食器に生まれ変わる老木 寿命の桜の木に“新たな命”


そろそろ散り際を迎えている東京の桜だが、寿命を迎えて伐採された桜の木に新たな命を吹き込もうと、その「活用」に取り組んでいる東京の市民グループ「クミタテさくら組」を取材した。

木目が美しいスプーン。
そしてバターナイフ。

木のぬくもりを感じる、これらの食器。

廃棄された桜の老木から作られた。

東京都国立市の市民グループ「クミタテさくら組」。

週に1度、市内の工房で、思い思いに木工細工を楽しんでいる。

グループの発起人の1人、小池幸男さん。

海外で世界的企業の工場長を長年務めた経験を生かし、参加者にモノづくりの楽しさを伝える。

小池幸男さん「みんなで好きな物を作って、楽しいおしゃべりをしながら、1日中笑って過ごせるからね」

何を作るかは自由で、あるメンバーは器を製作中。
やすりを使い、滑らかに仕上げていく。

この器に仏さまへのお供えをのせるという。

一方、仏像を彫刻するメンバーも。

世界に1つだけの仏像。
モノづくりの喜びを感じる瞬間。

参加者「小学生の孫がいるから、“バアバが作った”と言って、すごく喜んでくれるの」

小池幸男さん「今の時代を乗り切るための、ちょっとしたエネルギーにしていただいているんじゃないかと感じるようになっています」

このグループが今、取り組んでいるのが、桜の木の再利用。

およそ340本のソメイヨシノの並木道で知られる国立市。

以前から、寿命を迎えて倒れる桜の木が問題になっていた。

こうした老木を有効に活用できないか、そんな思いで考えたのが、商品として桜の老木を再利用することだった。

例えば、スプーン。

まず、ペンでスプーンの輪郭を描き、その輪郭に沿って桜の老木を切り出す。

そして、やすりをかけ、形を整える。

最後にオリーブオイルでつや出し、完成。

食器として生まれ変わった、桜の老木。

旧国立駅舎で販売され、売り上げはグループの運営費などに充てられている。

「よい取り組みだ」と桜を管理する国立市もエールを送る、桜の老木の再利用。

グループは活動を続けながら、未来を担う子どもたちに、モノづくりの素晴らしさを伝えたいと語る。

小池幸男さん「心を込めて物を作ることの楽しさと喜びというものを、ゾクゾクッとするような鳥肌が立つような感激を、子どもたちに思い出してもらえればいい」

(FNNプライムオンライン4月3日掲載。元記事はこちら

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