「性別ないです」井手上漠が語る“ありのままの自分”

文化

多くの若者が魅了される「ジェンダーレス」

「性別ないです」「ジェンダーレス」で若者から絶大な注目を集める井手上漠(いでがみ・ばく)さん、18歳。

「世間の目じゃなく自分を貫いているのがかっこいい」と街でも多くの支持を獲得し、今月発売したフォトエッセイは、ネット書店のランキングで1位に。めざまし8は、井手上漠さんにインタビュー、その魅力を追いました。

「気持ち悪い」自分を押さえ込んだ過去

井手上さんが生まれ育ったのは島根・隠岐諸島にある人口約2400人の海士町。物心ついた時から可愛い物が大好きで、髪の毛も肩まで伸ばしていたそう。しかし、小学校高学年の時、その髪をばっさり切りました。当時のことを井手上さんはこう語ります。

井手上漠:
小学5年生くらいになってくると着替える時に男子と女子別々になったりとか、結構性別で分けられがちになる時期なので、そのときに私はいつも女の子たちと仲良くしていたので、男の子が違和感を覚えたんでしょうね。私の存在に。いろんな批判的な声をもらってから髪を短髪にしました。本当に嫌でした。何をしても楽しくなくて、このままつまらない人生でいいのかなと思いました


髪を刈り上げるほどに短くした漠さん。表情から日に日に明るさが消えていくことに気付いたお母さんが、こう語りかけてくれたそうです。

「ありのままでいい」母の言葉

井手上漠:
「ありのままで生きればいいからね」って言ってくれて。私のつまらない人生に救いの手を差し伸べてくれました。母のその言葉で強くなれた

「ありのままで生きればいい」母の言葉で自分らしさを取り戻した井手上さんに、大きな転機が訪れます。

2017年に行われた「少年の主張」全国大会。眞子さまもご覧になる、大舞台です。そのスピーチで、井手上さんは思いの丈を吐き出しました。

井手上漠(当時中学3年生):
自分は人とは違う、変わっていると気がついたのは小学校高学年の頃でした。「気持ち悪い」いきなり耳を疑うような言葉が僕の耳に飛び込んできました。「僕のこと?僕のどこが気持ち悪いの?」その日から僕は変な目で見られていると感じました。もし今、ありのままの自分を認めることができず、悩んでいる人がいたら僕は伝えたい。あなたはこの世界にいなければならない人だということを…

結果は2位、多くの人に井手上さんの思いが届いた瞬間です。

井手上漠:
弁論大会に出ていなかったら、今私はここにいないし、こんな語ることも出来てなかった。弁論大会が私に勇気をくれたと言いますか、人に自分のことを話すきっかけをくれた

自信を得た井手上さんは、新たなチャレンジを決意します。ジュノン・スーパーボーイ・コンテストへの出場です。

弁論大会の時は「僕」だった一人称を「私」に変えて、「ありのまま」の自分で勝負し、見事特別賞を受賞。“可愛すぎるジュノンボーイ”として一躍、注目されました。

井手上漠:
男の子のコンテストなんだけど、男の子らしさっていうのを壊せたような気がした

「ありのまま」の自分をさらけ出す理由


そしてこの春高校を卒業し、上京。芸能活動を本格化させると同時に1冊の本を出版しました。その意図を尋ねると。

井手上漠:
私みたいな人たちって少数派だから、やっぱり多数派で生きている人たちには伝わりにくいのが、現状じゃないですか。それはしょうがないことなんですけど、しょうがないで終わらせちゃうと、何も変わらないなと思ったんです。誰にも語りたくない過去っていうのもたくさんあるんです。でも、それを語らないと伝わらないことが私には多くて、じゃあもう何もかも赤裸々にしようと思ったんですね

自分をさらけ出す媒体として、形が残る“本”を選んだことにも意味があると話しました。

井手上漠:
5年後残っている物になれば、この時代に変わったんだとかいう、なんて言うのかな…価値のある物に自分でも感じられるような気がして、その一生残る物を作ることに意味を感じた。このエッセイを残すことは、私にとっても誰かにとっても意味があることだと思って、18歳からの視点でこのエッセイを出しました

もし未来が思い描いたように変わっていたときに、「自分が変えたんだ」と胸を張れるように。そんな思いを込めてエッセイを出版したという井手上さん。

18年間の間に味わった様々な経験を通してできあがった、強く美しい“等身大の井手上漠”が創る未来に、多くの人が共感し、また魅了されています。

(「めざまし8」4月27日放送より)

(FNNプライムオンライン4月27日掲載。元記事はこちら

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