まるで“メイクの辞書”!600ページ超の美容雑誌に求められるコロナ禍の新たな役割

経済・ビジネス

“メイクの辞書”

東京都内の書店にある女性誌の売り場。
そこに並べられていたのは、発売されたばかりの600ページ以上もある雑誌。


厚さおよそ3cm。

「美的」インスタライブ:
重いんですけど、なんと600ページもあるんです。


3月下旬に発売された美容雑誌「美的」の5月号。
20周年を記念した特別号の今回は、通常のおよそ3倍の600ページ以上で販売された。


女優が21人登場するメイクページや春のメイク特集が組まれる中、新たに作られたのは目次のようなページ。


自分がなりたいイメージや、使用したいメイクのカラーから探せる索引のページが作られた。

「美的」・鈴木智恵編集長:
今回、春のメイクを100個も紹介しているので、みんな、自分はどのメイクからやろうかなと迷うんじゃないかと思っていて、自分の使いたい色から索引で後ろのメイクにとべるような仕組みにしていて、“メイクの辞書”みたいな感じで使ってもらえたらいいなと思っています。


ほかにも美容成分の解説や製品の比較など、手元に置いて調べる、まさに辞書のような使い方ができる仕組みに。


その背景には、雑誌の役割の変化があった。

商品の正確な情報を発信

「美的」・鈴木智恵編集長:
1個1個の商品について、しっかり誰かの言葉だったり、裏付けをもって語ることができるというのが紙の大きな特性だと思っていて、商品の背景とか歴史の話もくんだうえで使うと、またすごくコスメが楽しくなるのかなと思っています。


SNSなど、ネット上でコスメの情報があふれている中、雑誌にはより正確な情報を発信する役割があるという。

また、“Withコロナ社会”ならではの利用方法も。

「美的」・編集者:
ちょっとでも色が違うと(読者に)言われてしまうということがあるので、実物と必ず最後突き合わせて、色味の調整をしてから世に出すようにしています。


新型コロナウイルスの影響で、化粧品を試してから買う機会が減少。
雑誌は色を確認する重要な手段となっているため、印刷された誌面が実物と色が違わないか、1つ1つ全てのページを確認しているという。


美容雑誌で11年連続実売部数が1位の「美的」。
600ページ以上の雑誌の制作には、紙ならではの体験への思いがあった。


「美的」・鈴木智恵編集長:
『わ!』という体で感じる驚きというか、『重い! 厚い! すごいボリュームだ!』みたいな、体でびっくりするというのを絶対に今回やりたいと思っていました。

コロナで体で実感できる驚きというものが日常の中で少なくなっちゃったのかなと思っていて、めくるところまで何が出てくるかわからないという面白さがあると思っているので、それをうまく表現できていればいいと思っています。


化粧品はEC事業での売り上げがカギ

三田友梨佳キャスター:
このニュースについて、市場の分析や企業経営に詳しい経済アナリストの馬渕磨理子さんに聞きます。
美容に関する辞書のような雑誌、どうご覧になりますか?

経済アナリスト・馬渕磨理子さん:
この春にしてみたいメイクなど、美容は楽しく自由でパワフルといったメッセージで非常に気持ちが明るくなると感じました。

感染拡大でメイクの仕方や美容への意識が変わり、ページのボリュームを増やしたことで今読者が知りたいことに答えることができると思います。


三田キャスター:
様々な悩みにもこのボリューム感でわかりやすく答えてくれるのは嬉しいですよね。
一方で、化粧品業界は感染拡大によってインバウンド客の売り上げが落ちてしまったことは大きな痛手だと思いますが、その辺りはいかがですか?

馬渕磨理子さん:
化粧品といえばメイクというイメージがありますが、大きく分けると口紅などのメイク化粧品と、肌の調子を整えるスキンケア商品があります。

外出自粛や在宅ワークで口紅の販売は半分に減ってしまいましたが、スキンケアの需要は底堅いです。ベースメイクをする機会が減り、自分の素肌を目にする機会が増えたことから、時間に余裕があるこの時期に肌を整えよう、あるいはマスクによる肌荒れが気になるなど、スキンケア商品には追い風が吹いています。


三田キャスター:
そのスキンケア商品への追い風に対して化粧品業界も新たな戦略で今後臨む必要がありそうですね。

馬渕磨理子さん:
例えばヘアケア商品や洗顔料は単価が1000円前後ですが、高価格帯のスキンケア商品は1万円を超えてきています。

アンチエイジングやしわ改善の高機能スキンケア商品の需要が高まっています。
低収益事業から高収益事業へのシフトを強める企業も出てきています。

三田キャスター:
ただ、価格の高い化粧品の販売で大きな力になるのは美容部員さんによる対面販売だと思いますが、それも感染拡大の影響がありそうですね。

馬渕磨理子さん:
そこでオンライン販売です。
EC事業の売り上げを高めることが利益を確保するためのカギになってきています。

そこではオンライン販売でしか買えないなど商品設定が必要になってきます。

三田キャスター:
「オンライン限定」といわれると心動かされることもありますが、消費者が化粧品に求めるニーズが大きく変わりつつある中、どう戦っていくのか化粧品業界においても従来型の実際の店舗に依存したビジネスの転換が求められているようです。

(「Live News α」3月29日放送分)

(FNNプライムオンライン3月30日掲載。元記事はこちら

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