鉛筆の主流「HB」から「2B」に… 背景には小学生の「握力低下」が

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「2Bの鉛筆」が学校指定に…

子どもたちの学校生活に欠かせない、なじみ深い筆記用具の鉛筆。
その鉛筆に大きな変化が起きているという。

小学校を取材すると、児童が使っていたのは「2B」の鉛筆。
小学1年の教室では31人中27人が「2B」を使用。さらに6年生の教室では34人中24人が「2B」を使用しているという結果に。鉛筆の主流だった「HB」だが、“イマドキ”の小学校では「2B」が圧倒的に使われていた。


足立区立足立小学校・角田成隆校長:
本校では鉛筆については「2B」を1年生には推奨しています。


鉛筆の売り上げを見ると、1999年はHBが43%、2Bが22%と「HB」の方が2倍近い売り上げとなっていたが、2006年に逆転。現在では全体の売り上げの半分以上が「2B」となっているという。


そもそもこのふたつの鉛筆にはどんな違いがあるのか?

HBは「ハードブラック(硬い・黒)」の意味があり、日本の生産製品の規格を定めるJISによると、HBの硬さは60MPa(メガパスカル)以上。一方、2Bの硬さは35MPa以上となっていて、2倍近い差があるのだ。

「HB」「2B」「6B」の鉛筆で文字を書いてみるとその濃さには大きな差が出た。


小学生が持つ鉛筆の主流が2Bになる中には、「6B」を使う児童もいるという。
学校で2Bの鉛筆を使っているという小学6年の児童に、HBの鉛筆を使ってもらうと…


男子児童:
やっぱり2Bの方が書きやすいです。(2Bは)芯があまり硬くなくて濃くなりすぎないし、薄くもなりすぎない感じがいいかな。

子どもの「筆圧」が低下 原因は「手を使わない生活」

硬筆の授業用に一部メーカーでは「10B」も用意されているというが、2Bが主流となった背景には「筆圧」が関係しているという。


足立区立足立小学校・角田成隆校長:
やはり子どもたちの筆圧が弱くなっているので、はっきりとした文字を書けるように以前よりも濃い鉛筆を指定しているように思います。


子どもの学習や生活について研究している、目白大学の谷田貝名誉教授によると、筆圧の弱さには握力低下が影響しているという。


石本沙織キャスター:
2Bが標準となっている背景はどういったことなのでしょうか。

目白大学・谷田貝公昭名誉教授:
手を使わない生活にどっぷりつかった結果だと思います。手は立派な感覚器でもある。運動器としての手が磨かれていない。


国の体力運動能力調査によると、11歳男女の握力は1990年で男21.61kg、女19.97kgだったのに対し、2019年は男19.43kg、女19.23kgと男女ともに大きく低下している。


鉛筆を通して見えてきた、子どもたちの変化。谷田貝教授は2B主流の使用にも警鐘を鳴らしている。


石本沙織キャスター:
子どもにもHBなどの硬い鉛筆を使わせるべきだと思われますか?

目白大学・谷田貝公昭名誉教授:
私は使わせた方がいいと思います。それと同時に、手を使うことを家庭でしっかりやらせることが大切だと思います。


加藤綾子キャスター:
硬筆の時とかだけは6Bとかで書いていたような…柔らかい下敷きを敷いて。

明治大学・齋藤孝教授:
Hも使っていましたよね。芯の減りが少なくて、細い文字が書ける。

石本沙織キャスター:
Bとか2Bだと手が真っ黒になるんですよね。
鉛筆の話なんですが、握力が低下することで日常生活にどのような影響があるかを聞きました。

「お手伝い」が子どもの握力低下を防ぐ

“握力がない”子どもが苦手とする動きは

・箸を上手に持つ
・雑巾などをしぼる
・紐を結ぶ
・はさみなどで切る
・定規で直線を引く


など。


これを予防するためには

・茶碗の配膳
・お風呂の掃除


といった「家事への参加」が有効だという。


石本沙織キャスター:
直線を引くという作業も「手でしっかり押さえてまっすぐ引く」というのができない子どもが増えているということなんです。
結構いろんなところに影響が出てきまして、これを予防するための対策は何かとお伺いしたところ、家事を手伝わせるのがいいと。お茶碗をどのくらいの力で持って置けばいいのか、スポンジをどの強さで持ってどのようにお風呂を磨くかという「加減」というのも大事だそうです。

加藤綾子キャスター:
あまり外で遊ばないというのもあるんですかね。

明治大学・齋藤孝教授:
鉄棒にぶら下がるとかね。鉛筆の持ち方ですかね。親指と人差し指でちゃんと持って、筆圧が伝わるようにした方がいいですよね。

石本沙織キャスター:
姿勢や視力が悪くなることもあるというので、やっぱり持ち方、筆圧というのも大事だそうです。

(FNNプライムオンライン4月23日掲載。元記事はこちら

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