菅首相が事実上の“辞意表明” 突然の決断 ウラに小泉環境相


菅首相が総裁選の不出馬を電撃表明した。

これを受け、河野太郎規制改革相が出馬の意向を固めるなど、総裁選レースが一気に本格化している。

菅首相「先ほど開かれました自民党役員会において、私自身、新型コロナ対策に専念をしたい、そういう思いで自民党総裁選挙には出馬をしない、こうしたことを申し上げました。また来週にでも、あらためて記者会見をしたい、このように思います。以上です」

記者の質問には答えず、わずか2分余りで終わった事実上の辞意表明会見。

「自民党総裁選に立候補しない」、この発言が菅首相の口から飛び出したのは、2日午前11時半すぎから行われた自民党の臨時役員会でのこと。

首相は「新型コロナ対策に専念するため総裁選に出馬しない、役員人事もしない」と説明したという。

二階幹事長「まあ~正直びっくりしております。(事前に知っていた?)今朝聞きました(総裁選は日程通りに行うか?)そうですね」

突然の事態に政府・与党には衝撃が走った。

平井デジタル相「そのニュースは私、こちらに歩いてくる途中に聞いたんですが、本当なんですか? それ」

下村政調会長「ギリギリの...驚きました。菅総理がギリギリの判断をされたと思います」

臨時役員会の出席者によると、冒頭に首相から「総裁選にはエネルギーがかかる」、「コロナ対策との両立はできない」という話があったという。

そのうえで、マイクを引き継いだ二階幹事長が、「重い判断なのでここで押し問答しても仕方ない。厳粛に受け止めたい」と述べたところ、異論は出なかったという。

街で菅首相が総裁選に出馬しないことについて話を聞くと、「知らない! マジで!」、「急に辞めますとなったから、何かあったのかな? とは思った」などの声が聞かれた。

突然の不出馬表明の裏に何があったのか、フジテレビ・松山俊行政治部長に聞いた。

フジテレビ・松山政治部長「一報が流れてきた時は『え...』ってやっぱり驚きましたね。党役員人事を行うためにさまざまな折衝を行っていたという背景があるわけですが、支持率の低下ですとか、やはり菅総理では戦えないという声が非常に強くなってきた、厳しくなってきたという認識に至ったんだと思います」

実は今回の決断に至るまでの4日間、連日首相と接触していたのが小泉環境相。

まずは8月30日、続けて翌31日、さらに9月1日、こうして2日までの4日間連続で首相と直接会談。

一体、何を話していたのだろうか。

フジテレビ・松山政治部長「意気投合してずっと一緒にやってきた2人ですから、(人事について)さまざまな意見交換をしたんだと思います。その小泉さんが総理に対して、今回は情勢が厳しいので不出馬ということを考えてはどうですか? ということを言っていたという情報がありますので」

小泉環境相は総裁選が菅首相にとって厳しい状況であることを伝え、総裁選不出馬を含めた判断を求めていたという。

そして、小泉環境相は3日も官邸を訪問。

実は菅首相、数日前から周囲に「国のため、党のためにどうしたらいいのか真剣に悩んでいる」と漏らしていたことがわかった。

麻生財務相と菅首相との間では2日、次のようなやり取りがあったという。

フジテレビ・松山政治部長「非常にその激しい口論は大げんかになったという話があります。河野さんをなんとか取り込めないかどうかというあたりで、麻生さんの反対というのが強かったのではないかと臆測ができます」

突然の不出馬表明を野党は厳しく批判している。

立憲民主党・枝野代表「甚だ怒りを持って受け止めているところではあります。総理も無責任でありますし、自民党全体にもはや政権を運営する資格はない」

社会民主党・福島瑞穂党首「逃げるのは本当にひどいと思います。菅総理はあまりに無責任です。誰が総裁になろうがバツ! というふうに思います」

怒りの声は政府・与党関係者からもあがった。

政府関係者「長すぎる菅の悪あがきだった。本当に独りよがり。辞任の理由までなんでもかんでもコロナのせいにするなって思う」

自民党関係者「自民党史上最悪の辞任劇です」

菅首相とともに首都・東京のコロナ対策にあたってきた小池都知事は、驚きつつも冷静に受け止めていた。

東京都・小池知事「大変驚きました。これからコロナ対策というのは、どなたがリーダーになられても最重要な課題になっていくのではないかと」

東京都では3日、2,539人の感染を確認。

緊急事態宣言の期限が10日後に迫る中、依然として全国の感染状況は深刻。

その一方、政府はワクチン接種の普及を前提に宣言下の地域でも行動緩和を進める案を検討。

接種が進んだ10月から11月の段階で飲食店での酒類の提供や営業時間の制限を緩和するなどの具体策が盛り込まれているという。

では、次のリーダーには誰がなるのか、自民党内では9月29日に投開票を迎える総裁選への動きが一気に加速している。

出馬を表明している岸田文雄前政調会長は「イット!」に生出演し、次のように述べた。

岸田文雄前政調会長「どなたが出てきたとしても私自身は従来通り国民・党員の皆さんにしっかり向き合って発信をし続けることが大事だと思っています」

出馬を模索している高市早苗前総務相は...

高市早苗前総務相「もう私の出馬の意思は変わりません」

さらに、その動向が注目される石破茂元幹事長は生出演した「イット!」で、総裁選への出馬について聞かれると、こう述べた。

石破茂元幹事長「ごめんなさい。こういう言い方で恐縮ですけど白紙です。何も考えないで白紙というのはないんでね」

そして、世論調査で「次の首相にふさわしい人」のトップに浮上するなど、国民的人気が高い河野太郎規制改革相。

8月26日に、オンライン形式で行ったFNNの単独インタビューでは、記者とこんな場面があった。

記者「今回の自民党総裁選には出ないんでしょうか?」

河野太郎規制改革相「あ、なんか電波が途切れたようです(笑)」

記者「聞こえますでしょうか? あの、自民党の総裁選には出ないんでしょうか?」

河野太郎規制改革相「なんか電波の調子が急に悪くなりました(笑)」

出馬をめぐる質問をはぐらかした河野規制改革相。

3日午後2時すぎ、財務省を訪れ、所属する麻生派のトップ、麻生太郎財務相と約30分にわたり面会。

出馬の意向を示した河野規制改革相に対し、麻生財務相は「よく考えて自分で決めろ」と伝えたという。

これを受け、河野規制改革相は出馬の意向を固めた。

河野太郎規制改革相「私自身どうするか、先輩、仲間の議員とじっくり相談し、また関係の皆さんといろいろ相談しながら決めていきたいというふうに思っております」

注目のポスト菅レース。今後どうなっていくのか。

フジテレビ政治部・松山俊行部長「やはり岸田前政調会長が予想以上に強いパフォーマンスを示していると、今の段階では言えると思います。各派閥・各議員の動きが今後どうなっていくのか、まだまだ予測が難しい段階だと思いますね」

自民党総裁選をめぐる最新情勢は...

菅首相の不出馬表明で総裁選の構図が一気に変わったことから、若手や中堅議員を中心とした反菅票の受け皿が流動化していて、各派閥の動きも激しくなっている。

河野太郎規制改革相は早速、派閥トップの麻生副総理と会談した。

関係者によると、河野氏は出馬の意向を固めたという。

一方、石破茂元幹事長の動向にも注目が集まっている。

菅首相の周辺からは「岸田氏以外だ。勝てる候補は石破氏で、衆院選も乗り切れる」と石破氏支持の声が出ている。

また、菅首相支持を表明していた、ある二階派の幹部は「勝てる候補を見極める」と述べていて、二階派が石破氏や野田聖子幹事長代行を推すのではないかとの見方も出ている。

岸田氏は菅首相への対立軸として党改革を打ち出し、勢いを得ていたが、戦略の練り直しを迫られた形。

さらに高市早苗前総務相が出馬の意思は変わらないと表明したほか、茂木敏充外相の動向も注目され、候補者が乱立する混戦模様も予想される。

「イット!」のスタジオではコメンテーターで明治大学教授の齋藤孝さんに話を聞いた。

加藤綾子キャスター「菅首相の突然の不出馬表明には驚きましたが、齋藤さんいかがですか?」

明治大学教授・齋藤孝さん「まあ、続けられるのかなと思っていましたので驚きましたね。辞める理由がコロナ対策というのであれば、責任をもって首相として続ける考え方もあったのかなと思います。1年は短いですね。ただ支持率が低下していたというのは(不出馬の背景として)あると思います」

加藤綾子キャスター「コロナ対策で一丸となってやらなければならないという中、選挙を前に急激に菅首相への反発も強くなっていました。誰だったら(選挙で)自分が有利になるかという争いではなくて、やることをきちんとやってほしいなと思うんですけれど、これから総裁選に向けて動きが活発化していきます」

総裁選への出馬が取り沙汰されるメンバーを見ていく。

【出馬表明】岸田文雄前政調会長
【出馬意向】高市早苗前総務相
【出馬固める】河野太郎規制改革相

そのほか、石破茂元幹事長、野田聖子幹事長代行、茂木敏充外相、下村博文政調会長の名前も挙がっている。

加藤綾子キャスター「齋藤さん、次の首相にはどんなことを期待しますか?」

明治大学教授・齋藤孝さん「まずは国民の生活を守るという人ですね。コロナでものすごく所得が減ってしまった人がいるんですね。そういう人たちも救済できる、そういうスピード感のある、リーダーシップのある人を望みますね」

自民党総裁選は9月17日に告示、29日投開票となる。

(FNNプライムオンライン9月3日掲載。元記事はこちら

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