目指すは低価格・安定供給 水素を「運ぶ」脱炭素社会への挑戦

経済・ビジネス


「αism」。

脱炭素社会の未来を運ぶ船とは。

大海原をゆっくりと進む一隻の船。
一見普通の船に見えるが、内部に巨大なタンクを搭載。

世界初、はるか9,000キロ離れた場所で作られた、あるクリーンエネルギーを運ぶための船。

9月、三重県の鈴鹿サーキットで3度目のレース参戦を果たしたのは、トヨタ自動車が手掛ける水素エンジン車。

これまでのレースで、水素を「使う」。

そしてクリーンな地熱発電を利用して水素を「作る」など、脱炭素社会の選択肢の1つとされる水素の可能性を示してきたが、今回は...。

トヨタ自動車・豊田章男社長「今回、鈴鹿での第3戦においては、“運ぶ”。オーストラリアの褐炭から作り上げた水素をこの日本まで運んでくる」

水素を運ぶ。
オーストラリアで採掘した、水分が多く低品質な石炭「褐炭」を活用して、現地で水素を生成。

それをマイナス253度に冷やして液化し、体積を800分の1に減らして日本に運ぶという。

褐炭は一般的な石炭に比べてコストが10分の1以下。

オーストラリアには、日本の総発電量の240年分に相当する褐炭があるとされ、運搬コストを差し引いても、低価格で安定的に水素を調達できるという。

川崎重工業などが建造した世界初の液化水素運搬船「水素フロンティア」。

この船で1回に75トン、燃料電池車1万5,000台分もの液体水素を運ぶことができるという。

兵庫・神戸市にはすでにこの船が着岸し、液体水素を受け渡しするためのターミナルも完成していて、2021年度中に実証実験が始まる。

今回、鈴鹿のレースで走った車の燃料の一部は、オーストラリアから空輸してきた水素を使用。

川崎重工では将来の商用化に向けて、タンクの容量を128倍にした大型船の開発も計画しているなど、脱炭素社会の実現に向けた動きは着実に進んでいる。

川崎重工業・西村元彦氏「将来、エネルギーの2割ぐらいが水素になると言われています。こういった技術が実用化すると、将来、水素が今の天然ガスのように身の回りで手軽に使えるようになって、かつカーボンニュートラルに貢献できると考えています」

すくって、運んで、使う。
未来を担うクリーンエネルギー、水素の可能性はさらに広がっている。

(FNNプライムオンライン10月6日掲載。元記事はこちら

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