トランプ前大統領の弾劾裁判は「合憲」 今週中にも「評決」へ

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アメリカ・トランプ前大統領の弾劾裁判が始まった。

トランプ氏は、1月の議会襲撃事件で支持者をあおったとして弾劾訴追され、退任した大統領としては初めてとなる弾劾裁判の審理が9日に始まった。

初日は、検察官役を務める民主党の議員が感情的になる場面もあった。

民主党・ラスキン下院議員「これがわたしたちの未来であってはならない...。アメリカの未来であってはならない」

トランプ氏の弁護団は、「退任した大統領の裁判は違憲だ」などと訴えたが、採決の結果、裁判は合憲と判断された。

審理は早ければ今週末にも終わる可能性が出ていて、トランプ氏の無罪は濃厚との見方が広がっている。

哲学者で海外の政治情勢にもくわしい、津田塾大学の萱野稔人教授に聞く。

三田友梨佳キャスター「裁判自体は合憲と判断されたということですが、萱野さんはこのニュース、どうご覧になっていますか」

津田塾大学・萱野稔人教授「この合憲判断そのものが、とても政治的な判断です。これまでアメリカでは退任後の大統領を弾劾裁判でさばいたことはないんですね。今回の裁判は違憲だという指摘も多くの法律家から出されています。そんな中で今回、民主党主導によって多数決で合憲判断が下されました。これは法的な判断というよりは、政治的な判断であるという性格が非常に強いです。事実、民主党の上院議員からは、トランプ氏を将来ホワイトハウスに戻れなくするためだという発言も聞かれます。今回の弾劾裁判で有罪評決が出されれば、民主党は、次の大統領選挙に出馬する資格をトランプ氏からはく奪することも可能になるんですね」

三田キャスター「そういった政治的判断をふまえたうえで、今後どういった点に注目されていますか」

津田塾大学・萱野教授「こうした民主党のやり方が、アメリカの分断をより深めることにならないのかということが懸念されます。トランプ氏は昨年の大統領選挙で、負けたとはいえ、7,000万以上の票を獲得しました。その影響力の強さをおそれるからこそ、今回の弾劾裁判になったわけですが、それだけ政治的な思惑が先行した弾劾裁判でもあるということなんです。このままだと、憲法の政治理論だという批判がアメリカ社会に深く広がりかねないということがあります。ある世論調査では、共和党支持者の13%しかこの裁判を支持していないという結果も出ています。これまで民主党は分断を批判してきましたが、逆に民主党がその分断を深めてしまうかもしれない。この点について注視していく必要がありますね」

三田キャスター「そうですね。もちろん裁判を通して、論点を整理して結論に至るというプロセスは大切だと思いますが、早期に結審してコロナ対策や経済支援策に注力することが、アメリカの融和のためには必要なようにも感じます」

(FNNプライムオンライン2月11日掲載。元記事はこちら

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