて開催の旨を伝えている。
新宿区では、成人式のような記念行事への影響は最小限にとどめることが望ましいと判断し、式典を簡素化した上で、感染予防に万全を期して実施するという。

出典:新宿区
出典:新宿区

成人式の会場変更・27分で終了予定

これまで新宿区の成人式は京王プラザホテルの宴会場で行っていたが、今回は去年7月にオープンした新宿住友ビル三角広場に変更している。
この会場は最大収容人数約2000人で、最大天井高は25mにもおよぶという。

サイトに記載された感染予防対策を見てみると、
・来場した新成人には、サーマルカメラによる検温、マスクの着用、手指消毒を徹底する。
・例年は立食形式だったが、今年は飲食はなく着席制に変更しソーシャルディスタンスを確保する。
・式典を午前と午後の2部制に分散し、住所によって参加者を振り分ける。

また、これまでは飲食を含めると約2時間かかっていたというが、今回は区長あいさつや来賓の祝辞が6分、新宿区ゆかりの著名人のビデオメッセージが8分、20年史の振り返りが5分、新成人による誓いのことばが8分と、合計わずか27分で終了する予定になっている。

他の自治体が相次いで中止やオンライン開催にするなか、なぜ新宿区は会場開催にこだわるのか?そして区民の反応はどうなのか?
新宿区の担当者に聞いてみた

オンラインでは難しい部分がある

――新成人は何人ぐらい式典に参加する?

例年だと招待状は4000通ぐらい発送していますが、今年度は留学生など外国人の方がかなり減って約3400通でした。
招待者はすごく多いんですが、そのうち実際に来ていただける人数は少なく、去年までは
だいたい1200名前後です。そういったことを加味して、今年度の参加者は例年と同じぐらいの人数ではないかと見込んでいます。
この人数に対して、去年より大きな会場に変えて、さらに1部と2部と分けて開催します。
 

――なぜ新宿区は会場開催にこだわるのか?

やはり、成人式のお祝いを一緒にしたいという思いから実施しています。
また成人式は昔の幼馴染と会って友好を深めるという同窓会のような面があり、それはオンラインでは難しい部分があると思います。
そこで、コロナの対策は十二分にしたうえでイベントを開催する事になりました。
 

「なんで成人式をやるんだ!」という声も…

――開催に対して区民からどんな声が寄せられた?

区民だけでなく様々な方からご意見が寄せられています。
その多くは、やはり緊急事態宣言について様々な報道がある中なので、「なぜイベントをやるんだ」という声です。
また少数ながら、「中止する地域が多い中で開催してもらってありがたい」という親御様からの意見もありました。
 

――新成人にメッセージを

成人の日の式典は一生に一度のイベントです。
こういう状況ですが、新成人のみなさんに社会人として今後活躍してもらいたい、という願いを込めて記念の行事を開きます。
もちろん式典の後は、会食などしないようにお願いします。
 


新宿区の公式サイトでも、「式典終了後に同窓会等の会食をしないことを強く要請します。」と訴えていた。

成人式に付きものの偉い人の話はオンラインでも済みそうだが、昔の友人と直に顔を合わせる機会はとても大切だというのも分かる。
新成人のために何ができるか、各自治体が頭を悩ませている。
 

【1月8日追記】
新宿区は8日「はたちのつどい」の式典の中止を発表しました。
公式サイトでは以下のように理由を述べています。

新型コロナウイルスの感染拡大が進み、1月7日に、緊急事態宣言が発出され、政府からも成人式のオンライン化・延期の要請がありました。これを受け、「はたちのつどい」の式典を中止とさせていただくこととなりました。

(FNNプライムオンライン1月6日掲載。元記事はこちら

https://www.fnn.jp/

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