コロナ禍でも「変わらぬモノ」 92歳写真家が見た上野


花見客が日本で一番多いことでも知られる、東京の上野公園。

ここで桜を撮り続けている92歳の写真家・須賀一さん。その思いを取材した。

今からちょうど1年前の3月27日。
暮れなずむ桜並木を捉えた1枚の写真。

立ち入り禁止のテープの前で、写真を撮る若いカップル。

そのそばには、監視を続ける警備員の姿も。

新型コロナウイルスの影響で、公園の桜通りが閉鎖されたその日の風景を被写体に収めた。

須賀一さん「92年間いて、あんなに上野公園に人がいないのは初めて見た。本当なんにも、しーんとしちゃって」

プロカメラマンの須賀一さん、92歳。

上野の日常風景を半世紀以上にわたってカメラに収め続け、作品をまとめた写真集は高い評価を受けている。

須賀さん「上野で何かあると、全部撮っている。モナリザが来たとか、パンダが来たとか。自分の生まれたところを撮っておかなきゃいけないなと、変な使命感を考え出したんだよね」

こうして撮影した写真の中で、須賀さんがずっと変わっていないというのが、上野公園の桜だという。

須賀さん「(人がすごいですね。昔から?)こういうことをやっていたわけよ。これが当たり前なんだよな」

満開の桜の下をひしめき合うように、大勢の花見客が歩く光景。

コロナ禍にある今は見られない。

須賀さん「楽しい、撮っててうれしい。江戸っ子だから、カメラ持ち込んで撮っていると生きてるなと感じる」

この日、2022年のカレンダー用として使う桜を撮影しに来た、須賀さん。

愛用のカメラで被写体を的確にとらえる技術は、90歳を超えた今も、まだまだ衰えていない。

須賀さん「コロナのあと、どうなるかなと、生きてりゃずっとやるよ」、「(体が元気なうちは上野を撮り続ける?)撮るよ。車いすでもやってみようかなと」

心和ませる薄桃色の桜。

コロナ禍で、上野公園の歩道は、2021年は片側通行に規制されている。

それでも、これまでと変わらぬ笑顔で桜をめでる人々。

その視線の先には、変わらぬ美しさを誇る満開の上野の桜並木があった。

(FNNプライムオンライン3月27日掲載。元記事はこちら

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