在宅診療チームにクラウドファンディング 資金調達に妙手


感染拡大で在宅診療を行うクリニックが、とある仕組みで診療チームの運用に乗り出す。

医師が駆けつけた、ひとり暮らしの50代の男性宅。

10日前に発症し、入院できない状況が続く中、8月に立ち上がったばかりの在宅患者の専門チームが対応する。

医療法人社団悠翔会・佐々木淳理事長「息苦しいですよね、動くと息切れちゃいますよね。酸素濃縮器っていうのを持ってきました」

在宅診療を受ける男性「先が見えないというか。ずっと熱が下がらなかったので。起きていられないというか。(往診にきてもらえるのは安心ですか?)いやほんとに安心です」

医師の人件費確保などで厳しい経営状況が続く中、活用することにしたのが、「クラウドファンディング」と呼ばれるネットを通じた一般の人からの支援。

医療法人社団悠翔会・佐々木理事長「実はコロナとの戦いは社会の総力戦だと思います」

このニュースについては、市場の分析や企業経営にくわしい経済アナリストの馬渕磨理子さんにお話を伺う。

内田嶺衣奈キャスター「在宅診療の運営コストをクラウドファンディングでというこの試み、馬渕さんはどうご覧になっていますか?」

経済アナリスト・馬渕さん「今回、悠翔会は保健所の依頼の増加にともなって、もともと運営している通常の在宅医療とコロナ往診の両立が難しくなった背景があります。私自身、在宅医療の医療法人を経てクラウドファンディングのベンチャー企業で働いている経験がありますので、両方の分野を理解している立場として、医療とクラウドファンディングの組み合わせは、今、最も必要な仕組みだと思っています。特に新型コロナウイルス感染症の影響を受けた医療現場の支援には非常に共感が集まりやすいです。数字面で見ても、今回のプロジェクトを手がけているレディーフォーで実施された医療系の支援総額は、前年比でおよそ8倍になっています」

内田キャスター「さまざまな支援の形が今あると思いますが、なぜクラウドファンディングが選ばれているんでしょうか?」

経済アナリスト・馬渕さん「行政の手がなかなか行き届かない中で、市民みんなで少しずつ力を集める。これが今の逼迫(ひっぱく)した医療に必要な形の1つだと思っています。また、現場の在宅医療の医師にヒアリングさせていただいた際に、行政の要請で在宅医療を頼まれ、いざ現場に携われば自分たちのリソースだけでは足りない現状がある。また、コロナ対応をしている間は自分のクリニックを閉めて従事していることもあるので、持続可能なモデルではないというお話も聞いています。今回のコロナで在宅医療の必要性があらためて浮き彫りになっています。ぜひ多くの支援が集まってほしいですし、今回のようなクラウドファンディングによる医療をサポートする仕組みが、今後、広まってほしいと思います」

内田キャスター「今回のクラウドファンディングでは、すでに1,000万円を超える寄付が集まっています。この数字というのは、医療従事者の皆さんの活動を少しでも支援したいという思いの表れだと思います。こういった取り組みがますます広がることを願います」

(FNNプライムオンライン9月4日掲載。元記事はこちら

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