コロナ禍で5億円以上の応援購入額を記録した「マクアケ」の商品。逆境をチャンスに変えるヒントとは?

経済・ビジネス

応援プロジェクトは約4,500

感染拡大の危機をチャンスに変える、イノベーションのヒントに迫った。

応援購入サイト「マクアケ」が開催した「Makuake Award2021」。


5度から95度までの温度設定が可能で、誰でも簡単に水温調理ができる家庭用低温調理器や...。


マグネット式なのでレイアウトは自由自在。
ただの壁が猫の遊び場へと変化するLIXILの猫壁(にゃんぺき)など、直近1年間で実施された応援プロジェクトは約4,500。


大賞は「カスタマイズポータブル電源」

その中から大賞に選ばれたのは、用途に合わせて容量を変えられるカスタマイズポータブル電源。


キャンプなどのアウトドア需要の増加や災害への防災意識が高くなったことを理由に、5億円以上の応援購入額を記録した。


一方、コロナ禍による逆境をチャンスに変える、イノベーションのヒントが詰まった商品も。

Makuake・坊垣佳奈取締役:
toBで展開してきた企業が、toC、いわゆるコンシューマ(消費者)向けに初めて商品展開したり、それぞれの企業の思いが反映されたプロダクトやサービスがたくさんありました。


業務用掃除機などのブラシ部分を手掛ける「コーワ」が初めて開発したほうき。


ブラシの性能を5つに分けるなど、これまで業務用で培ったノウハウを生かし家庭用として在宅時間のニーズに対応する。


コーワ・服部直希社長:
BtoCとして一般の方に認知してもらった。それ以上に大きいのは、(大手企業から)こういったほうきが作れる会社だったらこれもできるだろうと。私どもが今まで挑戦したことのない環境の掃除の話だったり、商品を通して次の可能性を私どもに投げかけてもらった。


また、こちらはデニム生地の名門「カイハラ」が初めて手掛けるストレッチ性を追求した自社ブランドのデニム。


10年の歳月をかけ生地を開発したものの、新型コロナウイルスの影響でブランドに商品を卸すことが困難に。
そこで今回、「マクアケ」を通じ、商品を販売することにした。


カイハラ営業本部・稲垣博章本部長:
新しく開発したものをテスト的に一般消費者の声を自分たちでダイレクトに聞いていきたい。マクアケのプロジェクトのページから、初めてカイハラを知ったお客さん、そういう支援者が増えた。


Makuake・坊垣取締役:
業態や消費者ゾーンを変えたり、思い切ったチャレンジが増えたように感じます。
(マクアケは)受注生産に近い形で先に消費者の反応を得て、その分だけ作って商品化していく仕組みになっているので、かなりリスクを排除した状態でチャレンジできるというところが非常に喜んでもらえるし、相性のいいポイントだと思う。


「消費者とのつながり」で認知度アップ

佐久間みなみキャスター:
マーケティングや消費者行動などを研究している、一橋大学ビジネススクール准教授の鈴木智子さんに聞きます。
今回の試み、マーケティングの視点からはどうご覧になりましたか?

一橋大学ビジネススクール准教授・鈴木智子さん:
クラウドファンディングというとお金を集めることといった印象を持つ方が多いですが、そこに参加するイノベーターにとって最も大切なのは、人の思いを集めることです。

マクアケのような消費者と直接つながることができるプラットフォームを利用すると消費者の口コミで商品の良さが広がったり、利用経験を増やすことができます。

さらには消費者の「あったらいいな」を形にする新製品の開発に活かすなど、マーケティング機能としても活用することができます。


佐久間キャスター:
私たち消費者にとっても良いものを作る力のある企業と出会う機会になっていますよね。

鈴木智子さん:
日本の素材や部品を供給するメーカーはブランディングが欧米に比べると残念ながら弱いです。
例えば、カメラのレンズがライカ製だったり、パソコンでおなじみの「インテル入ってる」などはいい買い物をするための目印になっています。

佐久間キャスター:
良い買い物をするための目印とはどういうことですか?

鈴木智子さん:
ある素材や部品が使われていることによって品質の高さを表す目印になると、消費者は買い物で失敗するリスクを抑えることができます。

カイハラの場合、国内ジーンズの2本に1本はカイハラのデニム生地が使われているのですが、一般的な知名度の広がりが課題になっています。

マクアケを通して直接消費者とつながることで、消費者のブランド認知が向上することも期待できます。

佐久間キャスター:
これまで縁の下の力持ちだった素材や部品メーカーが広く知られるきっかけになるといいですよね。

鈴木智子さん:
日本のもの作りの品質は高いので、ブランド力も高まることで日本のもの作りの価値が再認識されてほしいです。

マクアケは海外展開にも力を入れているので、グローバルレベルで消費者と繋がってブランド力を高めることも可能になるのではないでしょうか。

佐久間キャスター:
ブランドとは企業の信用そのものだと思います。
製造者の背景や物語を知ることで、消費者にとってはこれまでより安心して買い物をすることができるのではないでしょうか。

(「Live News α」9月13日放送分)

(FNNプライムオンライン9月14日掲載。元記事はこちら

https://www.fnn.jp/

[© Fuji News Network, Inc. All rights reserved.]

FNNニュース