豆記者との再会で勉強のお話も 両陛下25年ぶりの沖縄で多くの県民と交流「印象深い訪問でした」

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天皇皇后両陛下は、10月22日から2日間、国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭を併せた「美ら島(ちゅらしま)おきなわ文化祭2022」に出席するため沖縄県を訪問されました。
お2人揃ってのご訪問は25年ぶりです。

両陛下 沖縄訪問への強いお気持ちとは

最初に向かわれたのは、糸満市の平和祈念公園。国立沖縄戦没者墓苑には沖縄戦で犠牲となった18万人以上の遺骨が納められています。

今回のご訪問には、本土復帰50周年の節目を迎えた今年、ぜひ訪問し、沖縄のたどった苦難の道のりを見つめ直したいという、両陛下の強いお気持ちがあったといいます。

国立沖縄戦没者墓苑に供花される両陛下(沖縄・糸満市)
国立沖縄戦没者墓苑に供花される両陛下(沖縄・糸満市)

30度近い暑さの中、両陛下は白いカサブランカなどの花を手向け、深くご拝礼。
沖縄戦で犠牲となった人々に祈りを捧げられました。

遺族らに声を掛けられる両陛下
遺族らに声を掛けられる両陛下

両陛下はこのあと、20人の遺族らに歩み寄り、「お体を大切になさってください」などと一人一人に声をかけられました。

沖縄県遺族連合会顧問 照屋苗子さん
沖縄県遺族連合会顧問 照屋苗子さん

両陛下に声を掛けられた照屋苗子さん:
上皇ご夫妻のお心を引き継いでいらっしゃるんだなというふうに私は感じました。
そして、私たち遺族に対しても、深いお心を寄せていらっしゃるんだなと思いました。

上皇ご夫妻から受け継いだ沖縄への思い

昭和50(1975)年から退位するまで、沖縄を11回訪問し、戦没者の慰霊を続けられた上皇ご夫妻。両陛下の沖縄に対する思いは、上皇ご夫妻から受け継がれたものでした。

昭和50(1975)年7月ひめゆりの塔に供花される上皇ご夫妻
昭和50(1975)年7月ひめゆりの塔に供花される上皇ご夫妻

平成30(2018)年1月 国立沖縄戦没者墓苑で遺族らと懇談される上皇ご夫妻
平成30(2018)年1月 国立沖縄戦没者墓苑で遺族らと懇談される上皇ご夫妻

陛下は昭和62(1987)年、初めて沖縄を訪問した際、沖縄戦を経験した人たちから聞いた「ぬちどぅたから」(命こそ宝)という言葉を使い、感想を寄せられました。

昭和62(1987)年9月 ひめゆりの塔に供花される陛下
昭和62(1987)年9月 ひめゆりの塔に供花される陛下

この言葉は、2022年5月の「沖縄復帰50周年記念式典」でも…

《陛下おことば》
大戦で多くの尊い命が失われた沖縄において、人々は「ぬちどぅたから」(命こそ宝)の思いを深められたと伺っていますが、その後も苦難の道を歩んできた沖縄の人々の歴史に思いを致しつつ、この式典に臨むことに深い感慨を覚えます。

5月「沖縄復帰50周年記念式典」でおことばを述べられる陛下
5月「沖縄復帰50周年記念式典」でおことばを述べられる陛下

両陛下は長年にわたり、沖縄に心を寄せ続けて来られたのです。

両陛下は平和の礎や沖縄平和祈念資料館もご覧に

戦没者墓苑と同じ、平和祈念公園内にある「平和の((いしじ)」。石碑には、亡くなった24万人あまりの名前が刻まれており、両陛下は説明に耳を傾けながら犠牲となった人々の名前を見つめられていました。

平和の礎
平和の礎

沖縄県平和祈念資料館、ここには沖縄戦を体験した人々の証言などが展示されています。
両陛下は、子どもを亡くした母親の手記をじっとご覧になり「痛ましい内容ですね」と感想を述べられました。

沖縄県平和祈念資料館に展示されている住民の証言
沖縄県平和祈念資料館に展示されている住民の証言

両陛下 豆記者たちと再会

この日の夕方、宿舎で両陛下を出迎えたのは、6年前に会われた「豆記者」たちでした。
上皇さまが始められた「豆記者」とのご懇談。昭和43(1968)年には、当時8歳の陛下が参加し、沖縄の踊りなどをご覧になりました。

昭和43(1978)年8月 豆記者と交流される8歳の陛下
昭和43(1978)年8月 豆記者と交流される8歳の陛下

ご交流は皇太子時代のご一家に引き継がれ、平成28(2016)年には、中学3年生の愛子さまが同じ世代の豆記者と懇談されています。このあと両陛下も、一緒にバレーボールを楽しまれたということです。

平成28(2016)年8月 東宮御所で豆記者と交流されるご一家
平成28(2016)年8月 東宮御所で豆記者と交流されるご一家

今回、両陛下を出迎えたのは、この時の豆記者たちでした。

宿泊先のロビーで両陛下を出迎えた豆記者たち(沖縄・宜野湾市)
宿泊先のロビーで両陛下を出迎えた豆記者たち(沖縄・宜野湾市)

比嘉 珠佑さん:
私は、音楽を勉強したいと思っているという話をして、あと、「バレーボール楽しかったですね」と声をかけていただきました。

入嶽西 義士さん:
「将来はどんなことをしたいですか」と聞かれ、高校で数学の教員をしたいと答えました。陛下から「高校の数学は難しいよね。微分積分とかもあるからね」というお話もありました。

両陛下はこの日の夜、訪問初日を振り返り、側近を通じて次のように感想を寄せられました。

《両陛下ご感想より》
静かに燃える『平和の火』の前に立ち、青く広がる太平洋を望みながら、沖縄戦の悲惨さや私たちが現在、享受している平和のありがたさを思い、改めて平和の大切さを心に刻みました。

平和祈念公園の平和の火
平和祈念公園の平和の火

両陛下 「美ら島おきなわ文化祭2022」開会式へ

翌23日、両陛下は宜野湾市で開催された「美ら島おきなわ文化祭2022」の開会式に臨まれました。
陛下は、沖縄の伝統的な織物であるミンサー織りのネクタイをつけられていました。

《陛下おことばより》
県内各地域で、それぞれの特色を()かしながら、障害のある方もない方も、共に楽しみ、感動を分かち合えるような催しが実施されると聞いています。

このような取組を通じて、地域や世代を超えた交流の輪が広がるとともに、広く国民の間に沖縄に対する理解が一層深まる大会となるよう期待しています。

おことばを述べられる陛下 ネクタイはミンサー織り
おことばを述べられる陛下 ネクタイはミンサー織り

開会式のあと、披露された沖縄の歴史を演奏や踊りで表現するパフォーマンス。
両陛下は「とても心に残りました」と話されたということです。

「美ら島おきなわ文化祭2022」オープニングフェスティバル
「美ら島おきなわ文化祭2022」オープニングフェスティバル

両陛下 三線の演奏ご見学、障害者のワークショップへ

沖縄の「かりゆし」に着替えられた両陛下は、市内の体育館で、11月の発表に向けた伝統楽器の三線の練習を見学されました。
小学生から高校生までの20人による沖縄民謡の歌と演奏に耳を傾けられた両陛下。


三線の練習をご覧になる両陛下(沖縄・宜野湾市)
三線の練習をご覧になる両陛下(沖縄・宜野湾市)

練習後の懇談では、「何歳から三線を始めたのですか」「そのきっかけは」などと質問されていました。

金城 健さん:
この三線を褒めていただきました。蛇の皮を使っているとか、ご立派ですねという言葉をいただきました。

宮良 美紅さん:
「(両陛下が)声がきれいだねと褒めてくださったのがすごく印象的で嬉しかったです。」

練習後に子供たちと懇談される両陛下
練習後に子供たちと懇談される両陛下

両陛下は最後に、豊見城市で障がいのある人とない人が協力して、壁画を作成するワークショップをご覧になりました。

壁画を作るワークショップをご覧に(沖縄・豊見城市)
壁画を作るワークショップをご覧に(沖縄・豊見城市)

陛下は、ジンベイザメを描いている人に「海は好きですか」とご質問。
皇后さまは、女の子に「出来上がりが楽しみですね」などと声を掛けていらっしゃいました。


2日間にわたり、多くの沖縄県民と親しく触れあわれた両陛下。
沖縄の歴史や文化への理解を深め、「印象深い訪問でした」と振り返られたということです。

(10月30日「皇室ご一家」放送)

(FNNプライムオンライン11月4日掲載。元記事はこちら

https://www.fnn.jp/

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