「私、失敗しないので」 “運命の1冊”との出会い方 読書に求める「新時代の価値観」 【兵庫発】

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10月27日は「読書の日」。読書の新たな楽しみ方や、読書に求める「新時代の価値観」を取材した。

Z世代は効率重視 “読書TIKTOKer”のオススメを参考に書籍選び

若い人たちはどうやって本を選んでいるのか、街で聞いてみると…

若者は:
SNSでバズってるのを見て読んでみようかなと。TikTokではやってたり、インスタでおすすめの本みたいなので、投稿を見て良さそうだなと思ったら買いに行ったり。失敗がないんだと思います

若者は:
自分で選ぶよりは見つけやすいし。やっぱあらかじめその面白いものを選んでピックアップして教えてくれるんで、分かりやすくてすごい助かります


TikTokやインスタグラムで紹介される「おすすめ本」を、本選びの基準にしているという声が複数あった。

中でも、“日本で最も本を売る男”とも評されるTikToker「けんご」さんの動画の総再生回数は、1億回を超えている。


2021年にけんごさんが紹介した、1989年出版の小説「残像に口紅を」は動画がバズり、これまでに15万部が増刷されたほど。


“日本で最も本を売る男”けんごさん(24):
僕の視聴者さんって主に若年層の方が多いんですけど、うまくはまってバズらせることができれば、小説に興味がない方に魅力が届くなと思って。たしかに情報を選んで失敗したくないっていう思いは、めちゃくちゃ高まってきていると思うんです


1冊10分で読める! 本の「要約サイト」も人気

書籍1冊分の内容を10分程度で読める「本の要約サイト」を見て、効率よく本を選ぶ人も。


「面白い本を探す時間がもったいない」「あらかじめ面白いと分かっているものしか読まない」と、時間を有効に使うタイムパフォーマンス「タイパ」が、読書にも求められているようです。

人と“すれ違う”だけでオススメの1冊と出会える

一方、本との「偶然の出会い」を楽しむ人も。 

今、注目されているのが「タクナル」というアプリ。登録した人同士がすれ違うだけで、その人がおすすめする本と出会えるサービスです。


使い方は簡単、アカウントと自分のおすすめ本を登録するだけ。さっそく試してみることに。
平日の午前11時ごろ、大阪・梅田周辺を5分ほど歩くと…14冊もの本が自分のアプリに「オススメ」として飛び込んできた。


出会った本にはおすすめした人のコメントが表示される。「読みたい!」と思ったら「本棚」に保存。簡単なあらすじなども見られるので、本選びの参考にすることができる。


街でばったり、「運命の1冊」に出会う。これからは、そんな時代になるのかもしれない。

読書感想の“シェア欲”を満たすニュータイプの書店

“自分だけの書店”も増えている。大阪府堺市に9月にオープンした「HONBAKO」は、細かく区切られた108個の「本箱」1つ1つに、地主ならぬ「箱主」と呼ばれる店主がいる、シェア型書店だ。


2750円からの月額料金を支払えば誰でも、自分がセレクトした本を好きな価格で販売することができる。


箱主:
箱の中の本のテーマは、私は将棋が好きなんで、将棋をテーマに。自分の好きな内容をご紹介する

置かれている本のジャンルはさまざまで、自作の絵本を置こうとしている人も。

箱主:
自分で描きかけの本で、もうできるっていうのがあって、それを置いてみたいなあっていう夢があったのでこの「箱」を借りて。なんかうれしい


棚のレイアウトは箱主の自由。それぞれに個性があり、こだわりが詰まっています。

箱主:
更年期以降のね、ちょっと人生楽に、楽しく生きれるようなヒントになるような本を集めて。自分が選んだ本を。誰かが読んでくださるっていうのはすごいうれしいです

箱主:
唯一涙を流した本なので、僕が感じてたことが買った人に何か浸透していくっていうか。そういう共有感みたいなものを感じられる


「HONBAKO」は、本への想いを誰かと分かち合いたい。そんな“シェア欲”を満たしてくれる場所のようだ。

HONBAKO 中道尚美店長:
本だけじゃなくて、その本箱の箱主さんの思いとかつながりとか、いろんなものをここで感じ取っていただける、そんな本屋さんにしたいなと思ってシェア型書店をやっています


本の好みでマッチング 読書から始まるロマンスを

本を取ろうとして、偶然に手と手が重なり合う…そんな「運命的な出会い」をコンセプトにしているのは、オンライン書店「Chapters bookstore(チャプターズブックストア)」。
“本の好み”を通じて利用者同士のマッチングまでしてくれる、ユニークなサービスだ。


Chapters bookstore 森本萌乃代表:
本って1人で楽しめる、エンターテインメントの中でも一番、そして唯一孤独なものだと思うんですよね。だからこそ読み終えた後に誰かと共有したいという道に一番なると、私は考えているんです


まず、オンライン上で生年月日やどんな本が好きかなどを入力し、会員登録(月額1980円)。タイトルが伏せられた4冊の本の中から、イラストと推薦文だけを見て直感で本を選び、届いた本を読む。


その後、チャプターズ独自の指標で、相性の良い、同じ本を選んだ1人がマッチングされるシステムだ。

相手の顔が徐々に見えてくるというドキドキのビデオチャットを通して20分ほど会話でき、気が合えば連絡先も交換できる。


実際に成立したカップルも。きっかけになった運命の1冊は、ホラー小説だったそうだ。

カップルになった2人:
私よりもホラーについて詳しかったっていうのと、本当に周りにホラーについて話せる人がいなかったので、とにかくそれがうれしかったので。結構、舞い上がっていたって感じですね。共通の人ができたって
 

カップルになった2人:
会話していく中で、ちょっと共通点多いじゃんって。そこで「もうちょっとこの人を知りたい」になって。どう転ぶにしろ、会ってみたいなって感じです


現在、延べ4000人以上が利用しているこのサービス。登録者は20~30代が7割を占めるそうだ。

Chapters bookstore 森本萌乃代表:
Chaptersって本を選んで、本が届いて、本を読んで出会うので、最短でも2週間くらいかかるんですよ。あえてその面倒くささとか、時間をかけるという行為を大切にしたいって思ってますね。結局、お客さまが欲しいものって、たった1人の自分の価値観と触れ合う出会いじゃないですか。それをするために効率ってそんなに関係なくて。私はそのプロセスに意味があるなと


ますます深まる「読書の秋」。あなたはどんな方法で、“運命の1冊”と出会うのだろうか?

(関西テレビ「報道ランナー」2022年10月27日放送)

(FNNプライムオンライン11月6日掲載。元記事はこちら

https://www.fnn.jp/

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