自民党の“勝因”を解説「最後のテコ入れで組織がフル回転」 維新の躍進で与野党バランスに変化は?

政治・外交

総選挙の結果がすべて確定したことを受けて、岸田文雄首相が11月1日午後2時ごろ、会見を行った。

岸田文雄首相:
この国の未来を作り上げていってほしいという民意が示されたことを大変ありがたく、また、身が引き締まる思いで受け止めております。今後はスピード感を政策実行の面で発揮していきます。


岸田首相は、新型コロナウイルス対応の全体像を11月前半までに示すとしたほか、11月中旬までに大型の経済対策を策定し、早期に補正予算を成立させる方針を示した。

自民は議席減も「絶対安全多数」 ギリギリで巻き返しに成功?

今回の衆院選で自民党は261議席と15議席減らしたが、過半数に達して絶対安定多数を確保した。公明党と合わせると293議席。一方、最大野党・立憲民主党は96議席。14議席減らす厳しい結果だった。


加藤綾子キャスター:
開票前に自民党は単独過半数も危ういという予測もあったんですが、自民党の勝因はどんなところですか?

フジテレビ政治部長 松山俊之:
当初、野党が統一候補を立ててきた選挙区が多かったことで、野党共闘との一騎打ちになるという構図でかなり危機感があり、実際に接戦になっていた選挙区が50ぐらいありました。
事前の情勢調査ではかなり自民党が苦しいのではないかと伝えられましたが、そうした中で最後のテコ入れで組織がフル回転で動いたり、候補者を完全にバックアップする態勢を最後の最後で整えてきて、ギリギリで競り勝った選挙区が個別の選挙区で数多くあった。それが底力となって、自民党のトータルとしての数が増えたということだと思います。


相次ぐ“大物議員”の敗北…比例復活の幹事長は自民党初

そんな中、今回の選挙は与野党ともに“大物議員”と言われる人が敗北した。

自民党では甘利明幹事長(72)が小選挙区で敗北。幹事長辞任の意向を示した。また、石原伸晃元幹事長(64)は比例復活もならず落選した。一方、野党でも自民党の幹事長や民主党の代表などを務めた立憲民主党・小沢一郎氏(79)が小選挙区で敗北。そして、辻元清美副代表(61)は落選した。


加藤綾子キャスター:
大物議員でも苦しい結果となったわけなんですが、甘利さんは幹事長という立場だと、比例で復活当選したとしても幹事長職を続けるのは難しいんですか?

フジテレビ政治部長 松山俊之:
比例復活した幹事長というのは、今まで自民党にはいなかった。やはり選挙区で勝ち上がることによって初めて、各候補に公認権を行使できるという考えが根強くあるんだと思います。そういった意味では、大黒柱である幹事長が辞意を表明したということは、岸田政権にとって非常に大きなダメージになる可能性があります。

ただ一方で、2022年に参議院選挙が控えています。これまで政治とカネの問題で、甘利さんに対するイメージが良くなかった面で票を減らしていた部分もあったので、次の選挙へ向けてフレッシュな人材を幹事長に起用することで、新たなステージに行くことができると前向きに捉えている議員もいるようです。


加藤綾子キャスター:
岸田首相は会見で、幹事長人事に関して「よく話し合って、できるだけ早いうちに対応を決定したい」と述べたんですが、この「できるだけ早く」にはどのような意味があるんでしょうか。

フジテレビ政治部長 松山俊之:
実は岸田首相、11月2日にはイギリスで開かれているCOP26、国際会議に出席するために出発します。それまでにできれば党の幹部人事を決めてしまいたい、後継の幹事長を決めてしまいたいという意向があると思われます。


岸田首相は会見後、甘利幹事長の後任に茂木敏充外相を充てる人事を内定した。

加藤綾子キャスター:
先ほどもありましたが、今回の選挙では大物と呼ばれているベテラン議員が苦しい結果となりました。これは何故なんですか。

フジテレビ政治部長 松山俊之:
ひとつは、世代交代という大きなうねりが今回の選挙である程度示されたということだと思います。小沢一郎さんはかなりの重鎮ですけれども、それでも若手・中堅の候補が相手になると苦戦するという状況になったということですね。
また辻元さんについては、大阪周辺では日本維新の会がものすごい追い風を持って席巻しているという事情がありましたので、その風に巻き込まれて追いやられてしまったという構図だと思います。


ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
私も実際は、政権交代というより世代交代の選挙だったのかなという印象がどうしても拭えないんですよね。小沢さんも長いですからね。甘利さんも落選したことはあったにしても、やっぱり長いですから。有権者から見ると、ここにきて新しい流れ、これまでにないものを期待したい、という空気感が背景にあったような気がします。

日本維新の会、第三党に 躍進で国会は?

そして、今回の衆院選で驚きの声も上がったのが日本維新の会。41議席と30議席も伸ばした。特に大阪府では、候補者を擁立した15の選挙区すべてで当選を果たすなど、大躍進を遂げた。


加藤綾子キャスター:
維新の大躍進なんですが、維新の会の存在感が増すと今後、国会ではどんなことが起こると思いますか。

フジテレビ政治部長 松山俊之:
維新の議席が41議席ということで、自民党が与党を組んでいる公明党の数よりも増えたわけです。そうなってくると、どちらかというと与党寄りの政策が多いといわれていた維新が、これから政権に対して改革を中心とした注文をつけてくる可能性があるということ。今まで自公だけで進めていた政策に、維新の色というのが色濃く出てくる可能性があると思います。

加藤綾子キャスター:
政治の活性化という意味では、いい流れと言えませんか?

ジャーナリスト 柳澤秀夫氏:
選択肢が増えるということで、有権者の立場からするといいことだと思うんですよね。維新は自民党の補完勢力という言い方をされますけど、実際のところは自民党とは一線を画して、飲み込まれたくないという思いが強いようですから。
そういう意味で言うと政策面で協力することはあったとしても、改革を求めるんだっていう部分が、今回は有権者の期待に応えて躍進した背景にもなっているような気がするんですよね。

(「イット!」11月1日放送分より)

(FNNプライムオンライン11月1日掲載。元記事はこちら

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