溶接も遠隔で 町工場のリモートワーク
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働く人に役立つプラスαな考え方に注目する「αism」。
町工場だからIT化が難しいのではなく、町工場だから、その余地が大きい。
親子2代で切り盛りする下町の工場。
溶接一筋60年、老舗の町工場が新型コロナウイルスの感染拡大が続く今、挑戦したのが、工場で働く溶接職人のリモートワークだった。
東京・江戸川区、ここに宮本さん親子が営む溶接専門の町工場がある。
現在は、父の跡を継いだ卓さんが社長を務めている。
クリエイティブ ワークス・宮本卓社長「どちらかというと、試作品とか、数が少ないものを製品にするものが多い」
老舗ならではの高い溶接技術が売りのこの町工場。
実は、もう1人職人が働いているそうだが、その姿は工場とは別の場所にあった。
溶接職人・市原萌さん「新型コロナウイルスがまた感染拡大している影響で、リモートワークに切り替えて仕事をしている」
市原さんが溶接をしているのは、江戸川区にある工場からおよそ40km離れた府中市の自宅。
この町工場では、コロナ対策として、溶接作業のリモートワークを導入した。
リモート中の職人に仕事の指示をするため、昔ながらの工場には、さまざまなIT機器が設置されている。
溶接といえば、火花が飛び散る危険な作業をイメージするが、リモートワーク用に火花が飛ばないタイプの小型の溶接機を採用。
自宅での作業の安全性も確保した。
そして、独自に工夫した“秘密兵器”が...。
溶接職人・市原さん「こちらの中に小さいカメラを付けていて、作業の手元や、どう溶接しているかが工場と共有できる工夫がされている」
防護ヘルメットの遮光板に取り付けたカメラで、溶接をする職人の手元の様子を工場でリアルタイムに見られるようにした。
溶接職人・市原さん「想像していたより、溶接の仕上がりは出荷しても大丈夫なクオリティーでできるし、時間的にも問題なくできたのは意外といえば意外だった」
この溶接システムの導入により、市原さんは緊急事態宣言が出ていた期間もリモートワークで溶接の仕事を続けることができた。
現在、市原さんは週の半分ほど工場に通っているが、感染拡大が深刻になれば、いつでもリモートワークに切り替えられるという。
クリエイティブ ワークス・宮本社長「(職人が)工場を離れても仕事ができるという確証というか、(リモートを)やってみて、結果が出たのが一番大きかった。(町工場は)全くデジタル化していない、ITを入れていく余地はたくさんある」
(FNNプライムオンライン1月12日掲載。元記事はこちら)
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