面積が半減した海水浴場、12年ぶりの海開き…見守り続けるサーファーの思い【福島発】

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12年ぶりに海開きが行われた、福島県楢葉町の海水浴場。そこには東日本大震災と福島第一原発事故後、海にかつてのにぎわいが戻るよう願ってきた人々の姿があった。
彼らの新しいスタートを切る、2022年の夏が始まった。

震災で面積が半分に…甚大な被害を受けた岩沢海水浴場

12年ぶりに海開きが行われた岩沢海水浴場(福島・楢葉町)
12年ぶりに海開きが行われた岩沢海水浴場(福島・楢葉町)

楢葉町の岩沢海水浴場は、入り組んだ地形から生まれる波が人気のサーフスポットだ。

水浴場を守ってきた吉田健太郎さん
水浴場を守ってきた吉田健太郎さん

吉田健太郎さん:
もう体の一部みたいなものですね。波が良いんですよね。波が良いのと、ロケーションが良い

吉田健太郎さん(36)は、15歳の時にこの海でサーフィンと出会い、技術を磨いてきた。

吉田健太郎さん:
当時は岩盤が落ちてきたりとか、いろいろ無残な姿でしたね。ショックでした

大きな被害を受けた岩沢海水浴場
大きな被害を受けた岩沢海水浴場

あの日、この場所を襲った津波。海水浴場は、監視塔などの施設が甚大な被害を受けたほか、地震による地盤沈下で浜の面積は半分に減少した。


楢葉町は、原発事故による全町避難のあと、2015年に避難指示が解除された。インフラの整備などが進められたあとに、海水浴場の復旧作業が始まった。

そして2022年。海水の安全性が確認され、春には復旧工事が完了したことから、岩沢海水浴場で12年ぶりの海開きが決まった。


海に入ることができなかった間も、吉田さんは、海水浴場を守るため、サーフィン仲間とともに浜の清掃などを続けてきた。

吉田健太郎さん:
今、風評被害とかで福島を毛嫌う方が多いんですけど、福島は安全だっていうのをアピールして、ぜひいろんな方に来ていただいたらいいと思います

海水浴場に響く歓声…「震災前に戻ったような光景見られて幸せ」


2022年7月16日、海開きが行われた。

地元の児童が12年ぶりの海開きをお祝い
地元の児童が12年ぶりの海開きをお祝い

地元・楢葉小学校の児童:
最後の海開きとなった2010年の夏。その時、楢葉町に生まれた僕たちや、2011年、あの震災があった年に生まれた僕たちが楢葉町の海開きをお祝いできることは、とてもすてきなことだと思います。だからきょうは、僕たちにとっても記念日です

砂浜に響いた、子どもたちの歓声。ふるさとの海を満喫した。

遊びに来た子ども:
気持ちいい! ヤドカリ見つけた! あとで皆とバレーボールとか海でやりたいと思う


遊びに来た子ども:
ずっと海開きされてなかったから、自分たちが一日目に楽しめて、楽しむこともうれしいけど、一番最初に入らせてくれて、うれしいことだと思います


東日本大震災前には、約3万人が訪れていた海水浴場。海の日は家族連れや、福島県の内外からサーファーが訪れた。


埼玉県から訪れた人:
久しぶりに子どもたちの声を聞いて、前を思い出しましたね。もっともっと来てほしいですよね、いろんな人に。良い場所なのでぜひ


吉田健太郎さん:
うれしいですね。震災前に戻ったような光景が見られて幸せです。すごくウキウキするっていうか、顔見知りの人も多いので、ずっと海に入っていられるような、すごく気持ちいい感じにさせられますね。
まだスタートしたばかりなので、長い目で見て、さらに盛り上げていきたいですね。みんなで楽しい海水浴、夏をエンジョイしてほしいですね

再び岩沢海水浴場に戻ってきた、にぎわい。吉田さんは、これからも大切なこの場所を守り続ける。

(福島テレビ)

(FNNプライムオンライン8月14日掲載。元記事はこちら

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