ストーカーの手口が巧妙化 警察の対策“いたちごっこ”


ストーカー規制法が施行されてから20年。
この間、加害者の8割は男性で、殺人などの重大事件に発展するケースも相次いだ。

手口は巧妙化し、警察当局はこれを食い止めるため日々対策を続けているが、ポイントは「ストーカー VS 警察当局 いたちごっこに終止符を」。

社会部・平松秀敏デスク「悪質なストーカー事件が本当に相次いでいて、最近は新たな手口が本当に目立ちます。先週警視庁に逮捕された、三浦洸平容疑者。三浦容疑者は、見ず知らずの街ゆく女性のカバンの中に紙を入れていた。その紙には『ご迷惑じゃなかったら』という文言と、自分のLINE IDが書かれていたということです」

加藤綾子キャスター「ちょっとご迷惑ですし、紙を入れるだけじゃなくて付きまとっていましたよね」

社会部・平松デスク「コンビニやスーパーをつきまとい、ほかにも10人以上の女性のカバンの中に紙を入れていて、もっと被害は膨らみそうということで、警視庁が被害拡大をこれ以上防ぐために先手を打って逮捕に至ったのだろうと。この判断は本当に評価できると思います。ご存じの通り、ストーカー事件は一歩間違えると殺人などの重大事件に発展しかねないので、全国の警察はこのストーカー対策に本当に必死です。全国の警察が受けているストーカー被害の相談などの件数ですが、ここ数年ずっと2万件を超えている。法律ができた20年前はおよそ2,000件ですから、10倍弱ぐらいに膨れ上がっているということは、それぐらい一生懸命相談を受けているということです。一方で、ストーカーは時代が変わるごとに姿形を変えて、巧妙化しているという一面もある。それを警察当局はあと追いで規制をしてという、いたちごっこが常態化している」

加藤キャスター「今SNSとかもありますから、形が変わっていますよね」

社会部・平松デスク「2012年に逗子市でストーカー殺人事件が起きた時、嫌がらせの道具は電子メールでした。当時、電子メールの送信はストーカー行為には認定されてなかった。そこで慌てて2013年、法律に執拗(しつよう)なメール送信というのを加えて、規制をしたということです。そして2016年、小金井市で起きた女子大生刺傷事件が起きた。この時の嫌がらせの道具はSNSだった。SNSを通じたメッセージ送信もストーカー行為に入っていなかったので、2017年、SNSのメッセージ送信というのも法律に加えて規制に乗り出したということなんです。さらに最近では、GPSが多いです。ストーカー相手の車にGPSを取り付ける、あとはGPS機能付きのアプリを相手のスマホに勝手にインストールして、相手の居場所を探るというケースが本当に多いらしいです」

加藤キャスター「怖いですね。これはまだ取り締まる法律はないということですか」

社会部・平松デスク「これも同様に、現在の法律ではストーカー行為に認定できないので、警察庁もいろいろと検討して、1月、GPSストーカーを取り締まりの対象とすることを決めたばかりだという。一方、最近はちょっとこれまでとは考えられないような“特定屋”という人たちも出てきている。特定屋というのは、SNSに載っている書き込みや写真を見て、第三者の住所などを特定して報酬を得るという人物が今実際にいるらしい。特定屋がストーカー事件に関わっているケースが最近、明らかになっている。実際、警視庁が2020年に摘発した事件で、男はストーカー相手の女性の郵便物を勝手に自分の実家に転送させたり、あとは電気や水道を勝手に止め、クレジットカードを使えなくしていた。この男は2月、有罪判決を受けたのですが、捜査段階では『特定屋に頼んだ』と供述をしていたというが、特定屋は捕まらない。同じように、今のストーカー規制法では特定屋を規制する、ダメにする明確な規定はないんです。ただ、今言ったように悪用されうる存在ではありますよね」

加藤キャスター「だから、その後手後手に回ってしまうと、何か事件が起きてからでは遅いじゃないですか。先手先手で取り締まりをしてほしいです」

社会部・平松デスク「それがなかなか難しい。なぜかというと、例えばメール・SNS・GPS・SNSの書き込みの分析。最先端と言ったら変ですけど、最先端ツール、技術をストーカーたちは使うので、なかなか警察が追いついていけないという現状があります」

キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・宮家邦彦氏「GPSを使うなんて卑劣なやつらだね。やはり個人はなかなか難しいかもしれないが、特定屋がいるなら、特定屋に頼んで特定屋が協力したら、その時点で同罪にすればいい。そういうことをやったらいけないってことを最初から抑止しないと、ちょっと法律が後手後手になって、もう少し柔軟に改正できるようにならないですか」

社会部・平松デスク「やはり法律の問題なので、そうすると法律改正しないといけない。その前に有識者に意見を聞かなきゃいけないという、いかにも順序を踏まないといけないということで、スピード感は欠けるのは確かです。ストーカーをうまいこと追っかけられてない部分はある」

加藤キャスター「ちょっと、ここはどうにかしてほしいと思います」

(FNNプライムオンライン2月16日掲載。元記事はこちら

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