約18人に1人に「モデルナアーム」の症状…そのうち女性が83%となぜ多い? 調査した自衛隊中央病院に聞いた

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約18人に1人に「モデルナアーム」の症状

モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンを接種したあと、腕の接種部位が赤くなったり、かゆみが出たりする「モデルナアーム」と呼ばれる症状が報告されている。

この「モデルナアーム」について、東京・大手町の大規模接種センターでモデルナのワクチン接種を進めている自衛隊中央病院が大規模な調査を実施し、その結果、約18人に1人に「モデルナアーム」と呼ばれる症状が見られたと7月28日に公表した。

調査結果によると、2021年7月1日~7日までに大規模接種センターでワクチンを接種した4万2017人について分析した結果、接種から4日目以降に「モデルナアーム」に該当する症状を示した人は、全体の5.6%に当たる2369人

約18人に1人に「モデルナアーム」に該当する症状が見られたことが分かった。

「モデルナアーム」に該当する症状を示した2369人の年齢の中央値は69歳
男女別では、男性が419人(17%)、女性は1950人(83%)で女性に多く見られた。

1回目の接種から「モデルナアーム」の症状が出るまでの期間は4日~21日で、中央値は7日だった。また、「モデルナアーム」の症状が出てから消えるまでの期間は1日~34日で、中央値は5日だった。

症状発症日および症状消失日の分布(提供:自衛隊中央病院)
症状発症日および症状消失日の分布(提供:自衛隊中央病院)

「モデルナアーム」は男性よりも女性の方が出やすいと言われていたが、今回の調査でもそれが示された。これはどのような理由が考えられるのか?

また、今回の調査結果をどのように受け止めればよいのか?


自衛隊中央病院の今井一男医師、河野修一医師に話を聞いた。

調査の目的は「安全かつ安心に接種していただくこと」

――このような調査および解析を行った理由は?

国内における医薬品承認後速やかにモデルナ社のワクチンの接種を開始した、東京・大手町の大規模接種センターでは、1日に1万人の方に来場していただき、ワクチンを接種しています。

職域接種が始まる7月のタイミングで、来場される方々や、接種に関わる医療従事者等にモデルナワクチンの副反応について情報提供することで、安全かつ安心に接種していただくことを目的として、この調査、解析を行いました。

――今回の調査の対象は?

今回の調査では、モデルナアームの発生状況について、1回目接種後の状況について調べています。2回目の接種に来られた際に、1回目の後のモデルナアームの状況について、聞き取り調査を行ったものです。

――調査対象の4万2017人、年齢は?

対象者は18歳から91歳です。

なお、大規模接種センターでは当初、65歳以上にワクチン接種を実施していたため、年齢は比較的、高齢者に分布しており、中央値は69歳です。

女性の方が男性より免疫反応が強いと言われている

――「モデルナアーム」と呼ばれる症状は、男性よりも女性に出る割合が多いことが今回の調査でも示されている。この理由としてはどのようなことが考えられる?

これに関して、はっきりは分かりませんが、一般的には女性の方が男性に比較して、免疫反応が強いと言われており、そのことが理由として考えられると思います。

実際に、膠原病や甲状腺疾患など、免疫反応により引き起こされる病気も、女性の方が多い傾向があります。

――「モデルナアーム」と呼ばれる症状が出る人と出ない人がいる。この理由としてはどのようなことが考えられる?

モデルナアームも遅発性の免疫反応と考えられていますので、先ほど説明したように、個人の免疫反応の差がその理由として考えられると思います。

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2回目の接種に影響を及ぼすことはなく、ほとんどが良くなる

――「モデルナアーム」の症状が出て、痛みやかゆみがある場合、どのように対処すればよい?

基本的には特別な処置は不要ですが、痛みやかゆみが強い場合については市販の解熱鎮痛剤やかゆみ止めなどを使用していただいて大丈夫です。

「モデルナアーム」の症状自体は、出現してから1週間程度でほとんどのケースで改善します。
症状の出現から1週間以上たっても、よくならない場合については、かかりつけなどの病院を受診してもらうなどの対応が必要になるかもしれません。

――解熱鎮痛剤を使用すると、痛みやかゆみが緩和される?

緩和されると思います。
ただ、症状の出ていないうちから、予防的に使用されることについては推奨されていません。

症状がないにもかかわらず薬剤を服薬されると、症状の緩和という一番のメリットが得られず、場合によっては薬剤の有害事象(副作用)だけが出る可能性もありますし、正常の免疫反応に影響を及ぼす可能性もあります。

――約18人に1人に「モデルナアーム」と呼ばれる症状が見られたという今回の調査結果、どのように受け止めればよい?

欧米の報告に比べるとかなり多いのですが、これが日本人を含むアジア人に特徴的な結果であるのか、それとも海外では同様に認められているものの、より程度のひどいものだけをカウントしているのかは分かりません。

いずれにしても一定の頻度で認められるものですが、(1週間程度でほとんどのケースで改善するため)2回目の接種には基本的には影響を及ぼすことなく、ほとんどが良くなることを知っていただければ、安心していただけるのではないかと思います。

自衛隊中央病院の調査では、約18人に1人に症状が見られた「モデルナアーム」。

今回は1回目の接種後の状況を調査したものだが、「2回目の接種に影響を及ぼすことはなく、ほとんどが良くなる」ということなので、心配し過ぎず、ワクチン接種に臨んでもらいたい。

(FNNプライムオンライン9月7日掲載。元記事はこちら

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