廃車ガラスから食器を... 職人が生む循環の形


東京・銀座にある、生活雑貨などを取り扱う「サロン アダム エ ロペ」。

お店には、薄い口元と鮮やかな緑色で彩られた特徴的なガラス食器が置かれている。

実はこの商品、ある物をリサイクルして作られていた。

北海道・小樽市にある「深川硝子工芸」。

創業は1906年。
長い歴史を持つガラス製品の工場。

吹きガラス職人や切り子職人など、およそ20人の職人が匠の技を生かした商品を製造している。

その匠の技をさらに生かすため、2021年度から新たな取り組みを始めた。

それは...。

深川硝子工芸・出口健太代表取締役「自動車をリサイクルしていく中で、どうしても窓ガラスがリサイクル率が悪い。僕らは得意とするガラス食器作りに生かせないかと」

廃車の窓ガラスを食器にリサイクルする、小樽再生ガラス。

リサイクル企業「マテック」からの依頼で始まった今回の取り組み。

毎月およそ2,000台が廃車されており、部品の多くは金属類の資源へ、リサイクルされる。

一方で、窓ガラスは素材の汎用(はんよう)性が低いため、そのほとんどが埋め立てに回されていて、処理方法が課題となっていた。

深川硝子工芸・出口代表取締役「いろんな集めてきた窓ガラスを、再度溶かすこと自体が非常に難しくて、僕らぐらいの中規模な工場だからこそできる、すてきなガラスにしたいという職人の思いがある」

車の窓ガラスを溶かして生まれる独特な風合いを持つ色味と、手作りならではの温かみある外装で、実用性と意匠性を擁立させた「小樽再生ガラス」。

販売する店舗では。

JUN ブランドイノベーション事業本部・飛田真一さん「家で過ごす時間が増える中で、商品自体に愛着を持てるようなものを探している人は増えている」

客「すごくかわいい。使いやすそうな感じがあって、オシャレだし。リサイクルに今、興味があるのでそういう環境に優しいのであれば、どんどん使っていきたい」

代表の出口さんは、こうした再生ガラス事業は、職人の雇用と未来を守ることにもつながると期待している。

深川硝子工芸・出口代表取締役「こういう製品を、どんどん僕ら職人が生み出していって、1つ、伝統技術を守る面もあるし、職人の雇用を守りつつ新たに作ることも大事になる。実はガラスっていろんなところに使われていて、すごい数のガラスの埋め立てが、これから出てくる可能性はなくはない。これをもう一度何かにできないかという相談はいろんなところでできると思う」

(FNNプライムオンライン9月24日掲載。元記事はこちら

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