進まぬ“無電柱化”実態調査へ 年間7万本「電柱新設」続く


どうにも進まない日本の無電柱化。
電柱が新設され続ける実態について、国が調査に乗り出す。

昔ながらの街並みが残る東京・巣鴨の地蔵通り商店街。

巣鴨の地蔵通り商店街の道路だが、いたるところに道路工事の跡がある。
これは、電線を地中に埋めた跡。

このあと順次、6月から電柱の撤去作業を行っていくという。

今、国が推し進める無電柱化。

昔ながらの風情が残る神楽坂や東京オリンピックの関連施設周辺などで無電柱化が行われてきたが、それでも東京23区の無電柱化は8%にとどまっている。

さらに、年間で無電柱化が電柱換算で1万5,000本相当行われるのに対し、電柱の新たな設置は7万本。

つまり、電柱は今も増え続けている。

国はこうした状況を受け、全国で電柱の新たな設置についての実態調査に乗り出すことを決めた。

設置理由や用途などを把握し、新たな設置を抑制するのが狙い。

そもそも、なぜ無電柱化を促進しているのか。

まず、地震や台風の多い日本の防災対策。

2019年の台風15号の千葉県での被害や、5月1日も静岡県内で起きた突風で電柱が倒れる被害が出た。

さらに、神楽坂のような美しい景観を生かすこと。

そして3日、巣鴨で聞こえてきたのは...

70代「あまり狭いところに、電柱があると邪魔。交通事故を起こしかけたことがあるから。自転車乗ってて。(電柱に)ぶつかりそうになって、こけちゃった」

巣鴨地蔵通り商店街振興組合・松宮秀明理事長「年配は、手押し車を押して歩く方が、電柱があると非常に通りづらく危険。バリアフリーの一環で、電柱がなくなるのはありがたい」

安全で快適な通行の確保やバリアフリー促進もその1つ。

なぜ、無電柱化は進まないのか。
そこには達成を阻む現実があった。

街づくりの中で無電柱化を進めるNPO(民間非営利団体)法人・井上利一さんに話を伺った。

まず1つ目の理由として、コストが高く、たった1km作るのに、5.3億円かかること。

2つ目は、日本人の意識の中には、「電柱があって当たり前」というものが大変根強く、無電柱化する工事に使うなら、福祉に充ててほしいという声も大きい。

3つ目の理由としては、工期が長すぎること。
1計画およそ7年ほどかかるため、対象となる商店街などは、反対の声も強くなる。

4つ目の日本独特の理由は、道幅が狭いため、工事などするうえでも、なかなか難しいのが現実という。

(FNNプライムオンライン5月3日掲載。元記事はこちら

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