サッカー日本代表の絶好調エース・鎌田大地の“なに”がすごいのか?「僕にはとび抜けたものがない」という自己分析は本当か

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FIFAワールドカップカタール2022(W杯)の日本代表に選出され、背番号が15番に決まったMF鎌田大地(26)。

ドイツ1部・ブンデスリーガのフランクフルトに所属する鎌田は、今季公式戦20試合に出場。ここまでの成績は、12得点3アシスト(11月4日時点)。さらにUEFAチャンピオンズリーグ(CL)では、日本人初となる3試合連続ゴールを決めるなど、好調を維持し続けている。

W杯に向けて、今や進化が止まらない鎌田は、日本サッカーが新しい景色を見るためのキーマンであることは間違いない。


ではこの男の何が“凄い”のか?

本人へのインタビューと、元日本代表・大久保嘉人さんの分析を交えて紹介する。

「とび抜けたものがない」=「総合的にすべて高い」

ドイツ誌『キッカー』のフィールドプレーヤー平均評価ランキングで、トップの座をキープし続けている鎌田大地。

最近は、チーム事情もあり守備的ミッドフィールダーとして出場することが多いながらも、今季公式戦20試合で12得点3アシストをマークし、存在感を見せつけている。

鎌田本人へのインタビューで、自己分析を聞いた。

すると「他の選手は武器があるんですけど、僕はないんですよ本当に…」と、意外ともいえる言葉が返ってきた。


それでも絞り出してもらうと、『総合的になんでもできる。』という答えをフリップに書き込んだ。

「僕は本当にとび抜けているものがないというか、ただ自分の選手としての(能力を)五角形で表すと、その五角形の数値が総合的にすべて高いと思います」

その言葉の通り、複数のポジションをこなす鎌田は、どのポジションでも味方を活かす攻撃をクリエイトできる稀有な存在だ。

相手にボールを持たれた場面では、早い段階で危機を察知し、高い守備能力を発揮。さらにはチャンスの起点となるプレースキックの精度も高い。そしてゴールを決めるフィニッシャーとしては抜群の決定力を誇る。

それは今季、公式戦20試合に出場し12得点という成績が雄弁に物語る。


本人は「特筆すべき武器はない」と謙遜するが、すべてのプレーで高いクオリティを見せている鎌田。

先月、イギリスメディアが選ぶ世界最高の現役攻撃的ミッドフィルダーランキングでもトップ10に名を連ねるなど、いまやワールドクラスの評価を得ている。

大久保分析 鎌田のすごさは『トラップ』

ではそのプレーに隠された鎌田大地固有の“スペシャルワン”の技術はどこにあるのか?


フジテレビ系W杯スペシャルナビゲーターの大久保嘉人さんは、「ずばりトラップです」と断言した。

「鎌田選手は基礎がしっかりしているので、難しいボールを簡単に自分の置きたい位置にトラップできるんです」

サッカーにおいて、次のプレーへとつなげるためにボールを止め、コントロールする技術・“トラップ”。


大久保嘉人さんはその重要性を次のように語る。

「トラップですべてが決まる。僕たちフォワードがよく言うのは、シュートを打つ前にトラップを自分が思った所に止められれば、シュートは入る」

それくらいにトラップの精度がゴールのカギを握るのだという。

実際チャンピオンズリーグのマルセイユ戦(10月27日)で決めたゴールでも、大久保さんはトラップが勝負を分けたと見ている。

開始3分、左サイドからゴール正面の鎌田に供給された低いクロス。このボールに対し鎌田は相手ディフェンダーに詰め寄られながらも、2タッチで自らが置きたい場所までボールを操り、ゴール右隅にシュートを叩き込んだ。

「ポイントは2回目のトラップですね。1回目のトラップは少しボールが内側に入っています。調子が悪い時はそのままシュートを打ってしまって外す」

その言葉の通り、鎌田は1回目のトラップでボールが相手ディフェンダーに近い場所に入ってしまう。すると瞬時に、2回目のタッチで相手からより遠くなる外側にボールを誘導し、局面を打開してみせた。


「この絶妙な柔らかいトラップ。横からディフェンダーが来ているので、なかなかできないことですが、ちょっとだけ触るのが正解で、それをあのプレッシャーの中やっています。ここで勝負が決まりましたね。
キーパーも騙されていますから、横っ跳びでセーブできなかったですし、完璧でしょう」

まさに完璧にボールをコントロールすることで生まれたゴールだった。

さらに10月30日に行われた対ドルトムント戦では前半26分、味方のパスをペナルティエリアの外側、ゴール右正面でもらうと、ワントラップでシュート。

大久保さんも絶賛したトラップ技術でボールをコントロールすると、逆サイドの左ゴールネットに突き刺した。


高まる世界での評価。

それでも本人は「もっと世界的に有名な選手になりたいと思うし、まだ全然自分は満足していないですね」と更なる高みを目指している。

週明けにはワールドカップの地に乗り込む日本代表。世界の視線が集まるその舞台で、評価を不動のものとする瞬間が待ち望まれる。

それこそが日本サッカー躍進のカギとなる。

(FNNプライムオンライン11月5日掲載。元記事はこちら

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