スピード接種支える英のボランティア戦略とは 医療資格なしで注射

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イギリスでは今もロックダウンが続く一方で、1回目のワクチン接種を終えた人が、全人口のおよそ27%にのぼっている。

このスピーディーな接種の背景にあるのが、医療資格を持たないボランティアの存在。

イギリスのジョンソン首相は、3月8日に学校を再開するなど、ロックダウンを6月までに段階的に緩和する計画を発表した。

ジョンソン首相「ロックダウンによる感染対策からワクチンによる感染対策に、段階的に移行させていくことが正しい手段なのです」

緩和に踏み切った背景にあるのが、スピーディーなワクチン接種。

イギリスでは2020年12月にワクチン接種が始まり、これまでに、全人口のおよそ27%が1回目の接種を終えている。

イギリス政府は22日、ファイザーのワクチンによる感染リスクの減少は、1回目の接種で70%、2回目の接種後には85%だったとする初期の分析結果を発表。

また、ワクチン接種により、入院や死亡する例が75%以上減ったとしている。

そのスピーディーなワクチン接種を可能にしているのが、医療資格を持たないボランティアの存在。

こちらでは、ボランティアが実際に接種をするためのトレーニングが行われている。

講師「指3本分下の中間部分、そこがワクチンを打つ場所です」

注射を打つ訓練を受けているのは、普段はマーケティングの仕事をしているフェリシティーさん。

講師「筋肉を広げて真っすぐ刺し、押して筋肉にワクチンを注入します。押し込みましたか? であれば終わりです。はい、すばらしい!」
フェリシティーさん「このまま捨てていい?」

イギリスでは、新型コロナウイルスのワクチンに限り、医療資格がなくても、およそ20時間の訓練を受ければ、注射を打つ行為までできるように法改正が行われた。

訓練を受けるボランティア・フェリシティーさん「ワクチンを必要とする人が国中にいるので、手伝ういい機会だと思った」

イギリスは、ワクチンを打つ人を含めて、医療サポートのため3万人のボランティアの確保を目指していて、人手を使い、スピード重視でワクチンを行き渡らせようとしている。

接種を受けに来た人「適切に訓練されているなら問題ない。普及のスピードアップになるなら良いこと」

イギリス政府はこのスピード接種で、2021年7月には18歳以上の全ての人への接種を終えたい考え。

フジテレビ・風間晋解説委員に聞いた。

三田友梨佳キャスター「注射ボランティアということですが、いかがでしょうか?」

風間解説委員「びっくりですよね。日本にはこれを受け入れる素地はないと思いますし、医療行為の壁を乗り越えてまでこうする理由もないと思います。イギリスは死者12万人で、ロックダウンも継続中です。一刻も早く対策の決め手を打つための注射ボランティアだと思います。でも、日本でもワクチンを確保でき次第、できるだけ短期間に多くの人たちに接種したい、その事情は同じです。ですが、やはり注射してくれる医療者の数が足りません。そうわかっているのに、その手当が進んでいるようにも見えません。人がいないわけではないんだと思うんですね。3月にも接種を受けようという医療関係者は370万人、プラス100万人います。全国およそ8,000の病院のうち、新型コロナ患者を受け入れているのは少数派で、民間病院の7割は受け入れていないんです。ワクチン接種のマンパワーの部分で協力してもらったらどうでしょうか。政府は、本格接種が始まる前に、この問題にめどをつけておく必要があると思います」

三田キャスター「本当にそう思います。ワクチンを先に受ける470万の医療従事者の皆さんに、接種ではどのような形で協力してもらえるのか、その間クリニックを閉めなければならない場合は、補償なども含めて仕組みづくりが求められます」

(FNNプライムオンライン2月24日掲載。元記事はこちら

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