11月8日は「皆既月食」「天王星食」2つの天体ショーが楽しめる!次回は322年後!?観察のポイントを国立天文台に聞いた

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11月8日、日本全国で「皆既月食」が見られる。

そもそも月食とは、太陽・地球・月が一直線に並ぶとき、地球の影の中を月が通過することによって、月が暗くなったり、欠けたように見えたりする現象のこと。

提供:国立天文台
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太陽光がほぼさえぎられた地球の濃い影を「本影」、その周りの薄い影の部分を「半影」と呼び、この「本影」に月の一部、あるいは全部が入った状態を一般的に「月食」と呼んでいる。今回見られる「皆既月食」は、地球の本影に月全体が入る現象のことを指す。

提供:国立天文台
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8日、月が欠け始める「部分食」が始まるのは18時09分から。赤銅色(しゃくどういろ)の月が見られる「皆既食」は19時16分に始まり、約86分間続いて、20時42分に終わる。

その後、月は徐々に地球の影から抜けて、21時49分に部分食が終了するというスケジュールだ。

月が天王星を隠す「天王星食」も見られる

日本で見られた月食としては2021年11月以来、皆既月食としては同5月以来と、これだけでも十分に見応えのある天体ショーだが、11月8日は月食の最中に、さらにもう1つの天文現象が見られるタイミングだということが、注目ポイントだ。

8日の皆既月食とともに、小笠原諸島を除く日本のほとんどの場所で見られるのが、惑星が月の後ろに入り込む(潜入する)「惑星食」。今回は天王星が月に隠される「天王星食」だ。

提供:国立天文台(国立天文台公式YouTubeより)
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天王星は約6等で、薄い青色に見える星。

「空が十分に暗い場所で、目の良い人が見てやっと見えるほどの明るさ」ということで、天王星が普段の満月のすぐ近くにある場合、月の方が天王星よりもはるかに明るいため、双眼鏡や望遠鏡を使っても見つけることは簡単ではないそう。

しかし今回、多くの地域では天王星の潜入時には月が皆既食中で暗いため、天王星が月に潜入するまでは、月の光で隠されることがなく、比較的簡単に観察することができるのだという。
天王星が月に隠れる直前と、再び出現した直後は見つけやすいタイミングで、月食中の月を目印にして探すことができるだろう。

提供:国立天文台(国立天文台公式YouTubeより)
提供:国立天文台(国立天文台公式YouTubeより)

「皆既月食中に惑星食が起こる」のは珍しく、 日本で前回皆既食中に惑星食が起こったのは1580年で、日本で次回皆既食中に惑星食が起こるのは2344年だそう。なんと安土・桃山時代以来の442年ぶりで、これを逃すとあと322年は見られないという現象なのだ。

この貴重な機会にぜひ天体観測を楽しみたい!という人は、どんなところに注目したらより楽しむことができるのだろうか。国立天文台にお話を聞いた。

「天王星食が起こる時刻を調べておく」ことがポイント

――今回の皆既月食にはどんな特徴がある?

今回の皆既月食は、日本全国で観察することができます。 部分食が始まる時刻では月の高度が低い地域もありますが、多くの地域で月の高度がある程度高くなる時間帯に皆既食となり、観察しやすいと思われます。

また、今回の月食では月食の最中に、小笠原諸島を除く日本のほとんどの場所で月が天王星を隠す「天王星食」が起こることが特徴です。


――今回の「皆既月食中に起きる惑星食」の珍しさについて、改めて教えて

「日本で皆既食中に惑星食が起こった(または起こる)」のは、以下の通りです。

前回:1580年7月26日(土星食)
次回:2344年7月26日(土星食)


「皆既食中」という条件ではなく、対象となる幅を広げて「日本で月食中に惑星食が起こった(または起こる)」という条件に変えると、前回については、2014年10月8日の部分食中の天王星食が条件に当てはまります。このときは、稚内付近のみ、部分食中に天王星食が起こりました。 次回については、「日本で月食中に惑星食が起こる」と条件を変えても、同じく2344年7月26日の土星食となります。

今回見逃すと、日本では300年以上、月食中に惑星食が起こることはありません。


 ――月食を観察する際のポイントは?

月食は、肉眼で十分観察できる天文現象です。また、双眼鏡や望遠鏡があると、よりじっくりと月を観察することができます。

月食とは月が地球の影の中を通過することによって、月が暗くなったり、欠けたように見えたりする現象です。月が徐々に欠けていき、そして月が地球の影にすっぽりと入り込む皆既食となり、そして徐々に月が元に戻っていく様子を観察してみましょう。

提供:国立天文台
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皆既食中の月は、「赤銅色」と呼ばれる、赤黒い色に見えます(色の様子は、肉眼でも観察できます)。

この色はいつも同じではなく、地球の大気中のチリが少ないときには、大気を通り抜けられる光の量が多くなるため、月はオレンジ色のような明るい色に見えます。

一方で、大気中にチリが多いと、大気を通り抜けられる光の量が少なくなるため影は暗くなり、月が灰色に見えたり、あるいは本当に真っ暗で月がほとんど見えなくなったりします。

皆既食中の月が明るく見えるのか、暗く見えるのかに注目して観察してみてください。

提供:国立天文台
提供:国立天文台

――では「天王星食」を見るときに、こんな所に注目するといい!というポイントはどこ?

天王星食を観察するためには双眼鏡や望遠鏡が必要です。天王星は約6等と夜空の暗い場所でぎりぎり肉眼で見える程度の明るさです。双眼鏡を使う場合は三脚に取り付けておくと、比較的楽に観察できます。望遠鏡を用いると(望遠鏡にもよりますが)、双眼鏡よりも高い倍率での観察も可能になります。

観察する場所で天王星食が起こる時刻を事前に調べておくことも重要です。月食が起こる時刻は日本全国同じですが、天王星食が起こる時刻は観察する場所によって異なるからです。国立天文台暦計算室の『惑星食各地予報』(計算地点を設定し「条件を変えて予報する(Goボタン)」をクリック)を使い、事前に確認しておきましょう。

観察のポイントは、天王星が月の後ろ側に隠れる「潜入」の時と、月の後ろ側から出てくる「出現」の時です。それぞれの予報時刻を調べ、それよりも早めに望遠鏡や双眼鏡の視野に天王星の潜入/出現の位置が見えるように月を導入しておきましょう。

いつから待機する?月食スケジュールをチェック

最後に改めてスケジュールを確認しておきたい。

提供:国立天文台
提供:国立天文台

月は11月8日の18時09分から欠けはじめ、その後、19時16分から20時42分までの約86分間、皆既月食となる。その後、徐々に欠けた部分が小さくなっていき、21時49分に部分食が終わる。

また、月が天王星を隠す「天王星食」は、主な都市から以下のスケジュールで起きる。

天王星の潜入および出現が開始する時刻(1秒未満は四捨五入)。提供:国立天文台
天王星の潜入および出現が開始する時刻(1秒未満は四捨五入)。提供:国立天文台

【札幌】潜入開始:20時49分 出現開始:21時47分
【仙台】潜入開始:20時44分 出現開始:21時32分
【東京】潜入開始:20時41分 出現開始:21時22分
【京都】潜入開始:20時32分 出現開始:21時21分
【福岡】潜入開始:20時22分 出現開始:21時17分
【那覇】潜入開始:20時13分 出現開始:20時54分

天王星の「潜入」は、東京近辺より西では皆既食の最中に起こり、それより東では皆既食が終わった後の部分食中に起こる。

また、天王星が月の後ろから再び出てくる「出現」はどの地域でも皆既食が終わった後の部分食中に起こり、北の地域ほど、食分(月の欠けている割合)が小さくなってからの出現となる。


8日は貴重な天体ショーが見られる天気となることを願うばかりだが、ぜひ双眼鏡を片手に、夜空を見上げてみてはいかがだろうか。

(FNNプライムオンライン11月7日掲載。元記事はこちら

https://www.fnn.jp/

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