土地疑惑で文在寅大統領がピンチ 国民が怒り 日韓関係に影響?
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FNN記者のイチオシのネタを集めた「取材部 ネタプレ」。
今回取り上げるのは、ソウル支局の渡辺康弘支局長が伝える「文大統領のピンチが日韓関係に影響?」。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率が今週月曜日(22日)、34.1%という就任以来最低の数字まで急降下した。
一方で、不支持は62.2%と高くなっている。
文大統領が窮地に追い込まれつつある背景には、今韓国を揺るがしているある事件がある。
事件の主人公というのが、韓国土地住宅公社(LH)の職員。
LHは新都市開発や住宅の開発を行っている公的な企業だが、内部情報を悪用して、開発発表前の土地を約10億円で購入していた。
開発されれば値上がりは確実。
こういった情報を持っている特権階級による不正ということで、韓国国民が非常に怒っている。
そして、この怒りをさらに大きくさせたことがある。
問題の土地は農地だが、韓国では本来、農業従事者、農家の人しか買うことができない。
しかし、LHの職員は「自分たちが観賞用の植木を栽培する農家だ」とうそをついて買っていた。
FNNソウル支局 渡辺康弘支局長「加藤さん、映像を見て何か変な点があるのに気づきますか?」
加藤綾子キャスター「変な点というか、何かたくさん生えてますよ。ちょっとごちゃごちゃしているというか...」
FNNソウル支局 渡辺康弘支局長「そうなんです。ものすごくたくさん植えているんですね。ありえないほど植木を密集して植えているんです」
加藤綾子キャスター「これあえて植えてるということなんですか?」
FNNソウル支局 渡辺康弘支局長「はい。これではとても植木は本来育たないわけです。なぜこんなことをしているのかといいますと、LHで土地を買う際に植木が多いほど補償金が増える仕組みになっているんです。今回の職員たちは限界まで植木を植えることによって、少しでも稼ごうとしたんですね。こうしたLH職員の飽くなき金銭欲に韓国国民はあきれ、怒りを抱えているわけなんです」
国民の側にも怒るだけの理由がある。
ソウルのマンションの平均販売価格が、文大統領が政権を取ってからおよそ4年間で実に80%も値上がりし、発足当初約5,800万円だったのが今は1億円もする。
FNNソウル支局 渡辺康弘支局長「平均値ですよ。東京よりも高いです。この状況では、韓国の庶民の方たちはとてもマイホームなんか買えませんので。そういった状況の中、不動産で特権階級が不正を行ったということで、より怒りが大きくなっているわけです」
この事件、現在まさに韓流ドラマも真っ青な状況になっている。
国会議員14人について、不動産や鉄道開発などの際に土地で不正を行ったのではないかという疑惑が持ち上がっている。
さらに、文大統領の実の娘、そして義理の弟が不動産投資で巨額の利益を上げていたと、韓国メディアが報じている。
さらに、文大統領本人についても疑惑が出てきている。
2020年、文大統領が大統領退任後に住む場所として、約1億円で購入した韓国南部の梁山市の土地。
一部が農地だったが、文大統領は家庭菜園で11年間農業をしていたと申告をして購入していた。
加藤綾子キャスター「さすがに大統領が11年間農業をしているって、ちょっと変ですよね」
FNNソウル支局 渡辺康弘支局長「そうですね。奥さんと一緒に家庭菜園をやってたと言っているんですが、ちょっと違和感がありますよね」
さらに2021年1月になって、この「農地」が登記上「宅地」に変わって、結果的に土地の価値が上がっていた。
購入からわずか1年でこういった地目が変わるのは、大統領特権ではないかと言う批判が野党からも出ている。
こういった形で文大統領にも矛先が向くことで、大統領支持率が下がってきている。
そして、文大統領だが、実は任期が1年余りしか残っていない、政権末期。
その中で支持率が落ちてきたため、「いよいよ影響力が低下してきた」といった指摘まで出てきている。
ここで一人思い出すのが、同じように政権末期に影響力が下がって、急に反日政策に舵を切った李明博(イ・ミョンバク)元大統領。
李元大統領は2012年8月に政権末期だったが、支持率が20%台に低迷する中で、日本の竹島に突然上陸した。
さらに天皇陛下に謝罪を要求。
この結果、支持率が一気にアップして、9ポイントもアップしてしまった。
FNNソウル支局 渡辺康弘支局長「文大統領自身は、現在は日韓関係は非常に悪いんですが、何とか改善したいというメッセージを出しています。しかし22年3月に行われる大統領選挙に向けて、このまま旗色が悪い状況が続くと、文大統領もいつ反日カードに手を出すのかわからないという状況になっていると思います。今後注意してみる必要があるかなと思います」
加藤綾子キャスター「柳澤さん、今後日韓関係に影響が出てきそうですね?」
ジャーナリスト・柳澤秀夫氏「アメリカ、バイデン政権は日本と韓国の関係改善を進めてほしいという思惑もあるんですよね。ですから、日本、韓国、アメリカという3者の間で、北朝鮮問題も含めてですけど。どういうふうに足並みがそろうのかそろわないのか。その辺が文大統領の求心力を維持できるのかできないのか。できないとみたら、ソウルからのリポートにあったように、日本に対して厳しいカードを切って求心力を維持したいという、可能性は否定できないですね」
加藤綾子キャスター「でも問題をすり替えないでほしいです。日韓関係のね」
ジャーナリスト・柳澤秀夫氏「問題の根本をしっかり見据えたうえで、解決策を考えるのが筋だと思うんですけども。なかなか一筋縄ではいかないという感じです」
(FNNプライムオンライン3月25日掲載。元記事はこちら)
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