「くだもの王国」を支える新たな動き 果樹農家の人手不足解消に一役 【福島発】

地域 経済・ビジネス

実りの季節を迎えたくだもの王国・福島県。収穫の喜びの一方で、深刻な状況となっているのが生産者の人手不足。こうした中、旅先で仕事をして、農業支援にもつながる全国初の旅行プランなど、問題解決のための新たな取り組みが始まっている。

農家と旅行者をマッチング

旅行で福島を訪れた東京都の正田順敬さん。
正田順敬さん:「浜通り・中通り・会津でも全然違うので、それぞれの美味しさがあって」

大の日本酒好きの正田さんが、楽しみにしていたのが…
正田順敬さん:「まずは農業体験がやりたかったのできました」

旅行で福島を訪れた東京都の正田順敬さん
旅行で福島を訪れた東京都の正田順敬さん

正田さんが申し込んだのが、JTBとJAが連携して企画した『アグリワーケーションツアー』

JTB・金井大三事業部長:「今までは旅行者支援でやっていたのが、社会課題の解決といった新たな人流を生むことによって、世の中に少しでも貢献できるといったような自負をして考えております」

JTB・金井大三さん
JTB・金井大三さん

《働き手が欲しい農家》そして《農業を体験したい首都圏在住の旅行者》お互いのニーズをマッチングした。

報酬が受け取れる全国初の旅行プラン

通常の農業体験ツアーと異なるのが、参加者がJTBと一日ごとに雇用契約を結び、働いた分だけ報酬を受け取れる点。
旅先で仕事をして、農業支援にもつながる全国初の旅行プランだ。

JA全農福島営農支援部・安藤健太郎部長:「福島の農産物が、安全で安心で食べて頂くというのを、首都圏の方にこういう作業をして作っているだというのを認識して頂ければなと思います」

JA全農福島・安藤健太郎さん
JA全農福島・安藤健太郎さん

福島県が第一弾となった『JTBアグリワーケーションツアー』は、今後全国でツアーが計画されている。

担い手不足に福島市の新制度

福島県福島市にある小野果樹園。
贈答用のリンゴを毎年全国へ約20トン出荷し、主力品種の「ふじ」は11月収穫を迎える。
陽を浴びるように実のまわりの葉を外す「葉摘み」、そして均等に色づくようにする「玉回し」と収穫直前まで手入れを続ける。

小野裕之さん:「なかのほう結構忘れていくから、中のほうもよく見てもらって…」
二階堂和弥さん:「わかりました」

果樹園での作業
果樹園での作業

小野果樹園の3代目小野裕之さん。
これまでは両親なども作業をしてきたが、高齢となり、難しくなった。
そこで、福島市で始まった制度を利用している。

小野裕之さん:「二階堂くん消防士というだけあって、体幹しっかりしてますから脚立高い所大丈夫ですから安心して任せておけますね」

小野果樹園・小野裕之さんと消防士の二階堂和弥さん
小野果樹園・小野裕之さんと消防士の二階堂和弥さん

新しい働き方「カジュワーク」

休日に農作業を手伝う二階堂和弥さん。普段は火事や救急の現場で活動する消防士だ。
福島市が、2022年7月に始めた「カジュワーク職員制度」
勤務時間外に市の職員の副業を認め、果樹農家の労働力を補い人材育成につなげる。
(※地方公務員法で副業は原則禁止も服務規定で市長が認める)

小野果樹園・小野裕之さん:「1人では、果樹作業はほとんど無理なので、労働力は入れていかないとだめなもので、すごく助かっていますね」

小野果樹園・小野裕之さん
小野果樹園・小野裕之さん

今回で3回目となる二階堂さん、農作業も慣れてきた。
果物と緑に囲まれた中で実際やると、心と体もリフレッシュすることも実感して作業している。

カジュワーク制度を利用する福島市の職員はこれまでに46人。
新たな働き方でくだもの王国・福島を支えていく。

カジュワーク補足
※土日・祝日や勤務時間外の従事であること
※勤務日以外は1日8時間以内、勤務日は1日3時間以内(週8時間以内、月30時間以内)

(FNNプライムオンライン11月5日掲載。元記事はこちら

https://www.fnn.jp/

[© Fuji News Network, Inc. All rights reserved.]

FNNニュース