突然の“二階はずし”岸田氏の総裁選目玉政策を上書きする狙いか?自民党内「菅&二階はセット」の声も

政治・外交

突然の“二階はずし”の波紋。30日、菅首相は自民党の二階幹事長と会談した際、幹事長の交代を含む党役員人事を刷新する考えであることを伝えた。しかし、二階派幹部からは「あり得ない」などと反発の声が出ており、波乱含みの展開も予想される。「どうなる二階はずし?」政治部・佐藤友紀デスクの解説でお伝えする。

政府関係者「目玉の上書き」

政治部・佐藤友紀デスク:
自民党総裁選をめぐって事態が大きく動いたのは30日の夕方です。二階幹事長が官邸で菅首相と会談した際に、総裁選を前に二階幹事長の交代を含む役員人事を行う考えだと伝えました。これに対して、二階幹事長も理解を示したということですが、このことに関して一夜明けた31日、永田町には大きな波紋が広がっています。


政府関係者はこの狙いを、「目玉の上書きだ!」と指摘します。これはいったいどういうことなのか?それを紐解くカギが今回の発端となった26日の岸田前政調会長の会見での発言です。


岸田前政調会長:
「総裁を除く党役員(の任期)につきましては、1期1年・連続3期までとすることによって、権力の集中と惰性を防いでいきたいと思います」


政治部・佐藤友紀デスク:
総裁選への立候補意思を表明した岸田氏のこの発言ですが、これは歴代最長の5年以上幹事長を務めている二階幹事長を念頭にしたものだと思われています。当然これは二階氏に不満を持つ議員からは歓迎されますが、二階氏の周辺からは疑問や反発の声があがりました。ただ、こうした反発について岸田さんは29日、さらにこう話しました。


岸田前政調会長:
疑問を呈するとということには理解できない


政治部・佐藤友紀デスク:
これはまさに追い打ちをかけるような形の発言ですが、こうした二階氏狙い撃ちにも見える戦略で岸田氏は「党の若返り」とか「刷新」というのを総裁選の争点の目玉としてアピールしたわけなんです。

これに対して菅首相は自分自身で二階幹事長を交代させることで、いわば岸田氏の総裁選での「目玉を上書き」してしまう狙いがあるのではないかと見られています。


菅首相の焦りか

加藤綾子キャスター:
二階幹事長自身も辞めさせられるような見え方になるのだったら自分から行った方がいいと思ったのかな?と思ったのですが?

政治部・佐藤友紀デスク:
内心穏やかではないと思います。目玉の上書きというのはそこまでやるものなのかと思いますが、この背景に菅首相の焦りがあるのではないかと思っています。
というのは、岸田氏の出馬会見で、「あれは良い会見だった」という声が党内で複数出ていまして、予想以上に岸田氏の支持が広がっている可能性があるわけです。そこで菅首相がとったこの「目玉封じ作戦」なんですけれども、自民党内からは意外にこんな声が出ています。


例えば二階派からは二階幹事長の交代について、「そんなことはありえない」「いち早く支持を表明した二階派への裏切りだ」と反発する声が出ているほか、他の派閥の議員からは「二階氏は本当に辞めるのかな?」と、そもそも幹事長交代に懐疑的な声すらあります。


さらに幹事長を交代するにしても後任を誰にするかがとても大きな課題となります。菅首相としては総裁選を有利に戦うために動いているわけですから各派閥の支持が必要なわけです。
まず怒っている二階派をどうやって引きとめるのかもありますし、新しい幹事長人事をめぐって他の大きな派閥に配慮する必要もあるわけです。


自民党内「菅&二階はセット」の声も

加藤綾子キャスター:
どう動くんですかね?先が見えないですね?

政治部・佐藤友紀デスク:
先が見通せない理由として、この”二階はずし”にそもそも狙ったような効果があるのかどうかということがあります。衆院選が近づく中で、自民党内からは「菅首相では戦えない」という声が出ています。今回の総裁選は次の衆議院選の顔を決める戦いですから、自民党の議員は誰が総理総裁なら選挙を戦えるのか強く意識しています。


総理の側近は「政権浮揚には二階氏の交代しか手がない」と指摘してるのですが、自民党内からはこんな声が出ています。例えば二階氏はあくまで+α、「本体の菅首相をどうするかに尽きる」あるいは「菅さんと二階さんはセット」などと「二階氏を代えただけでは自民党のイメージは変わらないんじゃないか」という声も出ているんです。


永田町のパワーゲームに中堅議員「国民に理解されない」

加藤綾子キャスター:
セットで代わらないとこの逆風は収まらないということですか?


政治部・佐藤友紀デスク:
選挙区に戻った議員はそう言う人もいます。加えて最大の課題ですが、こうした一連の動きを国民はどう思うか?どう見えるか?ということです。二階氏の電撃的な交代劇ですが中堅議員の一人は「永田町の悪い癖が出ている。こんなのは国民に理解されない」、つまり永田町のパワーゲームに国民が呆れるんじゃないかと心配しています。


また、新型コロナの感染が拡大する中で、総選挙や総裁選でさえ世論で異論がある中で、役員人事をやることが国民からの理解を得られるのか?これも不透明だといえます。

加藤綾子キャスター:
「見え方」というのはすごく大事だと思いますが、そこだけ気にしているという風に見えてしまうと、国民の気持ちは離れてしまうのかと思いますね。

政治部・佐藤友紀デスク:
良かれと思ってやったことが逆に自民党って逆風になることもあるので、慎重に見極めているものだと思います。

(イット!8月31日放送より)

 

(FNNプライムオンライン8月31日掲載。元記事はこちら

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